山行 煩悩を捨て信仰の道へ 大山南稜尾根その1
大山といえば登山口への交通アクセスが便利で、阿夫利神社やヤビツ峠からは1~2時間で山頂に立つことができるので、老若男女誰もが歩く身近な山です。下社からの表参道や見晴台コース、ヤビツ峠からのイタツミ尾根は、オールシーズン多くのハイカーで賑わっています。
そんな大山にも、表丹沢大倉尾根を凌ぐ距離11km余、標高差1千m以上の長大なルートがあるんです。秦野盆地の東に位置する桜の名所弘法山を発して、善波峠~念仏山~高取山~不動越~浅間山~大山に至る大山南稜尾根の縦走ルートがそれですが、小ピークを縦走する健脚向けルートなので歩く人は比較的少ないようです。
かく申す、今まで大山を四方八方から歩いてきた山笑も、この南稜尾根だけは踏破したことがありません。「大山にそこまで」という思いもあったし、数年前の夏にルート半ばの不動越まで歩いたものの、暑さに負けて下山してしまった前歴もあって「もういいや」感もありまして・・・今回は心入れ替えて再チャレンジです。
GWの最終日は朝から晴天に恵まれました。弘法山の中腹にあるめん羊の里を5時30分に出発です。まずは駐車場から山腹に広がる牧場を突っ切って、弘法山の山頂に向かいます。広々とした牧場からは、大山から左手に丹沢表尾根がよく見えました。でも動物がいない?まだ早朝なので、飼われている羊たちも小屋の周りでまったりしていました。
東からの朝日が眩しい弘法山(235m)。朝の散歩を楽しむ人がチラホラいました。東側が開けていて、江ノ島の方まで湘南の海岸線がよく見渡せました。平塚辺りの平野部には朝霧が出ているところもあるようです。家を出るときに顔も洗わず出てきたので、弘法山の水場で顔を洗いました。さっぱりして気合が入ります。
鶴巻温泉方面に向かうハイキングコースを歩いて善波峠へ。早朝のクヌギ林を歩いていると、心がワクワクしてくるのは私だけではないはず。でもカブクワの登場はもう少し先でしょう。木々の先に善波のモーテル街が見え隠れし始めると、いよいよ本番。左手の大山方面に分かれます。それにしても、どうしても派手な建物が目についてしまうなぁ。建物の脇ではリネンを回収するトラックが作業中でした。眼下の街では、多くのカップルが一夜の夢からまだ覚めていないことでしょう。あーいかんいかん!山歩きでこういうシチュエーションはシラケるなあぁ・・・僻み半分、プンプンです。
石仏や石灯籠が立つ旧善波峠の切通し。薄暗くて雰囲気がありますが、すぐ近くに資材置き場があるのとR246の車の喧騒はいただけない。早々に通過しようと足早に歩いていきます。広葉樹の明るい尾根道を歩いていくと、まもなく念仏山(357m)の山頂に到達しました。西側が開けていて秦野市街が広がっていて、その先には箱根の山々が見えました。大涌谷の噴煙も何となくわかりましたが、大丈夫かな?念仏の山名は、戦前まで山麓の名古木地区の人々がこの山頂で念仏講を行っていたことに由来しています。
この縦走路は地元の観光協会から「野菊と信仰の道」というキャッチコピーを与えられているようですが、道中には石仏や石碑などが点在していて、往時の大山講や念仏講の信仰心を感じられる道だと思いましたね。煩悩を捨て信仰心を得ていざ大山へ!(つづく)
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