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2011年8月29日 (月)

夢の庭園での悪夢

 いよいよ盛夏の暑さが訪れた8月7日、勝沼の葡萄や桃畑を横目に北へ進路をとります。成熟具合を見ると、葡萄はシーズンを迎えてたようですが、桃はまだ早そうですね。フルーツラインから塩山駅前を抜け、秩父方面に通じる国道140号線にある道の駅「花かげの郷まきおか」で休憩をして、いよいよ山梨県から奥秩父の山々を越えて、長野県側に下りる大プロムナードに挑戦します。このコースの大半が、山梨県の山梨市牧丘町から北上し、標高2,360mの大弛峠を越え長野県川上村に通じ、日本最高所の林道といわれる川上牧丘林道であります。この林道をドライブすることは車を所有した頃からの念願だったのですが、15年を経てやっと実現しました。以前はかなりハードな林道だったようですが、現在、山梨側は完全舗装路になり、最高所である大弛峠には駐車場が整備されているとのこと。

 牧丘町杣口地区から琴川ダムに向かう、全長10km程の杣口林道入ると九十九折の急坂を登っていきます。爽やかな風とヒメハルゼミの鳴き声が高原ドライブらしく気持ちが良いです。この道路は秩父山地の南縁を清里まで続く高原道路「クリスタルライン」の一部でもあります。秩父の山々と富士山、南アルプスなどの大展望が楽しめるコースで、自転車ツーリングの人気コースらしく、多くのライダーが峠を越えていました。

 やがて琴川ダムを眼下に見下ろす辺りで、民宿が点在する三差路にぶつかり、ここで杣口林道は終点となり、左手から上がってくる川上牧丘林道へ直進していきます。本来秩父の山々が迫り迫力ある展望が楽しめるはずですが、この辺りは下界の晴天に反して小雨が降ったり止んだりする天気で遠望はききませんでした。琴川ダムより上は針葉樹林の高山の雰囲気で、涼しさは寒さに代わるようになっていました。牧丘町杣口地区から1時間余りの林道ドライブで、最高所大弛峠に到着しました。峠周辺の駐車スペースは満車で、路肩駐車も多く、峠を少し過ぎた路肩に駐車しました。

 大弛峠は奥秩父縦走路上に位置して、西に秩父山地の盟主金峰山。東には国師ヶ岳や遠く甲武信ヶ岳に縦走路が延びています。これらの山々に最端コースで往復できる位置にあるので、マイカー登山者が集中する場所なのです。

P1000435 奥秩父縦走路上の大弛峠

 今回は登山ではなく寄り道なので、大弛峠から東に15分ほどの夢の庭園を目指すことにしました。「夢の庭園」・・・聞いただけでワクワクしてきますね。大弛小屋の前庭ではチビッ子がオフロードカーのラジコンで遊んでいました。小屋の管理人のお子さんでしょうか。夏休みなのでのんびりとした山の時間を送っているようです。からかうようにラジコンが私たちの後ろからつけてきたので、天然児はフルテンションで爆笑しておりました。彼にとっては小屋の前庭が夢の庭園になってしまったようです。

P1000437 遅咲き石楠花の花が残っていました。

 針葉樹帯の中の登りを少し歩くと、巨岩と低木が見事なコントラストを見せる場所に出ました。ここが「夢の庭園」です。昭和35年に前述の大弛小屋の管理人が発見した絶景ポイントだそうで、晴れていれば360度の大展望を手にすることが出来ると聞いてはいたのですが・・・この日は雲に包まれて真っ白の世界です。まあ、それはそれで神秘的な世界を堪能できましたけど。

P1000439 夢の庭園へ P1000440 これで展望が開けたら最高でしょう。

 階段状の木道を少し進むとベンチがあったので、仙人のように霞をおかずに昼食としました。が、程なくゴロゴロロ・・・と低いうなり声のような雷鳴がしてきました。それを合図にしたかのように、今まで霧雨状だった雨が物凄い大粒の雨に変わりました。こうなるとオチオチおにぎりを食べているどころではありません。何より先んじて雷から身を隠さねばならないので、樹林に逃げ込んで大岩の影で雨を凌ごうとしましたが、岩の下に押し込もうとした天然児がパニックに陥って泣き叫ぶので手がつけられません。雷が近くなり、雨はますます強くなるので、恐怖に絶叫する天然児の手を強引に引いて川と化した登山道を下る羽目になってしまいました。何より天然児の合羽を忘れたのが痛手でした。これは親としてどう非難されようと返す言葉がありません。国師ヶ岳方面からもぞろぞろとハイカーが下山してきました。泥沼の敗走状態です。

P1000444 雷雨襲来!

 大弛小屋には多くの人が雨宿りをしていましたが、泣き叫ぶ天然児を引いて小屋の前を通過するときの視線が痛かったです。彼の声が余りに物凄かったので、皆さんに心配をおかけしてしまったようです。前述のラジコン少年が「あの子大丈夫か!?」と驚きの声を上げたのがトドメでしたね。申し訳ありません。車に戻って、天然児の身包み剥いで乾いた着替えを着せましたが、彼には本当に可愛そうな経験をさせてしまいました。山嫌いが更に進んでしまったことでしょう。

 それにしても、峠から片道15分の夢の庭園でもこの有様です。峠の駐車状況が語るように、この日は夏休み期間の休日ということで、多くの人が奥秩父の山に入っていたことでしょう。金峰山方面を目指した人はさぞや苦労したことでしょう。山の天候の恐ろしさを学ぶ良い機会になりました。

 川上牧丘林道は大弛峠を境に長野県側はダートとなりますが、これがとんでもない悪路で、大きな石はゴロゴロしているし、路面が削られて大きなギャップがあったりと、オフロードカー向きの路面状況でした。マイカーはステーションワゴンなので、何度も底の方から嫌な接触音を上げながら恐る恐る下りました。雷雨はますます勢いを増し、路面は川のように泥水が流れておりました。

P1000445 長野県側のダート(湿気でカメラのレンズカバーが半開き)

P1000448 廻目平の屋根岩

 林道の終点に位置する長野県川上村の廻目平にある屋根岩が雲間から姿を見せたときはホッとしました。我が子、マイカー共に優しくない夢の実現でした。

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