山行 アスレチックトレイル 石棚・同角山稜その2
県民の森からの急登が嘘のように穏やかな石棚山稜を檜洞方面に歩く。それにしても、この稜線には見事なブナの大樹が多い。一月前にはツツジが花を添えて多くの人が訪れたであろうが、この日は単独行のハイカーがポツポツ程度である。
檜洞丸手前のテシロノ頭(1491m)という小ピークを越えて、檜洞丸への鞍部にユーシン方面への分岐点があった。辺りには大きなフキ(?)が群生していて、ちょうどその中にテーブルが設置されていたので昼食とした。
ユーシン方面に転進
二宮・吾妻山からの眺望(同角の個性に注目)
ここから同角山稜を下っていく。下る下る。中ノ沢乗越と呼ばれる鞍部まで一気に下ってしまった。気がつけば、目の前には同角ノ頭のピークが逆に立ちはだかっていた。同角ノ頭とはヘンテコな名称である。1491mのピークは表丹沢の名峰塔ノ岳やつい先ほど越えてきたテシロノ頭と同じであるのは面白い。また、ピラミタブルな山容なので、私は地元から見上げたときに同角ノ頭が檜洞丸だとばかり思っていた。
ピラミタブルな山はそれだけ険しい。階段や木道をエッサホイ!エッサと登っていく。石棚山稜同様に、この一帯もブナが深く霧雲に霞んで雰囲気がある。西丹沢特有の白い砂礫には黄色いオオジシバリが群生していた。
同角ノ頭(1491m)の山頂はブナの大木に覆われて展望が得られないが、かかる霧雲がなんともいえない雰囲気を演出している。山頂はスルーして、大石山方面に下る。ブナの他にもヒメシャラやツツジ、アセビの樹が多い。特にアセビの茂みが目立ち、アセビのトンネルを歩いているようだ。また、白い砂礫の下り道は滑りやすく、所々、片側が深く切れ落ちているところもあって注意を要する箇所である。
同角から大石山へ下る尾根は、小ピークとキレットが連続している。急斜面を鎖と梯子を下り、キレットを木の架橋で渡り、再び梯子で急斜面に取り付く。なかなか変化に富んでいて面白い。子供がまだ素直なうちにこのような所を歩きたかったなぁ・・・今では山登りの「や」といっただけで拒否られてしまう。
連続する起伏の終点は大石山手前の岩場である。滑りやすい花崗岩の急斜面を鎖を頼りに登っていく。丹沢では珍しい岩登りである。斜面を登りきると、大岩が乗っかった大石山の山頂(1220m)である。山頂の平石が大石山の由来かと思いきや、南斜面にとてつもなく巨大な花崗岩があった。これがホントの大石だ!
起伏した同角山稜は、大石山から一気に高度を下げ、植林帯に入ると間もなくユーシンロッジの裏手に出だ。休業中のロッジはひっそりとしていたが、きっと今夜も静かな夜を楽しむ人が訪れることだろう。
台風の影響か、被害著しい玄倉林道を走ってこの山行も無事終了となった。(仲ノ沢林道は7月1日より夏期は通行止となっているので、県民の森までマイカーは入れない)
☆メンツ:単独
★コースタイム:5時間35分(休憩含む)
仲ノ沢林道起点10:45→11:10西丹沢県民の森→12:30石棚山→13:00同角山稜分岐13:10→13:40同角ノ頭
→14:30大石山→15:05ユーシンロッジ→15:45玄倉ダム→16:20仲ノ沢林道起点
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