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2013年10月 5日 (土)

山行 山上の晴天を祈る 南八ヶ岳その1

 奥秩父の金峰山と瑞牆山に登ろうと出てきたが、御殿場から富士五湖周辺にかけては雨。甲府盆地に下ると雨は止んだが、周囲の山は雲に隠れて何も見えない。天気予報では長野県はときどき晴といっているので、奥秩父をやめて長野県内まで足を延ばすか。とはいえ、既に7時になっているので、長野県内の高山は日帰り山行が難しそうだ。行く手にはやはり山頂が雲で隠れた八ヶ岳の裾野が見えている。

 中央道小淵沢ICから車で15分ほどの場所に観音平登山口がある。観音平は標高が1560mあり、八ヶ岳連峰の最南端編笠山の南斜面に位置しているため、南八ヶ岳へのアプローチが良く、八ヶ岳縦走にも便利な登山口である。夏休みは車で溢れる駐車場には15台ほどの車が停まっていた。とき10月初旬、紅葉登山には未だ早いだろうし、下界の天気が悪いから山に入る人も少ないのだろう。今回は観音平から編笠山、権現岳に登って、三ツ頭から観音平に戻る周回ルートを歩くことに決めた。

 今更この場で八ヶ岳を語ることもないだろうが、八つの峰を言える人はどれだけいるだろうか。深田久弥の「日本百名山」では、西岳、編笠山、権現岳、赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰ノ松目の南八ヶ岳の八峰を指しているが、峰ノ松目と西岳が外れて、北八ヶ岳の天狗岳や北横岳が入ったり、三ツ頭が入ることもある。恐らく見上げる場所から見えたり見えなかったりで変わってくるのだろう。細かい話は同でもよいが、三千m級の山々がこじんまりとまとまっているため、比較的縦走も楽に楽しめる人気の山域なのである。

Dsc00096 観音平周辺 Dsc00099 ザックの赤に負けてるなぁ

 登山口を8時に出発。シラカバやミズナラ、カラマツの樹林を登っていく。まだ緑の多い季節ではあるものの、黄色や赤の紅葉も所々始まっている。樹林の中は一面ササが広がっていて、所々巨岩が点在している。シカの鳴き声が何度も聞こえているが、その姿を認めることはなかった。動物に会いたければ朝一番の出発が必要である。雲海展望台までは何グループかの先行者がいたが、その先は一人歩きとなった。

Dsc00106 押手川の風景 Dsc00107 ゴロ岩の急坂になる

 やがて、編笠山を迂回して青年小屋のある乙女平に向かう巻き道を分ける。標高2100m。シラビソやモミなど針葉樹が鬱蒼としているこの辺りは押手川と呼ばれる場所で、根元には苔むした石が広がっていた。登山者が広がる苔を手で除けると、その下から清水が湧き出た場所であることがその名の由来となっている。

Dsc00114 南の展望(南アと富士) Dsc00121 孤島のような芙蓉峰

 押手川の先は傾斜がきつくなっていく。ルート上には岩が多く転がっていて、その上を渡っていくような感じだ。ふと、樹海を抜けた場所には、大きな岩がゴロゴロと広がる斜面で、振り返ると雲海が広がっていて、甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、北岳、鳳凰三山など南アルプスの峰々が雲から突き出ていた。その遥か東には芙蓉峰(富士)が絶海の孤島のように浮かんでいた。

Dsc00122 編笠山の山頂 Dsc00126 突然の大パノラマ

 山頂直下の傾斜は増すばかりで、岩場を攀じ登っているようだ。森林限界を越えて周囲はハイマツが広がるばかりである。ハイマツの中、石を積み上げたようになった場所が、編笠山(2524m)の山頂であった。山頂の向こう側に隠れていた八ヶ岳連峰のパノラマが突然広がった。その何れもが険しい峰を天高く突き上げる姿は圧巻である。手前に権現岳とキボシの双耳に並び、その左向こうには主峰赤岳と阿弥陀岳が並んでいる。更に左手奥には蓼科山が目立っていた。

Dsc00127 西には北アルプスが一望 Dsc00120 木曽の御嶽山

 先述の南アルプス、芙蓉峰の展望に加えて、西側の展望はどうであろう。晴れ渡る青空の下、中央アルプス、木曽御嶽山、乗鞍、北ア穂高連峰、後立山連峰と列島中央構造線に沿った山々が見渡せている。日本の三千m峰を全て掌中にした爽快感を得ることができた。やはり北アルプスに近いだけあって、穂高、大キレット、槍、立山などの存在も肉眼でしっかり捉えることができた。

Dsc00133 乗鞍に行ったのはちょうど1年前 Dsc00137 穂高~大キレット~槍

 山頂に独り、高年の域に達した(といっては失礼だろうが)登山者が1人山頂で休憩していた。松本から来られたというこの方は、月曜日まで山中3泊、行ける所まで行くゆったり山行だそうだ。聞けば実に山に精通された方で、本邦のみならずキリマンジャロやニュージーランドの山行話も聞かせてくださった。丹沢日帰りばかりの我が身とは山行のスタイルを一線も二線も隔している。何とも羨ましいではないか。(つづく)

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