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2013年7月21日 (日)

山行 ドンドコ行こうぜ沢歩き 鳳凰三山縦走その1

 7月三連休は初日にババたちと甲州に行き、翌日の朝金時に登り、日中は天然児と沼津湾の水族館に出かけた。前2日は天然児を引き受けたので、最終日は自由行動をさせてもらえることになった。思いっきり山に登りたい!休日はとことん遊んで平日に疲れが残ったら・・・そんときはそんときさ。

P1090900_2 舗装路だといって油断は禁物

 深夜2時30分に家を出発。霧が立ち込める御殿場、雨が降る富士五湖を経て、中央高速韮崎ICを下りた頃は空は白んで雲間から青空も覗いていた。道中の悪天候にモヤモヤ感が募っていたが、天候の回復を予感させる空模様に心躍る。釜無川を渡り韮崎市郊外から林道に軍馬を乗り入れた。岩が転がり枝が下がる道ではあるが、舗装されている道では軍馬は強い。

P1090749 山奥の一軒宿青木鉱泉 P1090750

 インターから30分ほどで山懐に抱かれたひなびた一軒宿青木鉱泉にやって来た。青木鉱泉は実に懐かしい場所だ。25年前、ボーイスカウトのキャンプでこの地を訪れたときは、ここまでの道中がガタガタのひどい悪路だったことを覚えている。炊いた飯でおにぎりを握り、雨の中、南アルプスの前衛鳳凰三山に端を発するドンドコ沢の急な道を歩いた辛い思い出が鮮明に甦る。野営地に父が甲州ぶどうを持って応援に来たのが恥ずかしかったが、生粋の山屋だった父も心躍らせてここまで遊びにきたのだろう。

P1090755_2 富士川流域は砂防工事銀座 P1090754 それにしても大規模だ。

 鉱泉宿で駐車手続きをして、テントサイト脇の道を歩き始めた頃はそんなことを考えていた。血は受け継がれるものである。大規模な堰堤工事現場を迂回して、ドンドコ沢沿いの登山道を歩く。今回はドンドコ沢の滝を見ながら地蔵岳(2764m)に登り、そこから観音岳(2840m)を経て薬師岳(2780m)に続く鳳凰三山を縦走して青木鉱泉に戻る日帰りの強行な行程である。本当なら山上で1泊して高山の風情を思いっきり楽しみたいのだが、今は日帰りで我慢するしかない。臥薪嘗胆である。

 鳳凰三山へは今回のドンドコ沢を登る急登の他に、ドンドコ沢ルートと平行して北東の御座石鉱泉から地蔵岳を目指す尾根ルート、青木鉱泉から東側を大きく迂回して薬師岳を目指す中道ルート、南東の甘利山から千頭星山を経て薬師岳を目指すルート、さらに南の南アルプス市芦安から夜叉神峠を経て薬師岳を目指すルートと北の甲斐駒ケ岳方面に延びる早川尾根の縦走路まで実に多くのアプローチができる。南アルプスの中では山麓からのアクセスが比較的楽なので人気の山である。

P1090763 湿気の多い樹林の道 P1090777 至る所から水が湧き出ている。

 沢沿いを歩く道はやがて左手にドンドコ沢本流を見送ると、急な九十九折の道となって標高を上げていく。モミやカラマツ、カンバ、ミズナラの大木が鬱蒼とした中、根元にはシダ植物が繁茂し、岩には苔類がびっしりと生えた湿気の多い南アルプスらしい樹林の中をせっせと登っていく。カラマツやカンバの枝には糸の塊のようなものがぶら下がっているが、これは地衣植物のサルオガゼで、根を下ろさないでもしっかり生きている藻類と菌類の集合体だそうだ。以前、甘利山で見かけたことがある不思議な植物である。

P1090768 豪快な二段滝・南精進ヶ滝

 小さな沢をいくつか渡って山を左寄りに巻いていくと、南精進ヶ滝の展望台へと分岐する。ドンドコ沢には落差の大きい豪快な瀑布が多いので、ここから滝見を楽しみながら行こうと思う。南精進ヶ滝は落差70m、水量も多く豪快な滝である。途中小さな滝つぼがあって2段で流れ落ちている。この滝沿いの道はかなりの急傾斜で、ロープを頼りに攀じ登った。

P1090773 左右対称の鳳凰ノ滝 P1090778 白糸ノ滝 共に遠望である。

 標高1500mほどの南精進ヶ滝、1700mの鳳凰ノ滝、1900mの白糸ノ滝とドンドコ沢沿いの道はかなりの急登である。この頃になると、山上からポツポツと下ってくる下山者と行き違うが、この傾斜では上りよりも下りが疲れそうだ。この人たちは連休中、山上に滞在して思う存分山を楽しんだ人たちだろう。挨拶ついでに何人かに聞いてみると、連休初日と2日目は天候が不順で、最終日であるこの日にやっと回復したそうである。そう聞けば最終日に行けた私はラッキーなのであろう。

P1090783 富士山みっけ!

 標高も2千mを超えたであろうか、行く手に青空が見え隠れするようになってきた。山麓から雲が次々と這い上がってくる。その雲間に富士山を見つけることができた♪山上の展望に思いをはせる。

P1090789 五色ノ滝 P1090788 近づいてしぶきを浴びる♪

 ドンドコ沢のクライマックスは標高2100mの高所にある五色ノ滝である。この滝は滝つぼ近くまで下りて見上げることができるので、ドンドコ沢の中では一番見応えのある滝である。落差は50mはゆうにありそうである。それにしてもこんな沢の上流にもかかわらず水量の多さには驚くばかりである。滝の上には抜けるような青空で、雲間から日光が差し込むと美しい虹が浮かび上がった。思わず溜息をして立ち尽くす。この瞬間ほど山屋冥利に尽きることはなかろう。

P1090795 地蔵岳のオベリスクが見えた! P1090799 鳳凰小屋

 五色ノ滝から登山道に戻ったとき、地図を落としてしまったことに気づいたが、その不安にも増して山上への期待を膨らませて前進した。沢沿いから離れてしばらくすると傾斜は緩くなって、広々とした河原のような場所に出た。すると、行く手に地蔵岳の尖塔オベリスクが堂々とそびえていた。ドンドコ沢を登り切ったのだ。カンバの樹林を少し歩くと御座石鉱泉方面からのルートと出合う鳳凰小屋に到着した。

P1090801 アツモリソウ P1090802 クルマユリ

 鳳凰小屋ではちょうど宿泊者を送り出して、中庭のテーブルで従業員一同朝食をとっていた。記念のピンバッチを求めると、笑顔が素敵な学生アルバイト風の女の子が応対してくれた。聞けばこの連休に山に上がったばかりだそうだ。小屋の中庭には付近に自生する高山植物が寄せ植えにしてある。中でも黄色い巾着袋のようなアツモリソウや橙色が鮮やかなクルマユリが一際可憐に咲いていた。思わず山女子の笑顔と重ねてしまった。

 鳳凰小屋では湧水を引き込んでいるので、缶ビールを冷やしてある水場で水を補給させてもらった。いよいよ鳳凰三山の北端地蔵岳にアタックする。(つづく)

★コースタイム:3時間50分(鳳凰小屋まで)

青木鉱泉5:20→6:30南精進ヶ滝6:35→7:05鳳凰ノ滝展望地→7:50白糸ノ滝展望地→8:20五色ノ滝8:25

→9:10鳳凰小屋

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