山行 鍋割峠に住んでいる親子 鍋割山
檜岳山稜を雨山峠に向かう。歩く人も少ない静かな山稜なので、動物の糞が実に多い。何か出てこないかと期待するものの、小さな虫ばかりが多くて煩ったい。ブナの木が密生する雨山(1176m)から下りになって、寄からユーシン方面へのルートとの交差点である雨山峠へ降り立った。時刻は15時。ここから寄沢を下って大橋までは1時間半ほどであろう。
いやいや、せっかくの夏至なのだから、日没まではもうひと汗流せそうである。雨山峠から鍋割山への登りに挑戦する。峠からしばらくは御影石のザレた急登りで苦しい。アセビがトンネルの様に密生する場所を通過すると、急降下になる。これがイマイチ足元がはっきりしないので危なっかしい。
茅ノ木棚沢ノ頭から鍋割峠にかけては、鎖場などもあるやや危険な箇所で、鍋割山の意外な一面である。小ピークを上がったり下りたりしていると、前方の斜面に複数の動物が動くのが確認された。ギャーギャーと物凄いうなり声を上げている。こちらを威嚇しているのだろうか?あ!またしてもアナグマである。つい先ほども含めて、今まで何度かアナグマに遭遇してきたが、今までにない緊張感である。
近づいていくと、アナグマは登山道脇のブナの根元にある巣穴らしき穴の中に逃げ込んでしまった。巣穴の上に立って様子を窺ってみると、穴の中からうなり声や息遣いが聞こえてくる。どうも1頭ではなさそうである。もしかしたら子供がいるのかもしれない。先ほどのうなり声はテリトリーへの思わぬ侵入者に警報を発したのかもしれない。一家団欒の時間を邪魔するのも悪いので、先を急ぐことにした。
馬頭観音がひっそりとたたずむ鍋割峠を通過すると、鍋割山への登り一偏となる。ブナの大木にペンキで印されたオガラ沢方面ルートを懐かしんでいるうちに、樹林が開けて鍋割山の山頂に到達した。天気が良くないせいか、休日にもかかわらず鍋割山荘はひっそりとしている。2組ほどのハイカーが小屋前で休憩をしていた。
鍋割山から寄方面への下山は、雨山峠まで引き返すか、後沢乗越経由で栗ノ木洞、櫟山を越えるのが常道であるが、どちらも時間がかかりそうなので、後沢乗越の手前、標高1千m付近から後沢方面への作業道を頼ってみることにした。これが幸いして、17時過ぎに水源の森に下ることができた。
★コースタイム:5時間20分
寄大橋12:05→14:05檜岳→14:35雨山→14:55雨山峠→16:10鍋割山16:15→17:25寄大橋
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