山行 初日と子煩悩な富士の姿 ご来光登山その2
本栖湖畔の駐車場を出発して、白い息を吐きながら本栖みちの車道を10分ほど歩くと、短い本栖隧道が口を開けています。このトンネルの手前を右手に入って、ジグザグと急登の登山道を稼いでいきます。霜柱が5cmほど隆起した道ではあるものの、すぐに汗をかくほど体が温まってきました。ふと振り返ると、鏡のように穏やかな本栖湖、そして対岸には最初に登る予定であった竜ヶ岳と雨ヶ岳が対座していました。北面にあたるためか、斜面には雪が多く残っているようでした。
落葉樹の樹林はすっかり葉を落としていましたので、樹間をとおして初日の出寸前の富士山や稜線の雪が真っ赤に染まっている南アルプスの峰々が見えています。スタートを出遅れてしまいましたので、樹間からの初日の出も覚悟をしていましたが、何とか最初の展望地である烏帽子岳(1257m)の山頂に到着することができました。山頂には2グループがいて、今まさに富士山の左肩から現そうとしている初日の出を待ち構えていました。7時20分、初日の出を礼拝。今年も無事に歩けますように・・・
烏帽子岳の北には程よくピークが並んでいて、先へ先へと意欲をかき立てる山並みです。烏帽子岳から少し下ると、樹間から本栖湖畔に並ぶ車の縦列を見つけました。これは先述の富士山展望スポットに向かう縦列です。何故か警察車両がひっきりなしにサイレンを鳴らし、路肩の駐車車両の移動を呼びかけていました。ちょっと興ざめな状況です。鞍部を登り返すとすぐに第2の展望地であるパノラマ台(1328m)に到着しました。
子抱き富士と樹海
御坂山塊(右)、三方分山(左)と精進湖
パノラマ台のワンコ
パノラマ台からはの展望は素晴らしく、左手に懐に赤ちゃん(大室山)を抱いたお母さん富士、俗に「子抱き富士」が見えました。正面には、長く下ろした裾野に広がる黒々とした青木ヶ原樹海。右手には、パノラマ台から更に延びていく御坂の山塊の山並み、眼下には精進湖、西湖、その先に僅かに河口湖や山中湖も見下ろせました。
パノラマ台から北の尾根を下って精進湖へ下る予定でしたが、精進湖の向こうに立つ台形の頭がいかにも形が良く、あのピークまで行って下りようということになりました。地図を見るとこの山は三方分山(さんぽうぶんやま)という山のようです。珍しいこの山名の由来を調べてみると、尾根が東、北西、南西の三方向に均分に延びていること。あるいは3つの町村境に位置しているいわゆる三国山のような山であることが分かりました。
精進湖方面の道を分ける根子峠を通過すると、すぐに急な上り返しとなります。この辺りの尾根は岩が露出し、やや歩き辛い箇所となっています。植生はカラマツなど落葉樹の森が続いているため南東からの日当りが良く、冬山ハイキングに適した状況ですが、日陰には凍りついた雪が残っていて注意が必要です。
精進湖への道を分ける精進峠に一旦下って上り返すと、いよいよ三方分山への急登となります。この辺りの樹間からは富士川の対岸にそびえる南アルプス、特に白根三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)がよく見えて、その右手には八ヶ岳も見えています。展望を楽しんでいるうちに樹林に囲まれた三方分山(1422m)に到着しました。南側が切り開かれていて、パノラマ台とは反対に精進湖の向こうに右側に赤ちゃんを抱いた子抱き富士が見えていました。(つづく)
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