いわきの海岸にて
いわき市には太平洋に面する長大な海岸線があって、勿来五浦海岸、小名浜漁港、アクアマリンふくしま、マリンタワー、七浦海岸、塩屋崎灯台、新舞子ビーチなど海に関する数多くの観光名所があります。
8月12日(月)夕方、R6号線を北上して四倉、久之浜辺りまで走ってみました。道はその先、いわきの北に位置する広野までは行けるようですが、そこから北は南相馬市まで福島原発事故の警戒区域内ということで通行止となっています。平行する常磐線もまたしかりです。
久之浜の手前にある波立薬師(はったちやくし)に立ち寄りました。波立薬師は平安時代初期に会津の慧日寺などを開山した徳一大師による開山で、本尊の薬師如来像が海中から引き揚げられたということから、航海安全、大漁祈願など漁業関係者の信仰が厚いお寺だそうです。薬師堂前の道路を隔てた海岸には鳥居の立つ小島弁天島があります。こちらは初日の出スポットとして元旦には多くの人が訪れる場所だそうで、島に渡る朱塗りの橋が架けられていますが、現在は震災の影響でしょうか立入禁止となっていました。
R6を走っているとすぐに気づくのが沿道の津波による被害です。正直なところ、東日本大震災の津波の被災地は宮城県の沿岸部や三陸海岸方面という自己の認識でしたが、津波は北は北海道から南は千葉九十九里までの長大な沿岸部に被害をもたらしているのです。福島県内でも約1千6百人の方々が亡くなられているのですから相当な被害です。
翌日13日(火)は塩屋崎灯台の周辺を訪れました。沿岸部の各所に流失した家屋の土台部分だけが残る地区があって、非常に生々しい爪痕です。そんな中に祭壇が設けられ塔婆や千羽鶴が供えられていて、ここで津波の犠牲になった方々がいることを静かに物語っていました。震災後2年半近くが経っていますが、津波の被災地はこのように未だ手つかずな状況です。内陸部に移住した人、仮設住宅住まいを余儀なくされた人が多いのでしょうが、その反面被災地の中にあって新築の住宅見受けられるのは、復興というよりは人間のたくましさを実感しました。
兵庫県の舞子海岸に由来する現地では有名な海水浴場、新舞子ビーチですが、一見白砂の美しい砂浜には、話題になった原発汚染水の影響でしょうか泳ぐ人の姿もなく、波音だけが繰り返す静かな海岸線には、ズタズタに寸断された堤防と遊歩道、そして立ち枯れ赤茶けた松林が無残な姿を晒していました。
初めて被災地を目の当たりにして、想像以上の惨状に大きなショックを受けた我が家4人でした。
« 有難や、極楽浄土を散策 | トップページ | 阿武隈高地のスポット巡り 前編 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 天然児3度目の身延山(2018.06.20)
- 富士宮浅間大社にアヒル鳴く(2018.06.17)
- 新井薬師で眼力を養う(2018.06.13)
- ガンダムとラグビーの街 上井草で御朱印集め(2018.06.12)
- 丹沢の麓に7万本のチューリップ(2018.04.12)
コメント