山行 朝霧に溶けるピンク色 西丹沢大室山
白石峠(1307m)から甲相国境尾根を東に向かって歩きます。峠から急な上りを少し進むと、左手に道志への道を分けます。白石峠の道は廃道になって、今はここから道志方面に抜けられるわけです。更に進んで加入道山(1418m)です。雲の中で視界は開けませんが、ブナの大木が並ぶ稜線は深山の雰囲気があります。でも、道志みちを走るバイクの爆音はどうにかならんかなぁ・・・
加入道山の山頂には避難小屋が建っています。近くの犬越路、畦ヶ丸にも避難小屋があって、ゆっくり山の夜を堪能できる穴場ですが、最近は利用者が多いようですね。だってただで泊まれるんですから。利用者の記録簿を見たら、休日はグループが。平日も中高年の単独行のハイカーが利用しているようです。
加入道から尾根道を歩いて軽く上った小ピークが前大室。前大室ってことは山梨県側からの視点ですね。神奈川県民としては、大室山は神奈川を代表する高山ですが、県境の山なので、山梨百名山にもエントリーしています。富士山から南ア、奥秩父など名だたる名峰を抱える山梨の名山にもエントリーしているんですから、大室山も隅に置けませんが、実際は山梨の隅の隅に置かれてますね(笑)
まあ訳のわからんことを考えながら、前大室からぐんと標高を落としていきます。稜線を歩いているとピンクの強いトウゴクミツバツツジが目を引きます。ヤマツツジは檜洞丸や丹沢山が有名ですが、この辺りにも結構咲いているのに驚きました。樹皮が松の木のようなシロヤシオも少し生えていましたが、こちらは全く花をつけていませんでした。少し早いようです。
前大室から下って、鞍部の破風口という場所を通過すると、いよいよ大室山への辛い上りになります。数年前に歩いた時は逆ルートだったので、ここを上るのはキツそうだなぁと思っていましたが、確かに辛い!
天孫降臨かいな!?
道志の山並み
突然、前方に日輪が差し込んできました。あまりに突然のことで、すわっ!天孫降臨かいや?と驚きましたが、雲が取れてきたようです。時折道志方面の山が見えたり、西丹沢の山並みが見えるようになってきました。日輪の輝きを胸に秘め、俺の体が俺の体が燃えている・・・思わず鼻歌がこぼれます。
急登を登っていくと、ブナの樹林の根元に大きな葉が特徴のバイケイソウが目立ってきました。尾根道が平らになる頃には、バイケイソウだらけの道を歩いていきます。このバイケイソウには毒があるそうで、シカの餌にならないお陰でこんなに繁茂しちゃってます。夏には白い花を咲かせる植物です。ブナの幹を見上げると、バイケイソウなど小さな植物が居候しています。ブナの木は水を沢山吸い上げる木なので、他の植物も養う母ちゃんのような木ですね。
稜線に上がってから誰にも会わずに歩いてきましたが、前方から賑やかな若人の声が聞こえてきました。かなりの大集団のようです。犬越路方面、道志方面との三叉路に来ると、多くのハイカーが休憩していました。特に目立つのは高校生らしきハイカーの集団です。山岳部なのかな?ここから少し道志方面に進んだところに大室山(1588m)の山頂があります。
前述の山梨百名山の標柱が立つ大室山の山頂は、木々に囲まれてイマイチ展望がありません。それでも樹間から丹沢の盟主蛭ヶ岳が見えていました。大室山は大きな山で、八王子周辺の人たちからは「富士隠し」と呼ばれているほどです。この大きな山体は、麓の人たちから大室権現として信仰の対象となってきました。
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