山行 中道の快速坂下り 鳳凰三山縦走その3
鳳凰三山観音岳(2840m)で大展望を見ながらのランチをとる。厳しい環境の高山でも、この時季にはアリが這いチョウが舞う。食後ものんびりしたいところではあるが、時間に制約がある日帰り山行なので先を急ぐことにする。それに雲が随分大きくなってきている。夏山の常識として、午後は雷を覚悟しなければならない。
観音岳から少し下って砂地の道を薬師岳へ向かう。薬師岳のピークは非常に穏やかで、山頂には地蔵岳ほど目立つものではないものの大きな花崗岩のオベリスクが立っている。昔の人たちはこれらオベリスクを仏に見立てて信仰の対象としたのだろう。30分もしないうちに広々とした薬師岳(2780m)の山頂に到着した。到着した頃には富士山が雲間に垣間見えていたが、雲の成長著しく、間もなく姿を消してしまった。
さて、観音岳からは縦走路と分かれて、東に下る中道と呼ばれるルートで青木鉱泉に戻る。素晴らしい山上散歩はここで終了となる。見納めに白峰三山を暫し拝んでから中道を歩き出す。山頂付近の岩場にはクロユリのような花?が咲いていた。ハイマツ帯の下はシャクナゲの群生地で、花期にここを歩けばさぞ見応えのあることであろう。
カンバの樹林に入ると傾斜が急になる。雨の後だけに道はかなり湿っていて、足を滑らせての転倒に要注意である。中道はマイナールートと思っていたが、意外と多くのグループが下山路として歩いていた。いつも行く山は中高年のグループが多いが、ここでは若いグループ特にカップリングが多いようだ。今や高山もデートスポットになっているのであろうか。確かにシチュエーションは最高だが・・・
特徴のない樹林の下りが続いていくが、山頂から30分ほど下った樹林の中にある御座石という巨大な岩は唯一の見所である。ここでルートはやや左手に折れて、再び樹林の中をひたすら下る。何せ三千m近い山頂から一千mの青木鉱泉まで標高差二千m近い下りなのであるから、そんなものなのであろう。
樹林から笹原を抜けて沢音が聞こえるようになると、林業事務所の廃屋が並ぶ林道に出た。ここから青木鉱泉まで30分の林道歩きとなる。ドンドコ沢を渡って15時前に青木鉱泉まで戻ってきた。意外とあっさり日帰りで行けてしまったが、本当は山上で1泊して星空や朝焼けを見上げたかった。(※通常は1泊2日のルートとして紹介されています。)
青木鉱泉でお風呂を借りた。ちょうどグループが出たのでゆったり一人風呂。泉質に鉄分が多く含まれているのかお湯は寂びたような匂いがした。田舎宿らしく、男湯と女湯は仕切られているが、上部があいているので女湯の声は丸聞こえである。ちょうど入っている山ガールらしき会話を聞けば女湯はぬるいお湯だそうだ。こっちは非常に熱い。ぬる湯愛好家としては向こうに入りたい。それだけではないか(笑)熱い湯にすっかり火照った体を縁側で冷ますと、冷ややかな風が何とも心地よかった。
★コースタイム:9時間25分(休憩含む)
青木鉱泉5:20→6:30南精進ヶ滝6:35→7:05鳳凰ノ滝展望地→7:50白糸ノ滝展望地→8:20五色ノ滝8:25
→9:10鳳凰小屋9:20→10:05賽の河原(地蔵岳)10:25→11:10鞍部→11:35観音岳11:40→12:05薬師岳12:10
→12:45御座石→14:10林道出合→14:45青木鉱泉
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