あんだって?とんでもねー、私ゃ神様だよ。
・・・んーちょっと無理がありましたか。
朝霧高原を挟んだ富士山の西側に、南北に延びる山々を天子山塊といいます。富士五湖の本栖湖の南からダイヤモンド富士で有名な竜ヶ岳、雨ヶ岳と標高を上げて、最高峰の毛無山は約2千mあります。そこから南に徐々に標高を下げて、最南部には長者ヶ岳、天子ヶ岳と二つの嶺が並びます。ちょうど富士宮市街の西富士道路終点辺りから見上げると、天子ヶ岳がこんもり盛り上がってなかなかの存在感を示しています。
4月14日(日)、久しぶりの山行は天子山塊南部の二嶺に登ることにしました。新東名富士ICから西富士道路、R139を20分ほど北上すると、名瀑白糸の滝があり、そこから田舎道を左手に入って別荘が点在する樹林の中を走らせると登山口である田貫湖に至ります。この田貫湖は、静かな水面に逆さ富士を映す山中の小さなため池ですが、周囲には散策路やキャンプ場が整備されていて、多くの人が訪れるリゾート地です。また、4月下旬と8月下旬には、富士山山頂から太陽が昇るダイヤモンド富士を見ることができます。自宅から1時間余りの7時過ぎに田貫湖キャンプ場の駐車場に車を入れ支度を整えます。既にヘラブナを狙う釣り人が湖面に糸を垂れ、散策路を歩く人の姿が見られます。
田貫湖はヘラブナ釣りのメッカ
7時20分に出発。最初は田貫湖を見下ろす斜面に建つコテージの間を貫けていきます。キャンプ場裏手の植林帯を登って東海自然歩道にぶつかると、比較的なだらかな尾根道歩きになります。左手には檜の植林帯、右手にはナツツバキやアブラチャン、ヤマツツジなどの自然林が広がっています。
キャンプ場の中を登る
山桜花
登山口から30分ほどで、休暇村から上がってくる道との合流点に至ります。ここは樹林が切り開かれて、このコース唯一の展望地となっています。眼下に田貫湖を見下ろし、正面に富士山を望むことができます。
唯一の展望地
さらに東海自然歩道を進みます。右手の落葉自然林は枝葉がこれからなので、樹間越しに天子山塊の最高峰毛無山が見えています。長男同伴で職場の仲間と毛無山に登ったのは5年ほど前のこと。山頂で盛大に焼肉パーティーをした楽しい思い出です。
バイケイソウやら・・・
スミレやら
標高が1200mを越えると、地面にバイケイソウの大きな葉が目立ってきます。バイケイソウは有毒植物ですが、初秋に美しい花を咲かせます。青や白い小さなスミレの花も目の保養になります。・・・足元の植物に気を取られているうちに、標柱とベンチが設けられた長者ヶ岳の山頂(1336m)に到着しました。東側は樹木が刈られていて、正面には雲海に大富士山が浮かんでいます。また、西側は樹林の切れ間から雪を頂いた南アルプスの山々が並びます。
長者ヶ岳山頂
東側の展望
西側は南アルプス
長者ヶ岳で一服した後は、南側に下って天子ヶ岳を目指します。少し下ると、西の上佐野地区(富士川方面)への分岐点、東海自然歩道とはここでお別れです。そこから南へ登り返すと、樹林に囲まれた広々としたスペースが開けます。ここが天子ヶ岳山頂(1330m)です。山頂は展望がありませんが、外れのほうに富士見台なる展望場所が切り開かれています。この特等席では、先行のカップリングがお茶を沸かし憩っていたので、お邪魔虫はバイケイソウの群落の脇で小休止を。
南へ縦走
天子ヶ岳山頂
バイケイソウの群落
さて、天子ヶ岳から東へ下る道は白糸の滝方面に延びていますが、田貫湖畔に置いてある車を取りに戻るのが面倒なので、長者ヶ岳方面のもと来た道を引き返すことにしました。長者ヶ岳から下ると、ゾロゾロガヤガヤ中高年ハイカーのグループが何組も登ってきました。このコースは傾斜もきつくないし、中高年にも優しい山行が楽しめる「ご長寿ヶ岳」ですが、久しぶりの山行であった私にとっても、慣らしにうってつけのコースでした。
休暇村からの眺め
最後は富士山の展望地から田貫湖畔にある休暇村富士の裏手に下って、駐車場まで湖畔遊歩道をのんびり歩きました。が、それにしても遊歩道を歩く人が多い。おまけに自転車も走るのでのんびりもしていられないですが。
★コースタイム:4時間20分(休憩含む)
田貫湖P7:20→7:50展望地→8:35長者ヶ岳8:45→9:00上佐野分岐→9:20天子ヶ岳9:40(軽食)→10:15長者ヶ岳
→11:15休暇村富士11:20→11:40田貫湖P