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2015年5月

2015年5月31日 (日)

チャリ転がして七国峠越え

 長男が進学祝いにチャリンコを買ってもらいました。いわゆるロードバイクってやつです。導入モデルですが、乗りやすそうなのでたまに借りて転がしています。自動車での移動に慣らされた体には、久しぶりの自転車で、それもサドルの高いロードバイクですから、怖いし、お尻は痛くなるし・・・でも慣れてくると走る走る。二宮から秦野くらいまでは朝飯前ですね。自分が高校生のときは、ママチャリで大磯から平塚まで通っていましたが、片道4、50分の通学が非常に辛く感じられました。当時より体力は落ちているはずなのに、実に軽快に走れるのは軽い自転車のお陰なんでしょうね。

 さて、サイクリングもただ公道を往復しているだけではつまらないので、ちょいスポに寄り道もしています。

150524_064201 大山を望む七国峠

 平塚市と中井町の境に七国峠という場所があります。昔から小余綾郡(大磯、二宮)や中村郡(二宮、小田原東部、中井)と大住郡(平塚、伊勢原)を結んだ街道の要衝で、今でも多くの車がこの峠を越えていきます。その名のとおり、この場所からは相模、武蔵、上総、安房、甲斐、駿河、伊豆が見渡せたことからその名がついたそうです。

 でも、果たしてそれは可能なのでしょうか?相模、武蔵は是非もなくOK。安房、上総は三浦半島の向こうに東京湾が見える時があれば、富津岬(上総)と鋸山や富山(安房)くらいは見えるかもしれません。逆に相模湾の西に伊豆半島が見えることでしょう。まあ、これら海を隔てた遠望は、今はゴルフ場になっている高台から見えたのでしょうけど。

 さて、疑問なのは甲斐と駿河です。これは絶対ない!駿河は箱根連山が、甲斐は丹沢山地が遮って絶対見えるわけがありません。と、思う私は石頭。ほらほら箱根と丹沢の合間に白く堂々たるお山が見えるではありませんか。そう!富士山こそが甲斐と駿河だったんですね。う~む・・・納得。

 七国峠には鎌倉時代の逸話が残されています。この辺は平塚でも土屋という地区ですが、土地の豪族土屋宗遠は、源頼朝の開幕を助けた功労者です。しかし、宗遠は、嫡男忠光を石橋山の合戦で戦死させてしまいました。また、その後養子縁組した義清という若者を和田義盛の乱で失いました。相次ぐ子らの死に嘆き悲しんだ宗遠は、この地に松の木を植えて供養し、悲しみを癒したという供養松の逸話が伝えられています。

 ちなみに和田義盛の乱を簡単に説明しておきますと、時は1213年、源氏三代実朝の時代。幕府の有力御家人北条時政、義時親子は、源頼朝の死後、将軍を傀儡として実権を掌握することを企んで、障害となる二代将軍頼家や他の有力御家人を次々と葬ってきました。既に梶原、比企、畠山の各氏が滅ぼされて、次のターゲットは侍所別当(長官)の和田義盛です。北条氏の謀略に乗せられた和田義盛は挙兵。双方に応援が駆けつけて、鎌倉の町が灰燼に帰すほどの激戦となりました。しかし、和田方に味方を約束したはずの同族三浦義村が北条側についてしまい、和田一族はついに滅亡してしまいます。鎌倉に和田塚という江ノ電の駅がありますが、戦死した和田一族が葬られた場所と伝えられています。

 土屋宗遠の養子義清は、和田義盛の応援要請に七国峠近くの琵琶・杜けん山という場所までやってきて、さんざん心を迷わせた末、和田義盛の軍勢に加勢して戦死を遂げたといいます。土地には「行こか鎌倉 戻ろか土屋 思い乱るる杜けん山 今も地(血)に鳴くホトトギス」という民謡が伝わっているそうです。

 塔ノ岳や大山を見上げる峠の東屋で一息いれていると、ゴルフ場に向かう高級車が次々と上がって行きました。ベンツにBMW、レクサス・・・クラウンなんて可愛く見えてしまうなぁ。今の豪族は山で玉転がし。私は輪っかを転がして健康増進です。

2015年5月28日 (木)

箱根大涌谷の状況や如何に?

 火山活動が活発化して警戒レベルが引き上げられた箱根大涌谷。首都圏に近い日本を代表する観光地での出来事だけに、連日のニュース報道でしたが、少し熱が冷めてきたでしょうか。近くに住む者としてどんな状況なのかとドライブも兼ねて見物に出かけました。

 5月24日(日)は天気予報が悪かったせいもあってか、小田原方面から正攻法で走っても道路は空いていました。湯本の温泉街はいつもと変わらぬ賑わいぶりでしたし、早川渓谷沿いの新緑はとっても爽やかでした。

Dsc01644 緑濃くなる箱根の初夏

 強羅温泉まで来ると、?ちょっと休日にしては空いているような・・・登山電車もガラガラです。それもそのはず。ロープウェーが運休中なので、早雲山から先は代行バスに乗り換えなければならないからです。そうなると芦ノ湖方面へは直接バスでアクセスしたほうが便利ってことになるでしょう。

Dsc01639 大涌谷を見上げる

 さて、強羅温泉街の上、早雲山から大涌谷の下を通過して芦ノ湖方面へ走ります。ブナの木と笹が豊かな台ヶ岳自然林の中を走っていくと、見えました大涌谷。もうもうとした噴煙を上げていますし、車を停めて降りてみるといつもは聞こえない轟々とした地鳴り?噴出の音?が聞こえてきます。

Dsc01626 山火事みたい

 更に先に進むと、山の斜面から火山性のガスが噴出している場所があって、付近の木々が立ち枯れていました。この景色を初めて見た人は驚くでしょうね。でも、ここは3月に来た時も同じでしたよ。同乗していたババは「車の中の方が安全だ」と言い張って降りてきません。いざという時はどこにいても変わりないでしょ。

Dsc01630 湖尻から冠ヶ岳を見る

 大涌谷方面への道は当然通行止。箱根町の職員でしょうか、ゲート脇に立って頑張っていました。ご苦労様です。そのまま姥子を経て芦ノ湖畔の桃源台に下りましたが、やはり姥子も桃源台もガラガラ。やはり風評の影響があるんでしょうか。

Dsc01634 サンショウバラ

 湖尻にある箱根ビジターセンターの散策路を散歩をしました。冠ヶ岳を見上げるといつもより煙が多く感じましたが、湖尻周辺はいつもと変わらない爽やかな箱根の初夏の風景です。ヤマアジサイやサンショウバラの花が咲いていました。

 感想をいえば、確かにいつもより山が元気なようです。そりゃあ火山活動は地球が生きている証拠ですから、静かな時もあれば元気な時もあるわけで、人類有史以前から箱根の造山活動からみれば、今回の様な状況は何百回も繰り返されてきたことでしょう。とはいえ、昨年の御嶽山の一件もありますし、その記憶冷めやらぬ昨今ですから、当然神経質になるのもわかります。備えあれば憂いなしですから。

 そっから先はどう取るかは個人次第。人間も自然のサイクルの中で生き死にすべきだと思っている私としては、ベストシーズンともいえる初夏の箱根にあえて行かないのは勿体ないような気がします。

2015年5月27日 (水)

初夏の元亀

 「亀は万年」といわれるように、長寿の象徴である亀。長寿の秘訣はそのスローライフな生態にあると考えられていますが、カメだって人間と同様に、適度な運動と旺盛な食欲が長寿の一因であると思います。

Dsc01618 猫の額を所狭し

 初夏を思わせる強い陽射しの下、猫の額ではリクガメのクロちゃんが元気に歩き回っています。でも、ちょっと目を離すと何処かに潜り込んでしまうので要注意です。潜り込んだら慌てても無駄なので、しばらく待っているとあらぬ方角からひょっこり姿を見せます。それでもダメなら耳に頼るのです。隅っこでゴソゴソやってますから。

Dsc01617 とりあえず三種盛で Dsc01606 さあ、かじりついた

 よく動いたあとはお食事タイム。活発に動き回るこの時期は食欲も旺盛です。キュウリや小松菜、キャベツなどの生野菜のほか、イチゴ、カメフード、果ては雑草から小石まで食べています。石を食べるのはカルシウムやミネラル補給とか、クチバシ状の上あごが延び過ぎないようにかじっているのだといわれています。

Dsc01611 何か?
 夏はノビノビ外飼いの我が家のクロちゃんです。元亀ですか!

2015年5月26日 (火)

山行 今年ツツジはハズレ年? 西丹沢犬越路

 大室山から犬越路まで標高差5百mの下りです。犬越路を挟んで対峙する檜洞丸からも同じ位の降下ですので、縦走する人にとっては地獄ですね。そうは言っても適度になだらかな尾根の平行移動を挟むので、それほど辛くは感じないでしょうか。この頃は日差しが強くなって、緑がとっても爽やかでした。

Dsc01565 爽やかな緑 Dsc01526 ツツジも

 時間も9時を回って、犬越路の方からポツポツとハイカーが上がってくる中で、大室山の山頂にいた若人のグループと同じ団体らしい、10名単位のグループが次々と上がってきました。歩みを止めて読図をしているグループもあって本格的です。ルートのちょうど中間には、トウゴクミツバツツジがチラホラ咲いていましたが、彼らには今ひとつ興味が湧かないようです。思春期のボーイズはそんなものでしょう。

Dsc01567 西丹沢、道志の山並み 

 正面に檜洞丸が大きくなってきますが、標高を下げるに連れて手前の大笄(おおこうげ)のピークが本体を隠してしまいます。檜洞~犬越路間は上っても下っても骨が折れる区間ですが、ツツジの花が見事な場所です。左手には蛭ヶ岳から姫次へ延びる丹沢主脈の稜線が。右手には甲相国境尾根の先に畦ヶ丸や菰釣山など西丹沢の山並みが並んでいました。

Dsc01571 犬越路から見上げる檜洞丸 

 前方に避難小屋の屋根が見えてくると犬越路です。いつ来ても多くの人が憩うオアシスのような場所です。休んでいる人の話に耳を傾けると、今年の檜洞丸のツツジは今ひとつのようです。どんな植物もそうですが、花を咲かせることは体力を要するので、毎年満開というわけにはいきません。ヤマツツジの場合、4~5年周期で当たり年が巡ってくるといいます。

Dsc01575 新しく設けられた階段 Dsc01570 アルペンチックな石

 犬越路から用木沢への急な下りでは、いつも必ず滑って尻餅をつくイヤな場所です。でも、今年は階段が設けられて随分下りやすくなりました。

 用木沢出合から西丹沢自然教室、箒杉周辺、大滝橋まで、路肩の空き地という空き地は車で溢れていました。花に釣られて、多くの人が山に入ったんですね。

★コースタイム:5時間40分

西丹沢自然教室5:35→6:00用木沢出合→6:50白石の滝→7:35白石峠7:45(小休止)→8:00加入道山8:05→

9:10大室山9:15→10:05犬越路10:10→10:55用木沢出合→11:15西丹沢自然教室

2015年5月24日 (日)

山行 朝霧に溶けるピンク色 西丹沢大室山

 白石峠(1307m)から甲相国境尾根を東に向かって歩きます。峠から急な上りを少し進むと、左手に道志への道を分けます。白石峠の道は廃道になって、今はここから道志方面に抜けられるわけです。更に進んで加入道山(1418m)です。雲の中で視界は開けませんが、ブナの大木が並ぶ稜線は深山の雰囲気があります。でも、道志みちを走るバイクの爆音はどうにかならんかなぁ・・・

Dsc01524 甲相国境尾根 

 加入道山の山頂には避難小屋が建っています。近くの犬越路、畦ヶ丸にも避難小屋があって、ゆっくり山の夜を堪能できる穴場ですが、最近は利用者が多いようですね。だってただで泊まれるんですから。利用者の記録簿を見たら、休日はグループが。平日も中高年の単独行のハイカーが利用しているようです。

Dsc01522 加入道避難小屋

 加入道から尾根道を歩いて軽く上った小ピークが前大室。前大室ってことは山梨県側からの視点ですね。神奈川県民としては、大室山は神奈川を代表する高山ですが、県境の山なので、山梨百名山にもエントリーしています。富士山から南ア、奥秩父など名だたる名峰を抱える山梨の名山にもエントリーしているんですから、大室山も隅に置けませんが、実際は山梨の隅の隅に置かれてますね(笑)

Dsc01512 トウゴクミツバツツジは見頃

 まあ訳のわからんことを考えながら、前大室からぐんと標高を落としていきます。稜線を歩いているとピンクの強いトウゴクミツバツツジが目を引きます。ヤマツツジは檜洞丸や丹沢山が有名ですが、この辺りにも結構咲いているのに驚きました。樹皮が松の木のようなシロヤシオも少し生えていましたが、こちらは全く花をつけていませんでした。少し早いようです。

Dsc01543 シロヤシオはまだのようです。

 前大室から下って、鞍部の破風口という場所を通過すると、いよいよ大室山への辛い上りになります。数年前に歩いた時は逆ルートだったので、ここを上るのはキツそうだなぁと思っていましたが、確かに辛い!

Dsc01528 天孫降臨かいな!? Dsc01542 道志の山並み
 突然、前方に日輪が差し込んできました。あまりに突然のことで、すわっ!天孫降臨かいや?と驚きましたが、雲が取れてきたようです。時折道志方面の山が見えたり、西丹沢の山並みが見えるようになってきました。日輪の輝きを胸に秘め、俺の体が俺の体が燃えている・・・思わず鼻歌がこぼれます。

Dsc01546 バイケイソウだらけ Dsc01545 ブナの宿る小さな植物

 急登を登っていくと、ブナの樹林の根元に大きな葉が特徴のバイケイソウが目立ってきました。尾根道が平らになる頃には、バイケイソウだらけの道を歩いていきます。このバイケイソウには毒があるそうで、シカの餌にならないお陰でこんなに繁茂しちゃってます。夏には白い花を咲かせる植物です。ブナの幹を見上げると、バイケイソウなど小さな植物が居候しています。ブナの木は水を沢山吸い上げる木なので、他の植物も養う母ちゃんのような木ですね。

Dsc01551 樹林に囲まれた大室山

 稜線に上がってから誰にも会わずに歩いてきましたが、前方から賑やかな若人の声が聞こえてきました。かなりの大集団のようです。犬越路方面、道志方面との三叉路に来ると、多くのハイカーが休憩していました。特に目立つのは高校生らしきハイカーの集団です。山岳部なのかな?ここから少し道志方面に進んだところに大室山(1588m)の山頂があります。

Dsc01561 蛭ヶ岳見えます。

 前述の山梨百名山の標柱が立つ大室山の山頂は、木々に囲まれてイマイチ展望がありません。それでも樹間から丹沢の盟主蛭ヶ岳が見えていました。大室山は大きな山で、八王子周辺の人たちからは「富士隠し」と呼ばれているほどです。この大きな山体は、麓の人たちから大室権現として信仰の対象となってきました。

2015年5月23日 (土)

山行 檜洞に背を向けて 西丹沢白石沢

 丹沢のヤマツツジが見頃を迎えています。目が覚めるような濃いピンクのトウゴクミツバツツジと、正反対に白く清楚なシロヤシオです。これらの種は標高1千メートル以上の高所に自生しているため、誰もが見れるというわけではありません。丹沢主稜線の中でも特にツツジの山として名高いのが西丹沢の檜洞丸です。ツツジの咲く今の時期は、多くのハイカーが山頂を目指します。

Dsc04046 檜洞丸のヤマツツジ(H26.5.25)

 5月17日(日)早朝、西丹沢にやってきました。普段は早朝から走る車は少ないのですが、複数台の車が軍馬の前後に縦列しています。中川温泉の集落を抜けていくと、道端で草を刈っている人が・・・あれ?人かと思ったら大きな角のシカが新芽を食べに来ていたのでした。中川の人は朝窓を開けたらこんなシカがいたりするんですね。野生動物と人の共存圏であります。

Dsc01469 既に路肩駐車も

 西丹沢の登山口である西丹沢自然教室。5時をまわったばかりというのに、県道に面した空き地には30台ほどの車が駐車していました。そうこうしているうちにも、次々と車が上がってきます。「こりゃ檜洞はかなりの人手になるな・・・」と、思ったときには、既に登る先は檜洞でなくなっていました。人の多い山はどうも苦手な山笑です。

Dsc01472 これはこれできれいなものです。

 5時半に出発して中川川に沿って県道を歩いていきます。同じ方向に複数のグループが歩き出していましたが、まもなく皆さん檜洞丸ツツジ新道の登山口へ入っていきました。私はしばらく道路を歩いていきます。川沿いのキャンプ場周辺には、赤白のツツジがきれいに咲いていましたが、これはお目当てのヤマツツジではありません。川原のサイトにはテントがポツポツ張られていましたが、まだ静まり返って炊飯の煙も立っていません。

Dsc01480 ヤマツツジ Dsc01473 ウツギ

Dsc01481 ヤマフジ Dsc01479 ヤマアジサイ

 犬越路方面に分岐する用木沢出合を過ぎて、白石林道を終点まで詰めていきます。周辺の山林には、オレンジ色のヤマツツジ、ヤマフジ、ウツギやヤマアジサイなどの花々が咲いていて楽しませてくれました。林道終点から更に白石沢に沿って歩いていきます。比較的歩き易い道と感じたのは、この道が甲相国境尾根上の白石峠を越えて、道志方面に通ずる昔の生活道だったからでしょう。

Dsc01494 白石の滝はイマイチ Dsc01495_2 大理石見本品

 やがてルートが左手に折れて張り出した尾根を越えると、登山道の脇に白石の滝の看板が設置されていました。左手下に見えるようですが、葉が生い茂ってわずかに見える程度でした。説明によれば、白石沢の名は川床が大理石であることに由来しているそうで、この滝も別名「大理石の滝」とも呼ばれているそうです。こんな山奥で大理石を採掘していたそうですが、今は県の天然記念物のため、石を採取することは厳禁です。

Dsc01496 湧水地 Dsc01497 大地の恵み Dsc01502 沢を歩く

 白石の滝の先は白石沢の源流部です。モミの大木の下にベンチが設置されていましたが、ここは湧水地で、石の間から湧水が流れ出ていました。湧水をペットボトルに補給していくことにします。水が消えるとルートは沢の中になります。確かに沢の中に見られる石は白くて変わっています。やがてルートは沢から斜面に上がって、稜線に向かってジグザグとした道を進んでいくと、甲相国境尾根の縦走路に出合う白石峠(1307m)に到達しました。ここから道志方面へ延びていた道は今では廃道になっています。

Dsc01508 最初のツツジ

 稜線には雲が垂れこめていて、直前まで雨が降っていたようです。休憩しておにぎりとお菓子を食べていると、トウゴクミツバツツジが咲いているのに気づきました。白く霞んだ中に濃いピンクが溶け込んで実に趣があります。

 白石峠から左手が畦ヶ丸方面。右手が大室山方面です。気まぐれでここまで来てしまったので、どちらでもいいのですが、大室山は久しぶりなので、右手に進むことにしました。(つづく)

2015年5月18日 (月)

山行 空に浮かんだ芙蓉峰 大山南稜尾根その3

 弘法山からアップダウンを繰り返してきましたが、蓑毛越を通過すれば大山までは上り一編になります。登山道は所々石畳のように石が敷かれていて、かつての信仰登山の名残を見せています。蓑毛越のすぐ先の路傍に石仏が並んでいますが、何れも首から上がない仏様ばかり。明治初年にあった仏教排斥運動、廃仏毀釈によるものでしょう。愚行なるかな。愚行なるかな。どの仏様にも気休め程度に丸い石が乗せられていました。落とす人心。乗せるも人心。

Dsc01427 明治維新最大の愚行だとボクは思います!
 片や自然林、片や植林の尾根道がなだらかになってくると、行く手の樹上に白い大輪の椿の花が目につきました。この椿の樹下には女人禁制の石碑が立っています。江戸時代はここから先に女性が立ち入れなかったんですね。しかし、ここまで来て追い返されたら頭にくるでしょうね。どうせなら登山口から女人禁制にすればいいんでしょうけど。白い椿はそんな昔の女性たちの心を語るように清楚に咲いていました。今や多くの女性がハイキングを楽しんでいる大山の昔話であります。

Dsc01432 かみに狙われたらこの先に逃げ込もう Dsc01430 貴賓ある美しさ

 阿夫利神社下社からの表参道と出合うとドワ~ッと登山者が増えました。今までの南稜ではトレラン兄さん1人とお散歩オバちゃん1人だけだったんですけど。陽当りの良い登山道では、スミレなど小さな花が沿道を飾って、見上げれば早くもトウゴクミツバツツジの濃いピンクが咲いておりました。ふと足元に羽化に失敗したのかセミの成虫が死んでいました。エゾハルゼミのようです。ハルゼミにヤマツツジ・・・いよいよ丹沢が一番賑わうシーズンですか!

Dsc01437 タチツボスミレ Dsc01442_2 早!トウゴクミツバツツジ

 さて、大山山頂をぐるりと回って、東西南北の景色を一通りチェックして下山します。平野部の景色は霞んでしまいましたが、丹沢の山並みは最高です!三ノ塔の向こうに見える富士山がこれまた面白い。山麓が青空に溶けて、空に浮かんだように見えていましたよ。何度来ても違う景色が楽しめるのがいいですね。

Dsc01438 いつ見ても良い景色 Dsc01440 芙蓉峰浮かぶ
 さて、弘法山までの復路ですが、南稜をまた延々と歩くのはちとしんどい。家に帰れば家事が待っているので多少体力を残しておきたいし。そこで、蓑毛越から蓑毛に下って、R246近くの名古木までワープ航法(バス)に入ることにしました。のんびりと坂を下るバスの車窓から往路でセッセと登った南稜尾根を眺めます。名古木まで10分足らず。これでいいのだ!

★コースタイム:5時間弱

5:25めん羊の里→5:35弘法山→5:55善波峠→6:10念仏山→6:50高取山→7:05不動越→7:45蓑毛越

→8:20表参道出合→8:50大山9:00→9:35蓑毛分岐→10:00蓑毛バス停…(バス)…10:10名古木→10:30めん羊の里

2015年5月16日 (土)

山行 自然と神に励まされて 大山南稜尾根その2

 信仰の道を歩く山笑。念仏山から北東方向に少し標高を落として、小ピークを2つアップダウンしていきます。広葉樹だったのがヒノキの植林帯が多くなって、日差しが悪くなり全般的に薄暗い区間です。その中でも朱色のヤマツツジの花が咲き、エビネらしい花も見られました。エビネは亡き父が一時期凝っていて、よく愛好家の方が我が家に見物に来ていました。そういえばここいらの麓に父の墓があるんだよなぁ・・・死してなお魂は趣味に通じているようで嬉しくなりました。

Dsc01402 ヤマツツジ Dsc01393 これはキエビネのようだが

 ルートがやや西寄りに折れると、岩が露出した急勾配をグーンと上がっていくと植林の中に高取山(556m)の山頂がありました。山頂には大きな電波塔があって、NHKのマークが描かれていました。秦野盆地の皆さんが鮮明なテレビ映像を受信するには必要なものですよね。

Dsc01411 闘魂注入!

 高取山でまだ5、6百mでは大山の高さの半分もありません。その先でダラダラとかなり標高を落とすので辟易としてきます。そんな中、突如前方視界に鮮明な赤色が飛び込んできました。石の台座にお不動様が座して厳しい視線を向けています。そこだけ日光が差し込んで何と神々しいことか。この地点に不動明王が座していると辟易した弱い心が一掃されるような気がします。(そうは言っても、前回はこの不動越で挫折して下山してしまいましたが(汗))

Dsc01415 富士山GETだぜぃ!

 お不動様の先でルートは林道を横断します。左手が秦野市蓑毛方面で右手が伊勢原市の大山ケーブル方面です。林道が横断しているこの不動越が最低鞍部で、ここから大山に向かって尾根道の上り一編になることでしょう。鞍部には万里の長城のように送電線が尾根を跨いでいます。人間というのは本当に強かです。自然の弱みにつけ込んでどんどんインフラを整備していくんですから。でも、展望が開けて富士山が見えました。見慣れた富士ではありますが、見ると元気が湧いてきますよ。

Dsc01413 ホウチャクソウ Dsc01414 キンポウゲ

 しばらくは尾根上の登山道というよりは未舗装の車道をグングン上がっていきます。道幅が広くて明るいので、雑草のようでもきれいな花が咲いていて気持ちの良いものです。どこか奥多摩の防火帯を歩いているような気分になってきましたよ♪

Dsc01421 あれはネバダや

 突如空に突き上げる黒鉄の城・・・スーパーロボットMZ!ではありません。NTTの電波塔でした。まあ次から次へと・・・まあいいけどね。社会インフラだらけでもうヤケっぱちです。こういうシチュエーションもこのルートがイマイチ人気がない理由なのかもしれませんね。それにしてもこの電波塔、見れば見るほど改装前のアメリカ戦艦のマストみたいです。真珠湾で撃破されたやつ。トトト・・・全軍突撃セヨ!

Dsc01424 赤いきつねと緑のたぬきと水色のドラム缶

 やはり電波塔を頂く浅間山(680m)の山頂を巻いていくと、再び自然林になってきて、水色のドラム缶が目印、蓑毛から阿夫利神社下社へ延びる大山道との交差点蓑毛越に到達です。新緑が実に爽やかに風になびいています。やっぱ自然林はいいなぁ♪風に乗ってパーパー・・・とバスの警笛が聞こえてきますが、ヤビツ峠へ満員のハイカーを運ぶバスでしょう。最近はチャリダーが多いから運ちゃんも大変だよね。

 ここまで来れば、後は普通に大山登山です。(つづく)

2015年5月15日 (金)

山行 煩悩を捨て信仰の道へ 大山南稜尾根その1

 大山といえば登山口への交通アクセスが便利で、阿夫利神社やヤビツ峠からは1~2時間で山頂に立つことができるので、老若男女誰もが歩く身近な山です。下社からの表参道や見晴台コース、ヤビツ峠からのイタツミ尾根は、オールシーズン多くのハイカーで賑わっています。

 そんな大山にも、表丹沢大倉尾根を凌ぐ距離11km余、標高差1千m以上の長大なルートがあるんです。秦野盆地の東に位置する桜の名所弘法山を発して、善波峠~念仏山~高取山~不動越~浅間山~大山に至る大山南稜尾根の縦走ルートがそれですが、小ピークを縦走する健脚向けルートなので歩く人は比較的少ないようです。

 かく申す、今まで大山を四方八方から歩いてきた山笑も、この南稜尾根だけは踏破したことがありません。「大山にそこまで」という思いもあったし、数年前の夏にルート半ばの不動越まで歩いたものの、暑さに負けて下山してしまった前歴もあって「もういいや」感もありまして・・・今回は心入れ替えて再チャレンジです。

Dsc01377 あそこまで歩くのだ!

 GWの最終日は朝から晴天に恵まれました。弘法山の中腹にあるめん羊の里を5時30分に出発です。まずは駐車場から山腹に広がる牧場を突っ切って、弘法山の山頂に向かいます。広々とした牧場からは、大山から左手に丹沢表尾根がよく見えました。でも動物がいない?まだ早朝なので、飼われている羊たちも小屋の周りでまったりしていました。

Dsc01382 めん羊の里から大山と表尾根 Dsc01380 まったり綿羊

 東からの朝日が眩しい弘法山(235m)。朝の散歩を楽しむ人がチラホラいました。東側が開けていて、江ノ島の方まで湘南の海岸線がよく見渡せました。平塚辺りの平野部には朝霧が出ているところもあるようです。家を出るときに顔も洗わず出てきたので、弘法山の水場で顔を洗いました。さっぱりして気合が入ります。

Dsc01387 弘法山から湘南を望む

 鶴巻温泉方面に向かうハイキングコースを歩いて善波峠へ。早朝のクヌギ林を歩いていると、心がワクワクしてくるのは私だけではないはず。でもカブクワの登場はもう少し先でしょう。木々の先に善波のモーテル街が見え隠れし始めると、いよいよ本番。左手の大山方面に分かれます。それにしても、どうしても派手な建物が目についてしまうなぁ。建物の脇ではリネンを回収するトラックが作業中でした。眼下の街では、多くのカップルが一夜の夢からまだ覚めていないことでしょう。あーいかんいかん!山歩きでこういうシチュエーションはシラケるなあぁ・・・僻み半分、プンプンです。

Dsc01390 雰囲気のある善波峠

 石仏や石灯籠が立つ旧善波峠の切通し。薄暗くて雰囲気がありますが、すぐ近くに資材置き場があるのとR246の車の喧騒はいただけない。早々に通過しようと足早に歩いていきます。広葉樹の明るい尾根道を歩いていくと、まもなく念仏山(357m)の山頂に到達しました。西側が開けていて秦野市街が広がっていて、その先には箱根の山々が見えました。大涌谷の噴煙も何となくわかりましたが、大丈夫かな?念仏の山名は、戦前まで山麓の名古木地区の人々がこの山頂で念仏講を行っていたことに由来しています。

Dsc01398 念仏山からの秦野市街(遠方は箱根連山)

 この縦走路は地元の観光協会から「野菊と信仰の道」というキャッチコピーを与えられているようですが、道中には石仏や石碑などが点在していて、往時の大山講や念仏講の信仰心を感じられる道だと思いましたね。煩悩を捨て信仰心を得ていざ大山へ!(つづく)

2015年5月 9日 (土)

富士に山羊、大山に犬、丹沢に赤い彗星

 GW終わってしまいましたねぇ(涙)例年ならば、ババと天然児の三世代編成で遠出をするのですが、肝心のババが入院中ともあって、ほとんど出かけませんでした。天然児はユーチューバーな毎日で、それはそれで充分楽しんでいるようでしたが、それじゃあいかんと、嫌がる天然児を車に押し込んで近場に連れたしました。

Dsc01307 富士山がよく見える畑の中に Dsc01295 やぎの里あり

Dsc01294 うんみぇ~~~~

 この時期はツツジの花が満開の中井町中央公園で遊ばせようとしたら、車を破壊せんばかりに大暴れ。仕方ないので車を走らせると、富士山を望む丘陵地帯の耕作地の中に「やぎの里」なるローカルスポットを発見セリ。番犬のワンコが過剰反応でしたが、ヤギやひつじとふれあえるありがたい場所でした。ほら、動物大好き天然児はフルテンションで降りてきましたよ。

Dsc01324 大倉、大倉、本気になったら大倉 Dsc01317 天然児、熱中時代

 さて、サスライガー親子は大倉尾根の登山口でもある秦野の戸川公園にやってきました。風の大橋周辺は丹沢の新緑がとっても眩しいです。戸川公園はバーベキューのグループや水辺で遊ぶ親子連れで賑わっていました。我が家は葉桜の下でおにぎりを食べました。腹が満たされたかみと天然児は何やら桜の幹に興味津々。何ですかぁ?

Dsc01321 ギャ~~~~~ッ! Dsc01318 シャアか?

 カメムシいるよカメムシいるよカメムシいるよ・・・カメムシってあの強烈な匂いに似合わず美しい体色の種が多いのですが、この黒光りのヨコヅナサシガメはいただけない。桜の幹にウヨウヨしていて、中には10匹、20匹と集まっている姿も(怖)その中で赤いモビルスーツ!シャアか?元い、赤いカメムシ発見セリ。

Dsc01358 大山とトイプー Dsc01369 こんにチワワ

 我が家の居候ロシアリクガメのクロちゃんの故郷、県立動物保護センターに寄ってみました。ここは大山を望む田園風景の中にあって、いつ来ても心癒されますね。この日は平日だったので、ふれあい広場が解放されていましたので遊んでいくことにしました。広場ではトイプードルやらチワワやら可愛らしい小型犬がお出迎えしてくれました。最初は甘えてまとわりついてきたワンコたちですが、そのうち天然児のフルテンション振りに圧倒されて逃げ回るようになってしまいました(汗)

Dsc01375 あれあれ?里帰り?

 身近な自然の中でいろいろな生き物と遊ぶことができました。やっぱ本物はいいだろ?天然児。

2015年5月 8日 (金)

惜別の弔い釣行

 職場の船釣り会の御意見番Y御大が4月中旬にご逝去されました。御大は昨年末に風邪をこじらせて肺炎になり、年越しの闘病生活を経て、3月に退院したとの連絡をもらった時は「もう少し暖かくなったらアジでも行こうよ」と元気な声を聞いた安堵したところでした。そんな矢先の突然の訃報でした。遂に復活することのなかった御大の意を汲んだ弔い釣行として、5月4日(月)に久里浜からアジ釣りに出ました。

P1120859 久里浜沖

 今年は年明け以降アジが不調で、最近ようやく釣果が上向いてきたかと思われましたが、やはりこの日も食いは悪く、スタートから数時間は全く当たりがない状況でした。そこへ追討ちをかけるように、強烈な南風が吹いてきて、東京湾といえどもかなりの時化模様になってきました。

P1120860 浦賀水道を行き交う船舶 P1120865 大島へGo!

 今までの経験からして、アジ釣りの場合は最初は釣れなくても、時合いという入れ食いタイムが必ず回ってくるので、その時合いを信じて木の葉のように揺れる船に身を任せ、吹き上がる白波を浴びながら耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・

P1120872 ヨットには絶好の風? P1120884 いつかは乗りたい優美なおがさわら丸

 船頭も東京湾口まで出たり、はたまた観音崎沖まで引っ込んだり、ポイントをあちらこちらと探ってくれたのですが、遂に時合いは訪れず沖上がりになってしまいました。このGWは穏やかな日和が続いたのにピンポイントで時化の日を当ててしまいました。自然相手とは言え、渋い釣果に幹事としては凹みます。でもそこは仲間内の話。会の皆さんは「GWだし、アジも何処かへ出かけているよ」、「これじゃあ、Y御大に笑われちゃうなぁ」と笑い飛ばしてくれました。

P1120892 ガンゾウビラメとアジが5尾 P1120893 我が家の一番人気はなめろう♪

 さて、釣れなかったとは言えアジ5尾は何れも良型で、おまけにガンゾウビラメが釣れました。アジはなめろうに、ガンゾウは塩焼きにして家族で美味しくいただきました。少ない釣果でも、我が家の1食分にはなるんだなぁ。

 Y御大。今まで楽しい思いでありがとうございました。冥界で大好きな釣りができるかわかりませんが、あなたならきっと楽しくやっていくことでしょうね。さようなら。

2015年5月 5日 (火)

山行 山笑を魔空空間に引きずりこめ 丹沢・鉄砲沢

 さて、鍋割峠からどちらに進もう?鍋割山に登って水源の森に戻るのはちょっと面白くない。当初の計画通り雨山峠経由でユーシン方面に向かうか・・・おやおや?北に微かな踏み跡があるではないか。地図には記されていないので、マイナールートのようだが、方向からすると、この踏み跡はオガラ沢に下って尊仏土ノ平方面に向かうだろうと思い、踏み込んでみることにした。

Dsc01201 沢のミツバツツジ Dsc01204 沢下り開始

 木につかまりながら沢の源頭部のガレ場に降りると、周囲はミツバツツジがよく咲いていて、行く手の沢も花に囲まれた回廊のようで嬉しくなってきた。花好きオジサンはルンルンで沢下りを開始した。このとき、「道に迷ったら沢に下ってはいけない」という山の鉄則もすっかり頭から飛んでしまっていた。

Dsc01206 花の回廊 Dsc01224 ツルシロカネソウ

 沢は広くなったり狭まったりと変化があって、狭隘部には必ず滝になっていた。この滝がなめた岩の上を流れる美しい滝で、周囲の苔むした岩壁とマッチして実に趣があるではないか。以前、真夏にオガラ沢から鍋割山に登ったとき、山ヒルが沢山いたことを思い出して、足元をチェックしたが、ヒルはまだいないようだ。

Dsc01230 小さな滝が多い 

 最初はご機嫌な沢下りも小さな滝をいくつか下っていくうちにモヤモヤ感が募ってきた。オガラ沢はそんなに深い沢ではなかろう。そろそろ広くなって鍋割山方面へのルートと出合うはずなのだが・・・それもその筈。下っている沢はオガラ沢ではなく、西隣に位置する鉄砲沢という沢だったのだ。それに気づくのは命からがら帰宅してからのことだった。

Dsc01234 沢は深まるばかり・・・

 そのうち滝のギャップが大きくなってきて、滝を通貨するときに側壁を越えるようになってきた。早い段階で引き返すべきだったのだが、オガラ沢と疑わない私は、そろそろ見覚えのある鍋割登山口に出合うだろうとひとつ、またひとつ、滝を越えて縦深陣に引きずり込まれていった。

Dsc01238 ここから先は降りられない(汗)

 ある滝を越えたときに急斜面を滑り落ちてしまった。その次の滝は大きく、側壁は岩壁のゴルジュ(V字渓谷)になっていた。進むも滝、引くも滝。完全に魔空空間に引きずり込まれていたのである。この山中の袋小路からどう脱出するか?

 考えるよりも行動あるのみ!右手の涸れ沢をよじ登り始めたが、頼れる樹木もなく、あてに掴んだ石は西丹沢特有の御影石で、ボロボロと剥がれ落ちてしまうのだ。そうこう苦戦しているうちに足を置いていた石にも見放されて、ボロッ、ギャァ~~~~~~!沢に滑り落ちてしまった。幸いにして落ちた場所は積もった土砂と落ち葉で怪我をすることはなかったが、手のひらに裂傷ができて血が滴った。

Dsc01241 ここだ!ここを登るぞ!

 万事休す。闘病中のババをさしおいて、天然児を残して、この谷間に骸を晒すのか・・・と、10秒くらい思ったが、冗談じゃないよ。と闘志をみなぎらせて、今度は左手後方の涸れ沢をよじ登った。これまた頼りない急登ではあったが、何とか樹木の生えるヤセ尾根に取りつくことができた。掴んだ幹や根は細くて、折れたら真っ逆さまに谷に落ちるだろうが、藁をも掴む思いで命をかけた細木は実に頼もしく見えた。

 這い上がった白い尾根はアセビの木で覆われていたが、木々の間から大石山と同角ノ頭が見えていた。と、いうことは、山を正面に見て尾根上を下っていけば、ユーシン近くの玄倉林道に下ることができるだろう。こういうときに日頃楽しんでいた山座同定が役立った。嬉しくてたまらない。

Dsc01245 玄倉林道に到達

 やがて植林帯の急登を木々を頼りに下っていくと、下の方に砂利道が見えてきた。玄倉林道だ!歩く人の姿も見える。この日初めて見る人の姿に声を上げそうになった。ユーシンロッジ近くの玄倉林道に降り立って、ホッと一息。この後、雨山橋まで林道を歩いて、雨山峠を越えて寄に帰ることになった。

 「恥ずかしながら帰ってまいりました。」夕方帰宅し、タイムオーバーを散々かみになじられたが、死線を越えた(笑)我が身にはこれが何とも心地よく聞こえた。

Photo_2 鍋割峠からユーシン方面の図

★コースタイム:7時間20分

寄大橋6:30→7:50コシバ沢出合→コシバ沢→8:35鍋割峠(休憩)8:55→鉄砲沢→11:20玄倉林道→11:40雨山橋

→12:20雨山峠→(お昼休憩15分)→13:50寄大橋

2015年5月 3日 (日)

山行 山の緑と青い谷 寄沢・コシバ沢

 飛び石の天長節。早起きして道志方面の山に登るつもりが、例によって寝坊してしまった。ここんところ入院中のババの見舞いが多かったので疲れているのかもしれない。近場から静かな山行を楽しもうとやってきたのは松田町寄の奥にある水源の森。ここから雨山峠を経てユーシン方面で森林浴を楽しむ予定だ。ピークが目的地ではないが、寄沢の渡渉やら沢沿いの羨道歩き、雨山峠の下では小さな沢歩きと実に楽しいルートである。昨年は友人一家をガイドウォークに招待したこともある。(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4d19.html

Dsc01153 清楚なウツギの花 Dsc01154 ありがたい水源の水場

 6時半に寄大橋に軍馬を停めて出発した。1台のミニバンが停まっていたので、先行者がいるらしい。動物との遭遇は1番と2番では遭遇率が大きく変わってしまう。カモシカやアナグマにまた逢いたいなぁ。水源の森付近はバイカウツギの白い花が美しい。水場で水を補給して登山道に踏み込んでいく。

Dsc01161 ルートファインディングも山行の楽しみだが・・・ Dsc01165 先人の心遣い

Dsc01160 ご丁寧にまあ・・・

 しばらくは寄沢沿いに遡行していくルートである。大きな堰堤が多数あるので、左岸→右岸→左岸→右岸と渡渉を繰り返す。寄沢は流れこそ細いが広い石河原が特徴の急な沢である。広い河原に出たとき、石にペンキでつけられた道標や対岸の枝につけられたピンクのテープを探すのが山行気分を盛り上げてくれるのだが、この1年のうちに新しい看板が付けられてややシラケる。

Dsc01163 青い壁の沢

 上流部の崩落地は西丹沢特有の青い土砂の壁である。山の緑に囲まれた青い谷・・・何とも神秘的でないか。ガミラス星人のような青い顔したハイカーと出会ったらヤバいが。「西丹沢に下品な男は不要だ」と言われたら怖いな。一人歩きは妄想の世界である。

Dsc01177 寄コシバ沢 Dsc01189 鍋割山はガスってきたぞ

 ルートが西に折れて、寄コシバ沢を渡ると正面にコシバ沢の危険表示・・・ふと「そういえば、コシバ沢を遡行すれば鍋割峠に出るんだよなぁ」と思いついて、流れのない石がゴロゴロしたコシバ沢を歩くことにした。すぐに鍋割山稜の稜線が近づいて、沢の源頭部が左右に分かれたところで左手に迂回路のテープを発見した。ここから鍋割峠までも踏み跡は明瞭で水源の森から2時間余りで鍋割峠に到達した。鍋割山を目指すならば、雨山峠経由よりも1時間の節約になる。

Dsc01196 ブナの大木多し

 鍋割峠付近では、昨年アナグマの巣を見つけたが、今もこの辺に住んでいるのだろうか?(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-6d89.html)休憩がてら周囲を少し歩いて耳をすませたが、動物の気配は感じられなかった。「あのアナグマの親子は何処かへ引っ越したんですかね?」峠に立つ馬頭観音に問うてみたが、観音さんは黙して語らなかった。余り歩く人のないルートではあるが、さすがに登山道の真下では落ち着かないことであろう。新婚の頃、向ヶ丘遊園の府中街道沿いに住んだことがあったが、交差点待ちの車の排気ガスと熱に辟易して、2年も住まないで転居した自身の経験を思い出した。大家の弥平さんはまだご健在であろうか・・・

Dsc01193 人間も動物も個人情報は守らんと・・・

 疑問だらけの山笑に馬頭観音は黙して語らなかった。ブナの大木が見事な鍋割峠である。(つづく)

2015年5月 2日 (土)

山行 新緑のガイドウォークその3 丹沢山

 いつもはひとりで歩く孤高の人山笑。でも、たまには友人を地元丹沢に案内することがあります。今年も新緑の眩しいこの時季にガイドウォークをしてきました。今回は友人2人を誘って3人編成で丹沢山を目指しました。友人2人は元々職場の同僚だったのですが、転職して某M市(以下M氏)とY市(以下Y氏)の職員として活躍しています。いいですね地方公務員。

Dsc01105 新緑の丹沢へいらっしゃい

 4月26日(日)。秦野駅に集合して、県道70号経由で塩水橋まで車で入り、堂平経由で丹沢山を目指す最短ルートです。ところが、集合時間直前で、Y氏が小田急江ノ島線に乗り間違えて藤沢にいるとの連絡が・・・そこで、藤沢から二宮まで東海道線で来てもらって、二宮駅まで迎えに行くことになりました。秦野二宮の往復でタイムロス30分です(笑)

 塩水橋に到着したのは8時30分。天気に恵まれた日だったので、既に塩水林道のゲート周辺は車で溢れておりました。仕方ないので、宮ヶ瀬方面に少し進んで、道幅の広いところで路肩駐車して出発します。

Dsc01103 会話が弾むオッサン Dsc01104 弁天杉

 塩水川のせせらぎと野鳥のさえずりを聞きながら塩水林道を3人でおしゃべりウォーキング。お互い近況とそれぞれの職場の話で盛り上がります。塩水林道はつい2週前に弁天尾根・三峰山経由で丹沢山まで歩いた道なのですが、新緑の鮮やかさは更に進んだようです。

Dsc01149 森の工芸品オトシブミ(ゾウムシの仲間)のゆりかご

 ワサビ沢出合から山道に入って、堂平下の林道終点まで林道をショートカットします。「この辺は山ヒルが多い場所だから足元を注意しながら歩いてね」と友人を脅しておきますが、自分的にはまだいないだろうと思っています。山道に入ると3者体力の差が明らかになってきます。Y氏はフルマラソンも走る体力の持ち主なので常に先頭を行きますが、登山のペーストしては早いくらいです。私は最後尾で疲れ気味のM氏を盛り立てました。

Dsc01114 堂平の新緑はもう少し先

Dsc01131 キクザキイチゲ(青と白) Dsc01132
 堂平は神奈川の美林50選にもエントリーしているブナの森ですが、若芽が芽吹いたばかりで新緑はもう少し先のようです。日が差し込んだブナの木の根元にはスミレなど何種類かの小さな花が咲いていましたが、オッサンたちはそれには目もくれず通過していきます。彼らの興味は山頂に立つことだけのようです。

Dsc01121 天王寺尾根のマメザクラ Dsc01122 三峰山

 天王寺尾根と出合と丹沢山頂が見えてきます。尾根上では上り下りのハイカーの姿が多くなってきました。マメザクラが咲いて賑わいに花を添えていました。この尾根上はブナの植生調査や昆虫(ブナバチか?)の生態調査がいつも行われています。

Dsc01138 天王寺尾根と大山(右手遠方)

 山頂直下のガレ場を越えて振り向けば、大山や相模原方面が見渡せます。この展望スポットからは、冬の澄んだ空の下では東京スカイツリーも望めるのですが、春霞の中ではそれを望むべくもありません。

Dsc01130 あれが丹沢の最高峰でござるよ。

 このルートの最終場面であるブナ林の木道を上り詰めると、丹沢三峰縦走路に出合います。開花前のツツジの木が多い尾根上からは蛭ヶ岳が見えています。すっかりお疲れのM氏も子供のように元気を取り戻して、丹沢山の山頂に3者そろい踏みです。西側には雲が多くて、残念ながら富士山の眺望は得られませんでしたが、友人2人は大いに満足したようです。

Dsc01133 お疲れさん!

 暖かな山頂には多くのハイカーが憩っていました。ベンチは空いていなかったので、玄倉川を見下ろす場所に3人仲良く腰を下ろして腹ごしらえをしました。谷間から吹き上げる風が思いのほか冷たかったので、腹を満たしたら早々に下山となりました。

Dsc01140 天王寺尾根のミツバツツジ(暗いね)

Dsc01145 まだまだ余力があるY氏(本間橋にて)

 下山は天王寺尾根を進んで周回コースにします。下りは元気なオッサンたちですが、下りこそ足を痛めないよう要注意ですね。往復約6時間で塩水橋に帰着。ちょうど良い運動と心の洗濯になったのではないでしょうか?お二人さん。次回はツツジが咲きハルゼミが鳴く初夏の檜洞丸にご招待しましょう。

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