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2011年12月27日 (火)

走る鉄博!大井川鉄道の旅その1

 我が家では鉄道大好き天然児へのご褒美として、数年に1度SLが現役で活躍する大井川鉄道沿線の旅を楽しんでいる。近年同鉄道では、冬季に沿線の名湯寸又峡温泉の宿泊費と往復の交通費が格安のパックになった「冬のスマタ」を提供している。新金谷-千頭間の鉄道と寸又峡温泉までのバス、温泉民宿1泊2食で8千円(12月)というお手軽さは利用しない手はない。

 12月17日(土)東名吉田ICから茶畑が広がる牧之原台地を通り抜けて、島田市にある新金谷駅にやってきた。SL急行の始発駅である新金谷駅前に広い駐車場が設けられていて、大井川鉄道沿線の旅の拠点となっている。駅前には券売所兼待合所のプラザロゴがあり、古い車両や駅舎、鉄道模型などが展示されている。売店もあってご当地名産であるお茶のほか、鉄道グッズなどが豊富にそろえられているので、旅の前からお土産に気をとられてしまう。11時48分発のSL急行「かわね路」号を待っている間、天然児は展示車両で大はしゃぎ。多くの家族連れの姿があったが、ハイテンションな天然児は他を寄せ付けない困り者である。

P1010814 旧京阪電鉄と南海電鉄の旧車たち

P1010825 レトロ感漂うプラザロゴの展示 P1010822

 出発時刻のかなり前にSL急行編成はホームに入線し、罐の温度を上げて蒸気圧を調整していた。大井川鉄道運行80周年の記念ヘッドマークが輝いている。待ちに待ったSLなので、いち早く間近で見て写真やビデオに雄姿を収めたいのはその場にいる人たち共通の思いであるが、ホーム周辺が混雑すると上り電車の入線もあるため、安全上ホームへの立ち入りができない。線路沿いのフェンス前には待ち遠しそうに人だかりができていた。この日、SL・C11形が牽く客車は4両編成で、一番後には補助の電気機関車E10形が連結されている。

P1010833 SL急行「かわね路」号入線。でもまだ入っちゃダメ!

 出発10分前に改札が始まると、SLの周辺は記念撮影をする人で大賑わい。そのうち満足した乗客が客車に納まると、11時48分に汽笛一声、定刻の出発となった。ゴトン!と牽引力が客車に伝わり、ゆっくりと新金谷駅のホームを滑り出す。ホームや駅舎から駅務員や同社の事務員が手を振って見送るサービス振りである。これから千頭まで約35kmを1時間余りかけてのんびりとした鉄道の旅が始まる。

P1010839 さあ出発だ! P1010845 日本一のお茶の産地

 金谷の市街地を抜けるとお茶畑が広がる田園風景の中を走る。車窓からでは分からないが、さぞ撮り鉄の心を揺さぶる光景であろう。第二東名の高架をくぐると進行方向の左右から山が近づいてくる。やがて右手に広大な河原を擁する大井川が車窓に飛び込んできた。「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謡われた大井川は、その昔、徳川幕府の防衛戦略上架橋されず、渡船も禁止され、旅人は浅瀬を自ら歩いて渡るか、川越人足に頼るのみであった。思えば数日前に箱根神山に登っているのだが、レジャーとして昔の難所をいとも簡単に往来できる時代なのだ。

 車窓左手の山と右手の大井川に挟まれた狭隘な地形をSLは走る。車内放送では名物車掌の「SLおばさん」が名調子で沿線の名所やSLのプロフィールを語る。「左手、山の斜面をご覧になってください。可愛らしいタヌキたちが見送ってくれていますよー。あっという間に過ぎてしまいますので、注意して見てくださいね。」とアナウンス。すると線路脇の斜面に信楽焼のタヌキの群れが見送ってくれた。

P1010843 神尾駅手前の狸たち P1010982 大井川を見ながらのんびりと・・・

 12時15分、SL急行唯一の途中停車駅である家山駅に8分ほど停車。乗客はそろぞろとホームに出てSLの撮影をしたり、趣きある家山の駅舎を眺めたり。家山を出発して隣の抜里駅を通過すると、大井川に架かる橋梁を渡り右岸から左岸に渡る。このとき、「右手をご覧になってください。裸のおじさんが手を振っていますよー」とアナウンス。のどかな田園風景にそぐわない露出狂の出現か!?さにあらず。橋を渡った右にあるのが「川根温泉ふれあいの泉」という温泉施設で、その露天風呂から裸のおじさんたちが手を振っていたのだ。

P1010850 家山駅で休憩 P1010855 懐かしいアイテムたち P1010857

 沿線はひたすらお茶畑が続いているが、この辺りは「川根茶」というブランドものである。その中で、俗に日本一短いトンネルといわれる全長10mほどの地名トンネルや、対照的に大井川に架かる全長220mの塩郷つり橋が乗客の目を楽しませてくれる。車内販売では車内限定グッズのハーモニカやSLのおもちゃ、SL弁当などを販売している。「SLおばさん」の十八番ハーモニカ演奏もこのタイミングである。

P1010867 9600形SLとE10形電気機関車 P1010872 人力転車台

 13時5分に終点の千頭駅に到着。向かいには上りの旧南海電鉄21000系電車が待機中であった。(実はこの電車、この直前に椎茸栽培の人が伐採した木が衝突して、破損していたことを夕方のニュースで知った。)千頭駅港内には静態保存の9600形SLやE10形、E31形などの珍しい車両が出迎えてくれた。転車台など珍しい施設にも注目である。(つづく)

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コメント

なんとものどかな旅ですなぁ。
SL乗ってみたくなっちゃいました。

>タヌキ
その中に今の政治家はいませんでしたか?(爆)

 窓を開けてないんだけど、どこからともなく煙の臭いなんかして旅情をかき立てます。

 狸は人ほど腹黒くありませんね。狐や狸が人を化かすと信じられていた時代は、そういうダーティーなイメージで忌み嫌われていたのでしょうね。腹黒い政治家=狸のイメージは、ご当地の領主であった神君家康公の腹黒さからですかね。そうそう、家康公はアマダイが大好きでした(笑)

 水清らかな大井川ではウナギの養殖が盛んですが、泥臭いドジョウさんはいないかもしれませんね。

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