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2013年10月 6日 (日)

山行 編笠山から権現岳へ 南八ヶ岳その2

 編笠山の山頂で大展望を楽しんだ後、ハイマツの中の道を北に下る。正面には権現岳、いや、むしろその兄弟分であるギボシが正面にそびえている。権現が落ち着きある兄貴分としたら、ギボシは一面荒々しい岩肌を晒したワル弟分といったところか。さしずめ、サンダとガイラのようなものである。ギボシの下には鞍部に建つ青年小屋が見下ろせる。

Dsc00143 権現(右)とギボシ Dsc00145 ヒカリゴケ Dsc00148 編笠を見上げる青年小屋

 青年小屋とは何と素敵な名称であろうか。中年になって久しい我が身ながらもそう思ってしまうのは、心は今だに心は青年の若さを失っていない証拠であろう。小屋の手前は巨石の密集地帯で、そこを義経の八艘飛びのようにピョンピョン渡り歩いていく。小屋のテラスに高年の5、6人のグループがいて、何やら賑やかに談笑している。青年、中年、高年と世代差の分け隔てないハイカー憩いの場が青年小屋である。

Dsc00154 ノロシバから西の展望(蓼科山(右)と北ア(遠景))

 青年小屋周辺の鞍部はシラビソ、カラマツの樹林帯になっていて、少し登り返すと樹林帯を抜けて、ガレた登山道となった。しばらく登ると、西の展望が大きく開ける崖っぷちに着いた。ここはノロシバと呼ばれる場所で、深く切れ落ちた崖の先には遠く北アルプスの山々が見渡せる。ノロシバ=烽火場で、戦国時代に武田信玄の重臣高坂弾正が烽火場を設けて、信州方面の急事を甲斐に知らせたのだろうか?そうすると今の青年小屋の辺りに詰所があったのだろうか?疑問は尽きない。

Dsc00159 ノロシバ東側の紅葉 Dsc00152_2 良いではないか、良いではないか・・・

 ノロシバ周辺はダケカンバの紅葉が見頃を迎えていた。針葉樹も多い植生なので緑も多いのだが、かえって緑が黄色を引き立たせてくれるというものだ。

Dsc00166 ギボシの岩峰 Dsc00174 Dsc00176 青年小屋が小さくなった。

 ギボシ正面に挑みかかる。ガレたルートはやがて岩場となって、登りながらも南面から東へとトラバースしていく。少々高度感がある場所であるが、鎖がしっかり張られているので、高所恐怖症の我が身でもそれほど臆することなく進むことができた。それにしても頭上には荒々しい岩峰がそびえ立っていて、場所によっては庇のように迫り出している。落石のひとつやふたつはありそうなものだ。ヒヤヒヤしながら岩を攀じ登った。

Dsc00187 役者は揃った! Dsc00182 権現岳はもうすぐだ。

 ギボシの東肩に到達すると、ギボシに隠れていた八ヶ岳の主峰群が姿を現した。キレットの向こうに八ヶ岳の盟主赤岳がヌウッと頭をもたげている。その左には阿弥陀岳が赤岳と対称的に並んでいる。対称的に並ぶものの、男性的な赤岳に対して、どこか女性的でもある阿弥陀岳であった。右手に目を移すと、鞍部の権現小屋とその背後に権現岳の鶏冠のような山頂が目と鼻の先である。

Dsc00189 登ってきたルートを振り返る。 Dsc00197 三叉路から権現岳の山頂

 権現小屋を経て権現岳の山頂脇の三叉路に到達した。ここから北には赤岳方面の縦走路が延びている。東には三ツ頭を経て天女山へ下るルートが下っている。天女山方面から来たという初老の紳士に写真を撮影していただいた。久しぶりに山を背景にした写真が残った。間もなく私の後からトレイルランナーが追いついてきた。私と同じルートを走るとは脱帽であるが、岩峰はトレラン向きではなさそうである。

Dsc00203 権現山頂の祠と剣 Dsc00207

 お二人ともひと足先に東に向かって下っていった。私はとりあえず彼らを見送って、権現岳の山頂(2715m)を踏むことにした。鶏冠のような岩峰には小さな祠と鉄剣が祀られていた。山梨、長野県境付近の山麓からは、権現岳や編笠山が大きく、赤岳や阿弥陀岳を隠している。祠や剣は、山麓の住人たちから信仰の対象となってきた証なのであろう。岩峰の向こう側を覗き込むと、目も眩むような断崖絶壁であった。そんな私の恐怖心を和らげるが如く、崖を雲が這い上がってきた。(つづく)

★コースタイム:3時間55分(往路)

観音平7:55→8:25雲海展望台→8:50押手川→9:50編笠山(休憩)10:15→10:30青年小屋10:35→11:50権現岳12:10

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