山行 空に浮かんだ芙蓉峰 大山南稜尾根その3
弘法山からアップダウンを繰り返してきましたが、蓑毛越を通過すれば大山までは上り一編になります。登山道は所々石畳のように石が敷かれていて、かつての信仰登山の名残を見せています。蓑毛越のすぐ先の路傍に石仏が並んでいますが、何れも首から上がない仏様ばかり。明治初年にあった仏教排斥運動、廃仏毀釈によるものでしょう。愚行なるかな。愚行なるかな。どの仏様にも気休め程度に丸い石が乗せられていました。落とす人心。乗せるも人心。
明治維新最大の愚行だとボクは思います!
片や自然林、片や植林の尾根道がなだらかになってくると、行く手の樹上に白い大輪の椿の花が目につきました。この椿の樹下には女人禁制の石碑が立っています。江戸時代はここから先に女性が立ち入れなかったんですね。しかし、ここまで来て追い返されたら頭にくるでしょうね。どうせなら登山口から女人禁制にすればいいんでしょうけど。白い椿はそんな昔の女性たちの心を語るように清楚に咲いていました。今や多くの女性がハイキングを楽しんでいる大山の昔話であります。
阿夫利神社下社からの表参道と出合うとドワ~ッと登山者が増えました。今までの南稜ではトレラン兄さん1人とお散歩オバちゃん1人だけだったんですけど。陽当りの良い登山道では、スミレなど小さな花が沿道を飾って、見上げれば早くもトウゴクミツバツツジの濃いピンクが咲いておりました。ふと足元に羽化に失敗したのかセミの成虫が死んでいました。エゾハルゼミのようです。ハルゼミにヤマツツジ・・・いよいよ丹沢が一番賑わうシーズンですか!
タチツボスミレ
早!トウゴクミツバツツジ
さて、大山山頂をぐるりと回って、東西南北の景色を一通りチェックして下山します。平野部の景色は霞んでしまいましたが、丹沢の山並みは最高です!三ノ塔の向こうに見える富士山がこれまた面白い。山麓が青空に溶けて、空に浮かんだように見えていましたよ。何度来ても違う景色が楽しめるのがいいですね。
いつ見ても良い景色
芙蓉峰浮かぶ
さて、弘法山までの復路ですが、南稜をまた延々と歩くのはちとしんどい。家に帰れば家事が待っているので多少体力を残しておきたいし。そこで、蓑毛越から蓑毛に下って、R246近くの名古木までワープ航法(バス)に入ることにしました。のんびりと坂を下るバスの車窓から往路でセッセと登った南稜尾根を眺めます。名古木まで10分足らず。これでいいのだ!
★コースタイム:5時間弱
5:25めん羊の里→5:35弘法山→5:55善波峠→6:10念仏山→6:50高取山→7:05不動越→7:45蓑毛越
→8:20表参道出合→8:50大山9:00→9:35蓑毛分岐→10:00蓑毛バス停…(バス)…10:10名古木→10:30めん羊の里
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