« 山行 雷鳴下の三頭山 奥多摩三山その4 | トップページ | 山中の青い宝石 四尾連湖 »

2014年5月 4日 (日)

山行 泣く泣く下る三頭山 奥多摩三山その5

 雷鳴におびえながら三頭山の山頂を離れた。縦走も終わってここからは北に延びるヌカザス尾根を伝って奥多摩湖畔に下山することになる。このルートの下降は傾斜がきつくて泣かされる。そのくせ入小沢ノ峰、ヌカザス山、無名尾根、イヨ山と小ピークの登り返しが連続しているのだからたまらない。

Dsc03240 三頭山北面に残る雪

 時折しもオツネノ泣坂と呼ばれる急坂に差し掛かった。そのいわれを紹介すると、その昔、奥多摩湖畔川野にあった城にオツネという女性が仕えていた。オツネは城下の寺で修行していた香蘭という美男僧と恋仲になり、逢瀬を重ねるようになった。それを見かねた住職は、香蘭を上野原市西原の寺に移してしまったのだが、香蘭への思いを断ち切れないオツネは三頭山を越えて香蘭としばしば会ったという。そんなある日、本懐を遂げて夜の三頭山を越えるも、この坂道に差し掛かった時に夜が明けてしまう。朝帰りを主人に知られたら咎めを受けるであろうことを考えたオツネは泣く泣くこの坂を下っていったという。

 夜中の三頭山を単身歩いた女の情念には驚くべきであるが、香蘭、お主僧籍にありながらなかなかの悪よのう。暗くなった空を見上げながらそんな悲話を思っていると危うく足を滑らせそうになる。こんなおっさんが転んで泣いても誰も手を差し伸べてくれることはなかろう。

Dsc03245 オツネノ泣坂付近で見たヤドリキ Dsc03254 イヨ山付近のミツバツツジ

 三頭橋方面に下るムロクボ尾根ルートと分かれて、小ピークと格闘しているうちにいつの間にか空は明るくなっていて、西日が差し込むようになった。どうやら雷雨の洗礼を受けることは回避できたらしい。ヌカザス尾根を下っていると、所々ミツバツツジが咲いていて心和ませてくれた。

Dsc03263 ドラム缶橋を渡る

 暗い植林帯を下っていくと奥多摩湖畔に出た。ここから周遊走路の車道を少し歩いて、ドラム缶橋こと麦山の浮橋を渡る。渡りながらも対岸の道路に注意は釘づけである。バスの時間をメモってきた手帳を忘れてしまったからだ。上流のほうからバスが走ってこないかソワソワしながら橋を渡る。静かな湖畔にバタンバタンと浮橋を繋ぐ金具の音が響き渡った。

 階段をあがってR411小河内神社バス停に到着。この縦走のゴールである。ここからバスで奥多摩駅へ向かい、そこから青梅線で御嶽駅へ。少し歩いて駐車場に向かうのだ。しかし、バスは30分以上先である。ここで湖面を眺めながら待つのも嫌だったので、少し歩いてみたが、歩道のない道、特にトンネルを歩くときはすぐ脇を車がかすめるように高速で走り去るので、恐ろしいというか、むしろドライバーに迷惑だろうと思い2つ先の坂本園地バス停で待つことにした。

Dsc03265 対岸に御前山を望む Dsc03272 奥多摩駅ホームの曲がり

 静かな湖畔。対岸には今日1日かけて縦走してきた尾根が望めた。中でも御前山がおおらかな姿を見せていた。時計の針が1周の長時間に渡ったが、実に充実した山行であった。

★コースタイム:11時間40分

御岳渓谷P5:20→5:50ケーブル滝本駅→6:40御岳神社→8:05大岳山8:20→9:15大ダワ→9:45鞘口山→10:50御前山11:05

→11:40小河内峠→12:10月見第2駐車場→12:50風張峠→13:30鞘口峠→14:25三頭山14:40→15:20ヌカザス峠

→15:55イヨ山→16:40小河内神社バス停

« 山行 雷鳴下の三頭山 奥多摩三山その4 | トップページ | 山中の青い宝石 四尾連湖 »

登山、ハイキング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 山行 泣く泣く下る三頭山 奥多摩三山その5:

« 山行 雷鳴下の三頭山 奥多摩三山その4 | トップページ | 山中の青い宝石 四尾連湖 »