山行 奥多摩へ第一歩 雲取山その1
丹沢に巣食う「井の中の蛙」山笑。かみによる時間制限が外征を不可能としてきましたが、今年こそは!と意気込み(企み)も新たに、新年早々の三連休、奥多摩に進出してきました。奥多摩と軽々しくいっても、南は高尾・陣馬山から延びる笹尾根から、奥多摩三山の浅間尾根、多摩川の流れから主峰雲取山に上がる石尾根、北は秩父境の長沢尾根まで東西に4つの尾根があって、高水三山や御岳山など庶民信仰の山から二千mを越える雲取山まで、山好きに知られた山は10を下りません。
山梨や秩父境の尾根はこの時期冠雪をして身近な冬山を楽しめますが、今年は例年に比して冠雪が少ないらしいので、思い切って主峰の雲取山を山上1泊で計画してみました。雲取山は、東京都の最高峰にして最奥最西端、埼玉、山梨との3都県境に座す奥多摩の盟主ですが、西に長い奥秩父の主脈縦走路の東端なので、大将でもあり一兵卒ともいえる山です。古くは秩父方面の白岩山、妙法ヶ岳と共に三峰山と呼ばれた信仰の山でしたが、深田久弥「日本百名山」の1峰にノミネートされているので、近年の山ブームと相まって百名山ハンター注目の山となっています。
東西南北四方から雲取山頂に通ずるルートが開拓されていますが、初めてでもある今回は、奥多摩湖畔の鴨沢から上がる登り尾根で七ツ石山を目指し、そこから石尾根を歩いて雲取山を目指す現時点での最短ルート(雲取山周辺の林道は通行止となっているため)で上り、山上の雲取山荘で1泊した後、石尾根を歩いて青梅線奥多摩駅まで下ろうという計画を立てました。
が、前日の夜になって、「連休だから山に行くのは勝手だけど、こっちも用があるから1日にしてよ。」天命が下りました。1日で雲取山往復・・・うーむ。最短の鴨沢ルートで七ツ石を巻いてもガイドのコースタイムは上り5時間以上。日の短い時期ですから少し心配です。奥多摩三山に目標を変更するか・・・いや、思い切って行ってみようかー!
4時30分に自宅を出発。夜明け前なのにR129や町田街道は実にトラックが多い。ビュンビュンで危ないのですが、我が国の物流を支えている人たちに遊びに出かける人間が何を申せましょうか。小田厚~R129~町田街道~圏央道~R411で奥多摩湖畔に到着したのは7時ちょっと前です。既に日が昇っている時間ですが、南にそびえる奥多摩三山に遮られて寒々しい朝です。気温は-5℃、湖面の一部は結氷していました。林業か治山工事業者でしょうか、軽トラが次々と山に入っていきます。路面凍結を警戒してトロトロ走る我が愛馬は煽られまくりです。
県境を越えて直ぐに鴨沢に到着。バス停前の駐車スペースに車を入れて、7時に出発となりました。斜面に並ぶ鴨沢集落を抜け、山道を少し歩くと小袖集落に延びる車道に再び出ます。この小袖乗越辺りの空き地や路肩に駐車しているハイカーらしき車が数台ありますが、20分程の歩程(往復ならば40分!)が節約できそうなので、次回から利用することにしましょう。
すぐに車道脇から登山道へ入ります。なだらかで良く踏まれた登山道は実に歩き易く、快調に進んでいきます。登山道に入って間もなく、廃屋やら石垣、斜面に開かれた農地の跡が見られます。ここに人々の生活があった頃は、今歩く道は登山道ではなく生活道だったんですね。この辺りからは奥多摩湖を挟んで奥多摩三山の三頭山が良く見えます。三頭山から昇るお日様に手を合わせていたことでしょう。落葉した森は朝日を通して明るく、野鳥やリスが木々の間を渡る姿が見られました。里山のような登山道にいつしか寒さも忘れてしまいます。
鴨沢から1時間ほど歩くと水場がありますが、降水も少なく凍結する時季なので水はポタポタ程度。お味見程度で先へ歩くと尾根上の平坦場に出ます。ここは堂所(どうどころ)と呼ばれる場所で、登山道は尾根の右斜面から左手へ変わります。やがて左手に七ツ石山をバイパスして雲取山方面へ直接向かう巻き道と分かれて、右手の七ツ石山へ向かうと道は急になりました。
何度か折り返していくと、富士山が良く見える七ツ石小屋に到着。小屋を覗いて記念バッチを購入すると、若い小屋番の兄ちゃんが「行ってらっしゃい!」と鐘を打ってくれました。カンカ~ン♪と鐘の音が南の空に響き渡りました。小屋の上には水場があって、そこから流れ出た水が登山道を凍らせてかなり危なっかしい状態です。ここまで来れば七ツ石山の山頂は一息です。一服して出発です!
すぐに石尾根にぶつかると、尾根上の日陰には雪が凍りついていました。既に標高は丹沢山地の最高峰蛭ヶ岳を凌駕しているのですから。七ツ石山方面からポツポツとハイカーが下ってきますが、小屋泊して石尾根を下っていく人たちでしょう。羨ますぃ~・・・小さな七ツ石神社前を経て七ツ石山(1757m)の山頂に到着しました。
真っ青の空の下、南に富士山以下、道志や丹沢、西に大菩薩嶺や遠く南アルプス、そして北には尾根道が延びて、その先に雲取山が目と鼻の先です。大展望を味わっても腹は満たされません。ここで無性に腹が減ってしまい、雲取山頂でのランチを繰上げて食べることにしました。まあランチってったって、カップ麺と調理パンなんですけどね。(つづく)
★コースタイム:2時間30分(七ツ石山まで)
鴨沢駐車場7:05→7:25小袖乗越→8:30堂所→9:05七ツ石小屋・水場9:20→9:35七ツ石(早弁)
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