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2014年7月18日 (金)

山行 なかなか立てない白いピラミッド 甲斐駒ヶ岳その3 

 五合目の鞍部からは、一転して屏風岩と呼ばれる岩山を越える登りとなるが、これが階段、梯子や鎖場が連続する黒戸尾根第二の難所である。大岩の垂直の壁に梯子が掛けられているような箇所もある。山行は専ら低山徘徊の山笑。かつ大の高所恐怖症も相まって、このような場所は大の苦手で、ペースは落ちる一方となる。

Dsc04814 屏風岩 Dsc04804 連続する階段や鎖場 Dsc04803 奉納された鉄剣

Dsc04823 見上げる Dsc04825 見下ろす
 どうにかこうにか屏風岩付近を通過すると、標高約2400mの尾根上に建つ七丈小屋に到達した。黒戸尾根上唯一の山小屋で、かつては皇太子殿下もこの小屋に宿泊したそうだ。小屋の前には湧水が引かれていて、水が勢いよく流れている。2ℓボトルを3本も担いできたものの、この時点で1本の半分ほどしか空いていない。帰りもここを通過することを考えれば、1本で充分だったような・・・

Dsc04831 七丈第二小屋 Dsc04836 天場 Dsc04837 ヨツバシオガマ

 小屋の上部には、やや狭いが天場が設けられていた。まだ9時半だというのに、既にテントをを設置している人がいる。ここをベースにして山頂にアタックし、夕方はのんびり祝杯であろうか。何とも羨ましいことだ。設営を眺めながら菓子パンでエネルギー補給をした。

Dsc04864 山頂はもうすぐ? Dsc04860 八ヶ岳赤岳のピーク Dsc04842
ツマトリソウ

 七丈小屋からしばらく登ると高山らしい森林限界となった。ダケカンバやハイマツが広がっていて、正面には山頂部の岩壁が大きく立ちはだかった。その右隣には荒々しい岩峰が姿を見せているが、これは鋸岳であろう。やがて巨大な石碑がある場所小広い場所にやってきた。ここは八合目のご来迎場で、その昔、登拝者がご来光を仰いだ神聖な場所だ。ここから振り返ると、甲信国境の高原を挟んで八ヶ岳が正面に良く見える。その中でも、盟主赤岳の空高く突き出したピークが一際目立つ。あの頂でも今このときに感動が生まれていることだろう。

Dsc04861 鋸岳は玄人向け Dsc04869 イワカガミが多い Dsc04879 これは何だろう?
 さて、八合目から更に登っていくと、正面に見えていたピークの裏側に花崗岩の白いピラミッドが姿を現した。どう見ても近寄る余地がなさそうな堂々とした威容を誇っている。ここからが最後の試練のようだ。すぐに垂直の岩場登りが出現!岩登りはずぶの素人。高所恐怖症に疲労も相まって立ちすくむ。しばらく上り下りのハイカーを眺めて登攀術を学ぼうとするが、こりゃあダメかもわからんね。

Dsc04881 こっちがホンモノだ! Dsc04892 こ、こりゃあ・・・

 しばらくして下りてきた無精髭の先輩と挨拶を交わすと、「垂直の登りはここだけです。ここを上がるとピークを右に巻いて山頂につきますよ。自分は6度目になりますが、最初はこんなところ絶対に通過できないと思いました。でも、1回クリアすれば後は何ともなくなりますよ。」と励ましてくれた。うっしゃ!気合一番取りついて、ひたすら上だけを見て登ってみれば、意外とすんなりクリアできた。その上では素晴らしい展望がご褒美として待っていた。

Dsc04893 摩利支天から鳳凰三山へ延びる早川尾根 Dsc04901 あの宝剣を引き抜くと何かが・・・

 髭先輩に言われた通り、正面の岩峰を右回りに裏側に巻いて、左へ左へと山頂に向かって花崗岩の斜面を軌道修正していくと、どんどん山頂が近づいてきた。そうしているうちに山頂方向から例の単行の高年女性が下山してきた。思わず声をかけると、既に8回目の山頂だそうだ。素晴らしきかな山マダム。結局下りでも追いつけなかった驚異の脚力である。

Dsc04915 イワウメ Dsc04922 ラストー!一発!

 オン・マリシ・エイ・ソワカ。甲斐駒ヶ岳のピークに寄り添う摩利支天峰。摩利支天とは、暑い日に生じるモヤモヤっとした陽炎現象を神に見立てた仏教の神。実体のない陽炎にはいかなる外的力も通じないことから、守護神として崇められてきた。風林火山でおなじみ武田信玄の軍師山本勘助もこの摩利支天を信仰したという。その摩利支天からのルートと出合うと、すぐ登り返して甲斐駒ヶ岳の山頂(2967m)を踏んだ。ときちょうど正午。山麓から何十回も見上げた憧れの山に遂に立つことができた。岩がゴツゴツとした広い山頂には、1等三角点と石祠が置かれ、その周辺では実に多くのハイカーが思い思いの場所でお昼をとっていた。(つづく)

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