山行 シダンゴ山で新緑を楽しむ
4月24日(日)前日の大雨が一転の快晴となり気温も上がって行楽日和となりました。雨上がりの山歩きは泥濘に悩まされそうだと躊躇しましたが、西よりの山は富士山の火山灰で水はけが良さそうだと踏み切りました。とはいえ、夕方には身内の通夜があり、それほど遠出は出来そうもないので、車で30分ほどの松田町の寄(やどろき)からシダンゴ山(758m)山に登り、秦野峠経由の林道歩きで寄に戻るコースを選びました。
快晴の空の下、ドライブやツーリングを楽しむ人が多いようでしたが、我が家のオンボロ君も気持ちよさそうにエンジン音をとどろかせて丘陵地帯を走り抜けていきます。平成13年に購入し、今年ちょうど10年を迎え、現代の車事情としては高齢にあたると思います。定期的にメンテナンスも継続していますし、まだまだ元気にいけそうです。
国道246号線を渡り寄に向かう山道に入ると、道端にリスがチョロチョロしていたりして、この地区の自然の豊かさを知ることができます。自然休養村の駐車場に駐車して、準備を整え10時45分出発。駐車場に隣接する広場の遊具で遊んでいた天然児は激しく泣いて抵抗しましたが、同行したババ、弟にあやされて歩き出しました。このやり取りは毎度の光景であります。
満々とした水量の中津川を渡り、集落を抜けていきます。庭先に八重桜やヤマツツジが植えられている家が多く、ピンクの美しい花が満開でした。集落を抜けると、山の斜面を利用した茶畑の間を急坂の農道が続いていきます。急坂に喘いでふと振り返ると、中津川対岸の山里風景と緑のモザイクがとても心地よいです。沿道の畑で八重桜の花を摘んでいる人もいました。ちなみに桜花の塩漬けはこの辺りの名物でもあります。
しばらく行くと、農道の脇にはこんな旧車が骸を横たえていました。
てんとうむし
何とも簡素なエンジンが納まっています。
天然児も興味津々
農家の人は畑の脇に無造作にいろいろと粗大ごみを放置しているようですが、これを観察するのもなかなかレトロで面白いものです。
茶畑の最上部はものすごい急登です。これを登り切るとイノシシの防護柵が行く手を遮ります。辺りにはヤマブキの花がとても奇麗に咲いていました。
防護柵のかんぬきを外して登山道に入ります。植林帯の中を進む登山道は、それまでの農道の急登とは対照的に緩やかで、また、予想通り火山灰の道は水はけが良好で、泥濘もなく登りやすい道でした。標高を上げていくと植林帯から落葉樹林となり、尾根道を歩いていると表丹沢や前衛の低山によく見られる赤松が見られました。
登山道を歩き始めてから1時間ほどでシダンゴ山の頂上に達しました。頂上は馬酔木(アセビ)の低木に囲まれていますが、開けていて360度の展望が得られます。北は檜岳(ひのきだっか)や雨山、そこから東に向けて鍋割山稜、塔ノ岳の尾根、三ノ塔、大山と並びます。南は二宮から小田原方面にかける西湘の海岸線。西には箱根の山々と名前も知られていない山に隠れて富士山も控えめに見えました。
頂上は日当りがよく、何組かのパーティーや独行のハイカーたちが昼食をとっていましたので、私たちも景色をおかずに昼食としました。頂上には祠が祀られ、その脇には「シダンゴ」というこの変った山名の由来が記されていました。それによれば、はるか昔中国を「震旦」と称する時期があり、仏教伝来直後にこの山に寺を建て、山麓の寄に仏教を布教した僧がいたことから、震旦郷(しんたんごう)が転じてシダンゴになった説と、サンスクリット語(梵語)で羅漢(仏教を修行して悟りを開いた者)を意味する言葉が「シダゴン」で、修行者がこの山に定住したことで、その後シダンゴに転じたという2つの説があるそうです。
程よく昼食と休憩時間をとった後、西側斜面を下って秦野峠を目指すことにしました。急坂を10分ほど下ると鞍部を渡り虫沢林道に出ました。ここから今回の長い林道歩きの始まりです。虫沢林道は未舗装の砂利道で、ここから西にある秦野峠は標高800m以上あるので、やや登り加減となります。MTBで虫沢方面に下っていく人もいました。沿道には山桜やミツバツツジ、足元にはスミレの花が見られ、更に新緑のモザイクが何よりの目の保養です。これに山ガールという目の保養があれば最高なのですが・・・
しばらく歩いて上りきると直ぐに舗装された秦野峠林道にぶつかりました。出合には開通記念碑と工事で亡くなられた方の慰霊碑が建っています。この記念碑までは2月に天然児と秦野峠林道を歩いたので記憶に新しいところです。また、ここから伊勢沢ノ頭、檜岳、雨山といったマイナーな山々に向かう登山道が分岐しています。何れ訪れることでしょう。
さて、秦野峠からは寄に向かって林道をひたすら下っていきます。左手には檜岳山稜、右手は深い谷でその向こうにシダンゴ山が見えています。歩き始めて間もなく、大規模な砂防堤の工事現場がありましたが、このような山奥までご苦労様です。林道脇の側溝にはものすごい量の山ヒキガエルの卵が産み付けられ、オタマジャクシにかえっていました。沿道の山桜やコブシ、ツツジ、ヤマブキなどの花を楽しみながら1時間ほど下ってくると、秦野峠林道の通行を規制するゲートに達しました。
ゲートをくぐり中津川源流部にかかる寄大橋を渡ると、左が中津川源流沿いに雨山峠方面の林道で、中津川と共に右に下れば寄集落です。中津川の河原ではバーベキューを楽しむ人たちが見えました。大橋から30分ほどで正面にスタート直後に渡った橋が見えてきました。シダンゴ山だけならのんびりハイキングですが、その後の舗装路の歩きは結構応えました。
☆メンツ:天然児、ババ、弟、私
★コースタイム:4時間20分(休憩含む)
寄自然休養村P10:45→イノシシ防護柵11:10→シダンゴ山12:10(昼食)12:40→虫沢峠出合12:50→秦野峠13:25→寄大橋14:35→自然休養村P15:05
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