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2015年7月

2015年7月31日 (金)

天然児の夏は淡島から

 子供たちは夏休み真っ盛り。我が家の天然児も例外ではありません。大好きな水族館に連れて行ってあげたいのですが、本人の我が強くなってくる一方で体力的にコントロールが難しくなって周囲に迷惑をかけてしまうこともしばしば。そんなことでなかなか実行に移せません。

 それでも人の少ない場所や時間帯を選んで遊びに行くように努力しています。人との触れ合いが大好きな子なので、少し前まではできるだけ多くの人とふれあいを持たせて豊かな感性を養ってもらいたいと思っていたのが、今では人との接触を避けるようにして行動しているのですから悲しいものです。

Dsc02874 昔はゴンドラで渡っていましたが・・・ Dsc02947 今では渡し船です。

 沼津湾に浮かぶ淡島にある淡島マリンパークは、比較的空いているので天然児御用達の水族館のひとつです。小さな水族館でイルカやアシカなどの海獣ショーも他の水族館ほど華やかなものではありませんが、水槽あり、タッチプールあり、ペンギンありと、とりあえず一通りそろっているので本人は納得してくれますし、親としても行動範囲が限られていて助かります。

Dsc02944 天然様の貸切状態!? Dsc02895 涼感たっぷりペンギンプール

 さて、イルカ、アシカショーもあっという間に見終わってしまいましたので、2巡目に突入かと思いきや、この日は大水槽の前でしばらくお魚を眺めていました。いつもは魚類に全く興味を示さないのですが、珍しいこともあるものです。

Dsc02922 ホンソメワケベラにお掃除してもらうコブダイ

 この水槽はご当地沼津湾の海の中が展示されていますが、アジやイサギ、カラフルな小魚たちの中で異彩を放つ大型魚が1尾泳いでいます。体長1mほどの大型魚は、突出した額と大きな口が特徴のコブダイ(カンダイ)です。タイという名がついていますが、ベラの仲間で大きな口で貝類や甲殻類を殻ごと砕いて食べてしまいます。悠々と泳ぐ巨体と人面魚の様な特徴ある顔、人懐っこい習性からダイバーにも人気の魚です。

Dsc02912_2 おっさん。ナニ見とるん? Dsc02935 テンション高いガキじゃな。

 海獣ショーだけでなく、魚類にも興味を持ってくれたことは大変嬉しいことです。このコブダイの個性が天然児を惹きつけたことでしょう。

2015年7月28日 (火)

灼熱の甲府盆地で溢れる果汁を楽しむ

 毎年恒例、甲斐国に名産の桃を買いにやってきました。連日猛暑日を記録する甲府盆地ですが、どうせ神奈川にいてもかなり暑いんですから体感温度はそう変わらないと思います。春に大病を患ったババもかなり元気になってきまして、友人を誘って参戦です。

Dsc02850 夏空の下に桔梗咲く(明智家の家紋ですよね) Dsc02848 暑ちーよ、暑ちーよ
 甲州市塩山、武田家菩提寺の恵林寺の近くにある桃の共選場(出荷場)にやってきました。恵林寺といえば武田家滅亡の折、反信長連合軍の一味であった六角氏の一族を匿ったので織田軍の焼き討ちにあうのですが、この時武田信玄が美濃から招いた高僧快川紹基が「心頭滅却すれば火もまた涼し」と六角の引渡しを拒んで焼け死んだことは有名です。美濃所縁の明智光秀が快川和尚の死を嘆いて、信長に対する不信感のひとつになったとも・・・

Dsc02852 桃の秘密基地 Dsc02838 別に予約した訳ではありませんよ(わかるかなぁ?)

 さて、話を戻しましょう。共選場では選果の過程ではねられたキズモノや熟れすぎた完熟桃を安価で買えるのと、スーパーなどではアタリハズレがある果物も間違いなくアタリを買えるからです。傷みが早いのでお遣いものにはならないのですが、自分たちで味わう分は美味しくて安いが一番!と遠くても足を運びます。

Dsc02836 これがはね桃?

 ちょうど7月はJAフルーツ山梨主催の「完熟桃の食べ歩き」というキャンペーンをやっていて、訪れた人には試食の桃が1箇所1個提供されます。早速試食をしてみると、押されたか見た目ちょっと色が変わっているのですが、むいてみると果汁が溢れてあ~~~んまい!♪来たかいがありましたよ。

 暑さに負けずもう1箇所渡り歩いて桃をたらふくいただきました。もちろん我が家へのお土産は忘れずに。神の祟がありますからね。桃は終盤戦になりました。秋口はぶどうを食べにまた来ます。

2015年7月27日 (月)

恐るべし捕食者を発見!

 猫の額で睡蓮鉢やら発泡スチロールやらタライやら使わなくなった子供の砂場まで利用してメダカを飼育・鑑賞しています。水温が20度以上になるとメダカは頻繁に産卵をするので、水温が高い夏場はボウフラのような小粒なメダカっ子が泳ぐ姿を見ることができます。我が家の6つあるメダカ池の中でも子供の砂場は広い割に浅くてとってもメダカ向けです。メダカの飼育は水深よりも元気に泳ぎまわれる広い面積がポイントです。

Dsc02832 元気に泳ぐメダカに癒されます。

 ところが、この子供の砂場に限ってメダカの数が減っていることに気づきました。一番面積が大きいので15尾ほど泳がせていたのですが、最近勘定したところ半減していました。暑いから?鳥や動物に食べられてしまった?疑問に思いながら数日経ったある日、衝撃的な光景を目撃してしまいました。

Dsc02829 あー!ヤゴいるよ、ヤゴいるよ。

 ヤゴが1尾のメダカを大顎で捕らえて食べているではありませんか。トンボがこの池にだけ産卵していたんですね。理想は小さなビオトープですから、メダカたちには気の毒ですが羽化するまでこのままにしておくことにしましょう。メダカを買ってきてもヤゴの餌になっちゃうなんて、ヤゴを育てているみたいだなぁ。まあトンボはハエ・カを捕食してくれる益虫なので良しとしましょう。

2015年7月26日 (日)

山行 大門沢を下って下ってまた下る 白峰三山縦走その7

 白峰三山の縦走。最後は早川の支流広河内沢に沿って奈良田までの標高差2千メートルをひたすら下ります。今まで北岳山荘から同じ方向に歩いてきた人に聞いたところ、この日のうちに一気に奈良田まで下る人はおらず、途中の大門沢小屋で宿泊するとのこと。沢沿いの小屋は涼しそうだしゆとりがあるならもう1泊したいところですが、それは許されません。翌日仕事だし。許して・・・

Dsc02701 富士山に向かってGo! Dsc02705 こんなシャクナゲに気をとられたのでしょうか?

 上部は富士山を正面に見ながらハイマツ帯を下ります。ハイマツなんてバカにしていたら段々深くなってきて身の丈ぐらいに伸びているところもありました。足元はザレていて、おまけにかなりの急傾斜でしたが、幸いロープが張られていてこれを頼りに下ります。

 ハイマツ帯を抜けようとしたところ、突然、沢側の斜面に左足を取られてよろけてしまいました。何とか持ちこたえるかと思ったら、予想外に頭からひっくり返って真っ逆さまに・・・これでこのブログも終了。私は冥界に旅立ちます。さようなら・・・

Dsc02722 この沢に骸を晒していたかもしれません・・・

 ん?生きてる。気がついたらダケカンバの木がしっかり受け止めてくれました。いやぁ~怖かったけど嬉しかった。ありがとう。命の恩人です。それにしても、カンバの木が受け止めてくれなかったらどうなっていたでしょう。哀れ山笑。広河内沢源頭部に転落して人知れず白骨化していたことでしょう。単独行のリスクを改めて実感することになりました。しかし、体中擦り傷を負ってしまい、時計の盤面には傷が付くは、肩から斜め下げしていたデジカメは傷だらけ。特に液晶画面の傷は痛ましい限りです。電源は入りましたので保護シートの交換だけで済むかしら?

Dsc02712 こりゃあ急だわい Dsc02711 まだ普通のシャクナゲも咲いていました。

 針葉樹林帯に入ると岩がゴツゴツとしたルートになります。所々かなりの斜度で、岩から岩へピョンピョン渡るような箇所もありました。いい加減下っていくと足が痛くなってきたので、お昼にすることにしました。北岳山荘で持たせてもらったお弁当は何かな~♪

Dsc02716 (*´∀`*)♫ ちらし寿司だよ~

 さて、腹を満たして更に下ります。針葉樹林帯から沢沿いの道に出ると花が賑やかに咲いていました。ゴセンタチバナ、クルマユリ、オトギリソウ、シャクナゲ・・・でも片側が切れ落ちた急斜面なので油断はできません。先ほどの恐怖感冷めやらぬ状況下、お花はほどほどにしていきましょう。

Dsc02719_2 ゴセンタチバナ Dsc02741 クルマユリ Dsc02730 オトギリソウ

Dsc02721 おまけに変なキノコも

 広河内沢の更に枝沢を何回か渡渉することになります。ハシゴのような木の橋が架けられていまいたが、どれも真ん中が見事にへし折れているのは増水時の水量の凄まじさをうかがい知れます。

Dsc02736 渡渉点の木橋 Dsc02745 大門沢小屋

 やがて下方に大門沢小屋が見えてきました。樹林の中、沢音だけしか聞こえないとても雰囲気の良い場所です。道標では奈良田までは3時間・・・先を急ぎましょう。

 大門沢小屋の下で広河内沢本流の右岸から左岸へ更に右岸への渡渉があります。梅雨時なので沢の流れは水量があって迫力がありました。この頃、かなり足にきていたので河原に腰を下ろして足を冷たい水に冷やしました。気持ちん良か~♪

Dsc02751 水量多し Dsc02752 ムムッ!イワナの魚影

 大門沢小屋から南アルプス公園線の広河原橋までの下りは、疲れていたのもあってかなり長く感じました。月曜日にもかかわらず奈良田方面から大門沢小屋を目指して登ってくる人がポツポツいました。大門沢小屋、中途半端な所にあると思っていたのですが、侮れませんね。深い森の中だったり、沢沿いの急坂だったり・・・でも、記憶も余りないので写真のダイジェスト版でお送りします。

Dsc02757 沢沿いの道はしばしば川になっていました。

Dsc02759 ジムグリくん

Dsc02768 こんな巨岩もありました。

Dsc02769 水力発電所施設の吊り橋(結構揺れました)

 とってもよく揺れる吊り橋を渡ると水力発電所の取水口。ちょうど業者の方が登山道の草を刈って、溜まった泥をさらってくれていました。「はい、お一人通ります。」手を休めた皆さんの手前、申し訳ない気持ちで通過します。それにしても随分ご丁寧だな?と思っていると、取水口の先では大規模な治水工事をやっていました。付帯整備なのでしょうか。工事のため沢沿いの登山道は通行止めになっていて、大きく斜面を迂回して進むことになりました。逆に今度は誘導員の方がこちらに申し訳なさそうに案内してくれました。

Dsc02772 登山道は通行止 Dsc02777 工事現場に設けられた登山者用休憩所

 さて、工事現場から下は林道歩きになりまして、ようやく林道南アルプス公園線の広河原橋に到着しました。トンネル脇ではマイカー規制のオジさんが待機しています。話していると広河原行きのバスが上がってきて、私の姿を見て停車しました。もういっちょ行く~?ウッス!

Dsc02781 広河原橋(白い車に同乗させていただきました)

 マイカー規制の林道は車も通りません・・・通ります(汗)その下ってきた車が私の横で停まりました。渡りに船ならぬ林道に車。運転手の方がご親切にも駐車場まで送ってくれました。聞けば農鳥小屋から下ってきた静岡県の方たちで、疲れたた仲間を広河原橋に待たせて元気な方が車を取って迎えに来たそうです。偶然も偶然ですね。ありがとうございました。

Dsc02784 奈良田駐車場は前日にも増してガラガラ

 16時前の奈良田駐車場で白峰三山の縦走山行は終わりました。奈良田の湯に寄って汗を流し、のんびり運転で帰りました。下界は暑かった(汗)

★コースタイム:1日目7時間25分

広河原山荘6:45→8:30大樺沢二俣→10:40小太郎尾根→11:30肩ノ小屋11:45→12:25北岳(昼食)13:00→14:10北岳山荘

2日目10時間

北岳山荘5:50→7:15間ノ岳7:30→8:15農鳥小屋8:25→9:15西農鳥岳→9:45農鳥岳9:50→10:20大門沢下降点

→(転倒事故20分)→(昼食15分)→12:50大門沢小屋→(沢遊び20分)→15:40広河内橋

→(車同乗)→15:50奈良田

2015年7月24日 (金)

山行 三山のとりは農鳥 白峰三山縦走その6

 間ノ岳山頂から農鳥岳を正面に岩ばかりの道を下っていきます。鞍部には真っ赤な屋根の農鳥小屋が見えています。北岳山荘とは違ってトタン張りの平屋が瓦礫を盛って築かれた塀に囲まれるように建っています。まるで野戦陣地のようです。高所の風雪に耐えるための山小屋らしい造りといえるでしょあう。それにしてもこの風止まないものか・・・

Dsc02622 農鳥岳はやや左手の突起 Dsc02633 農鳥小屋から間ノ岳

 農鳥小屋の前で小休止。宿泊者を送り出して一息ついた頃なのか、小屋主が出てきました。この方、口うるさくキレキャラで、山のルールを守れない人には容赦なく怒声を浴びせる人として山屋の間ではかなりの有名人らしいんです。そんな先入観があったので話しかけられた時には正直緊張してしまいましたが、「この先は今まで以上に風の強いところがあるから注意して行きなさいよ」とアドバイスをいただきました。「郷に入っては郷に従え」昔の山小屋の管理人は皆こんな人だったでしょうね。

Dsc02641 西農鳥に取り組もう Dsc02647 イガイガ

Dsc02658 荒々しい岩峰

 さて、農鳥岳の手前には農鳥岳より少し高い西農鳥岳があって、この岩峰の九十九折をひたすら登っていかなければなりません。でも、この山行で最後の登りと思うとちょっと寂しくもあり、じっくり取り組んでいきます。じっくり進まないと飛ばされちゃうよ!風は収まるどころか相変わらず容赦なく吹き付けてきます。帽子もタオルも飛ばされそうなのでザックにしまいました。ザックの余り紐がなびいてバタバタやかましいし、風に向かって立つと頬がブルブルと波打ってバラエティー番組みたい。

Dsc02652 西農鳥(左)から農鳥の平らな山頂 Dsc02646 登ってきました。

 やっとこさ西農鳥岳(3051m)のピークを踏めば、農鳥岳へはほぼ平行移動になります。でも岩峰の稜線を巻いていくので、片側が切れ落ちた箇所を通過するときは要注意です。やがて岩礫を積み上げたような農鳥岳の山頂(3026m)に到着。周囲の山々には雲をかぶっているのが多かったのですが、360度の好展望地であります。

Dsc02661 農鳥岳山頂 Dsc02687 広河内沢を見下ろす

 農鳥岳という山名ですが、春になって麓からこの山を見上げたとき、白鳥のような雪形が現れて、田植えなど農作業を始める目安となったことからだそうです。山頂には明治から大正期に生きた文人大町桂月の歌碑が残されています。「酒飲みて高嶺の峰で吐く息は、散りて下界の雨となるらむ」桂月が死の1年前、この山に登頂した折に詠んだ歌だそうですが、何とも風流ではありませんか。

Dsc02682 農鳥南面のお花畑 Dsc02680 ハクサンイチゲ

Dsc02640 キバナシャクナゲ

 さて、農鳥岳からは奈良田までひたすら下降となります。奈良田の標高は800m余りですから標高差は2千m以上あります。これは気張らねば。先ずは農鳥岳の岩峰を下って広河内岳との鞍部にある大門沢下降点への稜線歩きです。農鳥岳の南面は高山植物が賑やかです。ややペースを落として、花を楽しみつつ最後の稜線歩きを惜しみます。ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、チングルマ、イワカガミ・・・本当にこの山行を豊かに飾ってくれました。かみも天然児も知らない短き夏の密やかな恋人たち・・・思い出をありがとう。

Dsc02688 広河内岳への稜線に Dsc02695 下降点の道標があります。

 大門沢への下降点には黄色い立派な道標があります。昭和43年の厳冬期、雪山縦走をしていた青年が吹雪にあって大門沢への下降点を見失い稜線上で遭難死しました。彼の両親がそんな悲劇を繰り返さないよう願いを込めて、降下点に慰霊碑を兼ねた道標を立てました。道標に付けられた鐘を鳴らすと鐘の音が稜線を渡っていきました。(つづく)

2015年7月23日 (木)

山行 間ノ岳が姿見せるの~♪ 白峰三山縦走その5

 7月13日(月)4時半にご来光を・・・と、思いましたが、曇りときどき朝焼け。たまに赤く染まった北岳八本歯ノ頭が雲の切れ間に見えましたが、日の出は確認できませんでした。間ノ岳、農鳥岳への縦走路は朝焼けのモルゲンロードを期待してきたのですが、西側から物凄い風が吹き付けていて雲が次々とかかってきます。このまま広河原へ下ってしまおうかと心が揺らぎましたが、広河原に下っても奈良田行きのバスが14時半までないので、やはり1日かけて奈良田に下ることにしました。

Dsc02557 山上の朝 Dsc02569 雲海に浮かぶ芙蓉峰(手前櫛形山)

 そうと決まれば早いにこしたことはありません。朝食をいただいて5時半に北岳山荘を出発しました。先ずは間ノ岳への中継点である中白根山のピークを目指します。それにしても物凄い突風です。たちまち寒気に襲われたのでフリースとレインウェアを着込みました。ガスが立ち込める中、パラパラと歩く人がいますが、軽装で軽快に歩いていく人は間ノ岳までピストンでしょう。私は先が長いのでスロースターターです。

Dsc02572 北岳よまた会う日まで Dsc02584 高山植物の道

 中白根山はガスに覆われていましたが、その先でガスが晴れると展望が開けてきます。雲海の先には富士山が浮かんでいます。前日、北岳の山頂から望んだ山々は一通り望むことができましたが、晴天下に見る風景と違って、雲に浮かぶ山々は神の領域を思わせる霊験のようなものを感じさせてくれます。その中でも突然雲の中から出現した甲斐駒ケ岳の威容は特出です。

Dsc02610 朝から元気な?甲斐駒ケ岳 Dsc02581 仙人でも住んでそうな乗鞍

 天を突く北岳と対照的になだらかな間ノ岳の姿も近づいてきました。「日本百名山」で深田久弥氏は、白峰三山は「三山と一括して呼ぶにはあまりに規模が大きすぎる」と書いています。また、間ノ岳という山名には「屈従的」と否定的です。北岳と農鳥岳の間の山ってことですからね。間ノ岳は北岳よりも4m低く、奥穂高岳より1m低い標高3189mで、本邦第4位の高峰とされてきましたが、昨年国土地理院の改定によって1m高く修正されたので、奥穂高と並ぶ3190mとなったのであります。

Dsc02586 3位にランクアップした間ノ岳 Dsc02603 間ノ岳山頂(富士の前で寄添う二人に警告!)

 間ノ岳への尾根道は特に西側に露出すると物凄い突風です。飛ばされることはないと思うもののバランスを崩しての転倒や滑落の危険は大いにあります。間ノ岳の山頂も容赦ない風に人影はありません。中央の鞍部には雪田のように雪が残っていました。これは万年雪になるのかな?広い瓦礫の山頂なので北岳のようにその場で360度の展望を得ることはできませんが、山頂をチョコチョコ移動して東西南北の展望を楽しみました。

Dsc02607 農鳥岳と南ア南部 Dsc02609 雪原に浮かんだ北岳

Dsc02611 大きく富士山

 北方を見たときに、鳳凰三山地蔵岳のオベリスクの視線上、遥か彼方に浮かぶ三つの気になる峰がありました。これは只者じゃないと思って後日調べてみると、これが日光連山の奥白根山(日光白根山)、太郎山、男体山であることが判明しました。関東地方の北端、200km先の山々を望めるとはさすが1万尺です。

Dsc02613 手前鳳凰三山、中景左から御座山、小川山、金峰山、その向こうに・・・

Dsc02617 オベリスクの遥か彼方に日光連山(左から奥白根山、太郎山、男体山)
 さてさて、風が強いから先に進みましょう(つづく)

2015年7月21日 (火)

山行 ヘリは空を舞い鳥は地を歩く 白峰三山縦走その4

 大きな山体の間ノ岳を正面に見ながら北岳のお花畑を下っていくと二峰の鞍部に建つ北岳山荘が大きくなってきます。1日目の行程は北岳山荘泊なので随分時間を持て余してしまいそうです。夕食までのんびり稜線を散歩するのもいいですが、とりあえず朝が早かったから昼寝でもしようかな。

Dsc02476 今夜は北岳山荘で

Dsc02483 荷揚げ風景 Dsc02486 もう1回行ってきます。

 小屋を見下ろす岩の上まで来ると、トランシーバーを持った小屋の人からストップがかかりました。荷揚げのヘリが到着するのでしばらくここで待つようにとのこと。そういえば先程から黄色いヘリが頻繁に往来していたなぁ。話によると梅雨の間悪天候が続いてヘリが上がらなかったので、好天のこの機会を逃さず大量に物資を上げているのだとか。しばらくすると爆音を轟かせて例の黄色いヘリが飛んできました。着陸はせずに山荘上空でホバリングして、その間、宙吊りの物資を小屋の人が回収していました。回収が完了すると旋回してあっという間に北岳の向こうへ消えて行きました。迫力あるなぁ!

Dsc02510 北岳山頂へは小1時間の立地 Dsc02546 故黒川紀章氏の設計

 14時に北岳山荘にチェックイン。赤い屋根と黒い壁が特徴の北岳山荘は、改築時にかの故黒川紀章氏が設計を手がけたそうです。収容人数が150人の大きな山小屋ですが、既にどの部屋も満員に近くなっているそうです。日~月だからそうでもないと思ったのですが、皆同じことを考えるようです。とりあえず1人1枚の布団で寝られるということでホッとしました。

Dsc02543 寝床は確保

 何よりも昼寝とも思いましたが、よくよく考えたら山の夜は長いので、後でたっぷり寝ればいいと思って山荘の周囲をブラブラ散策することにしました。日中は晴れ渡った青空だったのが、夕方が近づくと雲が湧き出て、時折北岳も雲隠れ。山の天気ですね。

Dsc02529 あれ?! Dsc02521 雷鳥さんいらっしゃ~い

 しばらくブラついていると、前方のハイマツの中からひょっこり鳥が飛び出してきました。高山に生息する天然記念物の雷鳥です。しばらく周囲をキョロキョロしたり、ハイマツ周辺の高山植物を突っついたりしていましたが、後から歩いてきた若者に追われて再びハイマツの向こうへ消えて行きました。この若者に尋ねたところ、信州大学で雷鳥を研究する有名な先生の助手だそうで、先生と共に北岳周辺の雷鳥の保護活動を行っているとのことでした。

 ちょうど夕方になるので、雷鳥の親子を仮設の小屋に追い込んでいたそうですが、雛鳥は早々に小屋に入ったものの警戒心の強いお母さんがなかなか入らず、ハイマツの向こうとこっちを数十回も往復していました。いやぁ、気の長い作業です。ずっと眺めていると体が冷えてきました。そろそろご飯だ♪

Dsc02544 サバだ♪

 夕食はサバ煮定食でした。1万尺の高所で海の幸を食せるとは何とも驚きであります。明日は間ノ岳、農鳥岳と縦走して奈良田まで下降するロングトレイルです。今夜は早く寝ましょう。消灯時間より早く19時に就寝(つづく)

2015年7月19日 (日)

山行 一万尺の稜線は当に花道 白峰三山縦走その3

 北岳は言わずと知れた本邦第二の高峰であって南アルプスの盟主なのですが、南アルプスには三千メートルを超す山がヤッホー(8峰。北から仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、荒川三山、赤石岳、聖岳)もあって、それ以外にも甲斐駒ケ岳や鳳凰三山のような個性ある山々の中にあっては、富士山の様に目立つ存在ではありません。しかし、南に位置する間ノ岳のカールに端を発する野呂川が時計回りに北岳を巻いて流れているため、周囲の山からは野呂川の渓谷を挟んで対岸にそびえ立つ北岳の崇高な勇姿を望むことができます。

Dsc02336 稜線を北岳へ

 右俣から稜線に出ると北岳の山頂まで稜線を登山道が延びていて爽快です。でもこの頃は疲労に暑さも加わってバテバテ状態。でもよくよく考えたら、このままのペースで行けば宿泊する北岳山荘にはお昼過ぎに着いてしまいますから焦ることはないんです。ならば開き直って、山やら花やらを写真に収めながらゆっくり歩くことにしました。

Dsc02340 南アの女王様仙丈ヶ岳

 この稜線区間でいつも右手に存在感を示しているのが、野呂川の谷間を挟んで大きく裾を広げている仙丈ヶ岳です。大仙丈と小仙丈二つのカールを抱いたその優雅な姿は南アルプスの女王と称されています。女王様の前にひざまずいて(?)高山植物をパチリ。実に絵になる♪ついでに踵で踏まれたい(笑)

Dsc02380 肩ノ小屋にて

 北岳肩ノ小屋に到達しました。ここまで来ると山頂は目の前です。驚いたのは水の豊富なこと。雪渓のすぐ上に位置しているのでポンプで雪解け水を汲み上げているのでしょう。飲み物が雪でキンキンに冷やされていて高くても飲みたくなりますね。稜線で会った人の話では、小屋にはNHKの取材班が逗留していてヤマケイの編集長やタレントさんもいるとか。タレントさん?・・・シャアか!?・・・もとい釈さんか!?ちょっとトキメいてしまいました。

Dsc02381 白はハクサンイチゲ、黄はキタダケキンポウゲ、紺はオヤマノエンドウ、紫はタカネシオガマ

Dsc02337 タカネツメクサ Dsc02339 イワベンケイ Dsc02385 タカネシオガマ

Dsc02395 ミヤマオダマキ Dsc02465 ハクサンイチゲ

 小屋から先の登頂部も岩峰を賑やかに花々が飾っていましたよ♪ハクサンイチゲ、イワベンケイ、ミヤマオダマキ、タカネツメクサ、タカネシオガマ、オヤマノエンドウ・・・北岳は花の名山としても有名なのですが、当に1年で今がピークなんですね。幸せだなぁ~♪でもこの山で最も有名な固有種キタダケソウは、雪解けとともに咲く花だそうで既に終わっていました。何れお目にかかることもありましょう。次回のお楽しみってのもないとね。

Dsc02356 岩峰に遊ぶイワヒバリ

 バットレス上部の切り立った岩場を眺めていると、時折サーッ、サーッとツバメが風を切って飛んでいきます。腰を下ろした岩の上ではイワヒバリたちが遊んでいます。いつの時代も人は鳥の持つ翼に憧れ、空を自由に舞うことを夢見てきました。遥か高空、青空にポツンとジェット機が見えました。確かに人類は空を往来することを実現してしまいましたが、岩峰を渡るツバメとあのジェットを比較したらまだまだ空は鳥たちの領域だということが実感されます。そこへ1匹のエゾハルゼミが上がってきました。羽やお腹が光に透けてとっても美しい。広河原周辺では鳴き声を聞きましたが、こんな高いところまで飛んでくることがあるんだなぁ。あの命短き虫だって「北岳なんてひとっ飛び」と私を見下ろしていらぁ・・・

Dsc02414 やりました。

 広河原から5時間半ほどかけてお昼過ぎに北岳の山頂に到着しました。山頂には5、6人ほどの人が展望を楽しんでいました。梅雨の晴れ間、絶好の登山日和となった土日ですから、前日の土曜日から多くのハイカーがこの頂きを踏んだことでしょう。でも日曜日は皆さん早々に下山してしまうんでしょうね。晴天にも恵まれて山頂からは360度の大展望でした。

Dsc02429 甲斐駒ケ岳(右)と鋸岳 Dsc02423 オベリスク

Dsc02440 間ノ岳への稜線 Dsc02416 君キミ、荒井だよ。

 前述のとおり野呂川の渓谷を挟んで西に女王様(仙丈ヶ岳)、北に花崗岩の白い岩峰。南アルプス一の個性派役者甲斐駒ケ岳。東には同じく花崗岩の白い稜線鳳凰三山。特に地蔵岳のオベリスクを下に見るのは感動的です。更に今まで北岳のピークが遮っていた南には仙丈ヶ岳へ連なる日本最高で最長の稜線が続いています。何と雄大なことでしょう。間ノ岳の左手に「おいおい!俺様のことも忘れちゃ困るぞ」と雲の上に突き出て存在感を示しているのが富士の高嶺です。

Dsc02418 中央ア千畳敷カール Dsc02427 北ア槍穂

 四方を囲む山々の更にその先には遠くの山が見えていました。その中で西側、女王様の後方には中央アルプス、乗鞍岳、北アルプス穂高連峰が並んでいました。それらを眺めながら腰を下ろしておにぎりをパクリ。おにぎりと展望をお腹いっぱい楽しんだ後は、眼下の北岳山荘にゆっくり下るだけです。山上のゆったりと流れる時間。お泊り山行ってやっぱり素晴らしいなぁ♪(つづく)

2015年7月17日 (金)

山行 花のオジさんバテバテ 白峰三山縦走その2

 広河原山荘を出発。先ずは大樺沢を詰めていきます。南アルプスらしい鬱蒼とした樹林を歩いて行くと、梅雨時らしく右から左から水量豊富な沢が落ちてきます。広河原から北沢峠へバスを乗り継ぐ人が多いものの、天下の北岳ですから向かう人も多く、早くも前日組は下って来ています。登山道沿いにはミヤマグンナイフウロ、ミヤマハナシノブ、ハクサンフウロ、クルマユリ、オトギリソウなど色とりどりの花々が咲いていました。

Dsc02224 広河原山荘

Dsc02253 ミヤマグンナイフウロ Dsc02245 ミヤマハナシノブ Dsc02251 ハクサンフウロ

Dsc02241_2 クルマユリ Dsc02233 オトギリソウ
 広河原から1時間半で大樺沢雪渓の下に到達しました。遥か上方、北岳の左肩まで雪渓は上っています。雪の割れ目から轟々と雪解け水が流れていました。この真夏に雪渓は爽やかですが、雪の上を落石が転がってくることが多いので迂闊に近づかないほうが良いでしょう。

Dsc02262 大樺沢の雪渓(右にバットレス)

 雪渓を見ながら間もなく大樺沢二俣の分岐点。正面には堂々としたバットレスの岩峰。それを挟んで、左俣ルートは雪渓を登り詰めて八本歯のコル経由で北岳山頂へ通じます。右俣ルートはお花畑、肩ノ小屋を経由して北岳山頂へ通じています。雪渓方面に踏み出す人が多いようです。北岳ピストンならば雪渓を上ってお花畑を下りますが、今回は片道なので右俣のお花畑ルートを進みます。

Dsc02278 倒木ではありません。

 二俣から右俣ルートは標高差600mの急登をジグザグと登りつめていきます。晴天下で気温が上がったこの日は、たちまちバテバテ状況に陥って、小まめに休憩を取りつつ登っていきます。この辺りダケカンバは斜面に沿って真横、あるいはやや下方に伸びていますが、雪の影響なのでしょう。

Dsc02316_2 右俣のお花畑 Dsc02323 鳳凰三山を借景

Dsc02309 主役はシナノキンバイ Dsc02329 キバナシャクナゲ(白が強い固有種?)

 ダケカンバ樹林を抜けると見事なお花畑に出ました。圧倒的なのはシナノキンバイの黄色ですが、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、キバナシャクナゲ、イワカガミなどの個性豊かな花々が咲いていました。花の子はルンルン行っちゃいますが、花のオジさんはバテバテです。ふと振り返れば、鳳凰三山、特に地蔵岳のオベリスクが目立っていました。

Dsc02331 稜線に到達

Dsc02332 ますらおぶり甲斐駒ケ岳 Dsc02334 たおやめぶり仙丈ヶ岳

 急登を登り詰めると小太郎山への分岐点。この辺りからハイマツと花のモザイクの稜線歩きになります。行く手には肩ノ小屋、更に北岳の山頂も望めるようになってきました。北岳もさる事ながら、展望は一気に開けて、正面に甲斐駒ケ岳、鋸岳、仙丈ヶ岳が並んでいました。広河原から北沢峠へ乗り継いだ人たちはあの頂きを目指していることでしょう。(つづく)

2015年7月15日 (水)

山行 北岳にキターーー! 白峰三山縦走その1

 今年も誕生日が近づいてきましたが、またひとつ年を取ることへの抵抗感なのか、この時期高嶺にチャレンジするのが恒例になりつつあります。一昨年は鳳凰三山日帰り縦走。(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-c01c.html)昨年は甲斐駒ケ岳黒戸尾根を日帰り。(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-df38.html)今年も中年おじさんの山への挑戦は続きます。

Dsc01477 塔ノ岳からの白峰三山(左手、雪の濃い3峰)

 今年は、富士山に次ぐ本邦第2位の高嶺であって、南アルプスの盟主北岳(3193m)をロックオン!そこから南に連なる標高第3位の間ノ岳(3190m)、更に南の農鳥岳(3026m)の三つの頂きは白峰三山と呼ばれて、日本アルプスを代表する1万尺の稜線縦走路です。憧れの白峰三山縦走は、昨年の9月に実現させるつもりでしたが、風邪をひいたまま見送られていました。7月11日(土)、梅雨の長雨が突然好転しました。今こそ好機到来!月曜日休暇を取って2泊3日の山行です。

 が、なかなか思うようにいかないのが我が家の事情。お泊り山行には当然かみからクレームが入りました。仕方なく土曜日はご機嫌とりで港北のIKEAに。人の多いショッピングセンターにいるだけで疲れ果ててしまいました。1泊2日での白峰三山縦走は強行軍になりそうですが、今を逃したら天然児の夏休みに突入してしまいます。そうなれば完全に自由は失われてしまうのです。行くっきゃない!

Dsc02207 満々と水をたたえる奈良田湖

 7月12日(日)2時に二宮を出発して、御殿場~富士五湖~下部を経由して山梨県早川町奈良田に向かいます。道中、富士山を見上げると夏山登山の明かりが点々と吉田口の登山道を示していました。何か自然の山というよりはナイト営業のスキー場みたい。明け方の南アルプス街道ではシカの姿が多く見られました。奈良田には4時30分に到着。奈良田から登山口の広河原まではマイカー規制が行われているので、ここからバスに乗り換えます。

Dsc02211 奈良田の駐車場

 南アルプス林道のマイカー規制は、この奈良田と反対側の南アルプス市芦安に駐車場が設けられて、登山口の広河原までバスで入ることになりますが、中央道からのアクセスが良い芦安にハイカーが集中するので、奈良田はややマイナー感があります。数百台規模の広い砂利の駐車場には車が50台ほど。前日から入山している人もいるでしょうからガラガラです。東海圏、神奈川県内のナンバーが多いようです。あまり遠い人は車中泊をしたんでしょうね。

Dsc02213 2台目♪

 始発バスの時間が迫ると徐々にハイカーがバス停に集まって、30人ほどが並びました。5時40分に始発の小型バスがやってきましたが、既に下の駐車場から10人程が乗っていたので全員は乗り切れないようです。広河原までバスで40分ほど道中なので、立ち乗りは少し不安になりましたが、すぐに増発のバスがもう1台来てくれたので楽々乗車になりました。

 早川渓谷の更に上流の野呂川は、南の北岳と北の鳳凰三山に挟まれた狭隘で深く切れ落ちた渓谷です。林道は渓谷の中腹につけられているのでかなりの高度感です。対岸の斜面には芦安方面からの林道が走っていますが、手を伸ばせば届きそうな感じです。同時に芦安から出たバスが谷を挟んで併走していました。「運転手さん。早く早く!」なんてね。

 実はこの林道、マイカー規制が導入される以前に自分の運転で走ったことがあります。今でこそ全面舗装路なのですが、20年前の当時はガタガタの未舗装路。自分は4駆でしたが普通車では無傷での走行はありえません。道幅は狭く片や山の斜面、片や断崖で逃げ場はなく、対向車との離合になったら大変なことです。真っ暗なトンネルは池のように水が溜まっていたかと思えば滝のシャワーを浴びて走る場面もあって、遊園地のアトラクションも真っ青のスリルドライブでした。

Dsc02218 北沢峠方面に向かう人

 奈良田から40分で広河原に到着。ちょうど芦安方面からのバスも着いて、ビジターセンター前はかなりのごったがい様。ここでバスの乗り換えて、更に仙丈ヶ岳や甲斐駒ケ岳の玄関口である北沢峠に向かうハイカーが多いようでした。

Dsc02222 吊り橋の行く手には・・・ Dsc02220 北岳バットレス

 さて、北岳へのルートは野呂川に架かる吊り橋を渡ります。吊り橋を渡っていると、正面に堂々とした北岳のバットレスと呼ばれる絶壁とそこから落ちる大樺沢には雪渓が見えました。胸高まる瞬間です。(つづく)

2015年7月14日 (火)

雨夜のお出迎え

 梅雨時期、仕事にしても飲んで帰っても夜道を濡れて帰るのは辛いものです。サザエさんやトトロに見るような妻や子供が傘を持って駅まで迎えに来てくれる光景はもはや過去のもの。いやいやいや、何をおっしゃる。今は車社会ですよ。・・・でも、駅前に並ぶ車の縦列の中に我が家の車はなし。

 そんなある晩のこと。ヒタヒタと雨の夜道を歩いて帰ると、なんと雨の中、家の外で待っていてくれたんですよ。

Dsc02205 ガマちゃんが

 門灯に集まる小さな虫を捕食するため山から下りてきたんでしょうけど、逃げもせず構えた姿は自分の帰りを待っていてくれたようで、何ともいえない嬉しさがこみ上げてきました。話がこれで終わってくれれば良かったのですが・・・

 その数日後、やはり雨の中を帰宅すると、我が家の前の路上にペッタンコになったガマちゃんの姿が。「あいつじゃない。色も違うし」と心でつぶやきながら家に入る私に対して、「外のあれ見た?あいつ轢かれてたでしょ。」残酷なまでに現実に向き合える女の強さを実感しました。

2015年7月 9日 (木)

蓮の開花が進んでいます。

 昼の腹ごなしの散歩コースである上野不忍池。この時期は一面蓮の葉に覆われて見事なものです。水底に堆積したヘドロが蓮にとっては格好の温床になっているんですね。

150708_124308_2 不忍池の蓮 

 お釈迦様は蓮の花の上に座っていますが、蓮は濁った水の中にあってこそ大輪の花を咲かせます。濁った泥水を人生の苦難に例えて、苦難を乗り越えてこそ花を咲かせる。即ち悟りを開くことができるということです。 

150708_124109 チラホラ咲き始めました。 150708_124409

 青々と生い茂る蓮の葉の中にピンクの花がチラホラ咲き始めました。梅雨が明けて夏の暑さが本番ともなれば、不忍池はピンク大輪が咲き誇るお花畑に変わります。

2015年7月 7日 (火)

今年も折り返しました。

 平成27年も早半分が過ぎてしまいました。早いものですね。6月下旬には各地の神社で茅の輪くぐりの神事が行われていました。これは神社本殿の正面に設けられた茅の輪をくぐって参拝することで、今年前半期の罪や穢れが祓われて暑い夏を無事に過ごせるというものです。

150623_125406 湯島天神宮の茅の輪

 さて、茅の輪もただくぐれば良いというものではなく、本殿を正面に左回り、右回り、左回りと八の字を描くようにくぐり抜けて、最後は本殿に進み出て参拝するという流れがあります。

 古式の神事にあやかって心からリフレッシュ。いよいよ夏本番です♪

2015年7月 5日 (日)

山行 丹沢の小動物たち 丹沢主脈周回その5

 今回の丹沢山行ではシカ以外にも小さな鳥獣、昆虫たちと出会うことができましたので、写真に収めたものだけご紹介しましょう。

Dsc02019 ホ~ホケッキョ
 立ち枯れた樹木の枝で鳴くのはウグイスです。平地でも鳴き声は聞こえますが、高原や稜線で聞く鳴き声は山旅を味わい深いものにしてくれます。独特の鳴き声で聞き分けることは簡単ですが、藪の中で鳴くことが多いので姿を見ることは余りないのではないでしょうか。昔から和歌に詠まれたり鑑賞目的で飼育された身近な鳥で、糞を洗顔料として使用していたこともあるそうです。

Dsc01975 アオハムシダマシ?

 コガネムシ、カミキリ、カメムシなど原色や蛍光色の美しい羽根を持つ昆虫は自然の中で生まれた芸術品ともいえますが、これらの昆虫は木の幹や葉を食い荒らす害虫であることが多いですね。まあ害虫とは人間の生活を基準に呼ぶから害虫で、自然の中では普通の昆虫なんです。

Dsc02017 日向ぼっこのニホントカゲ
 木道やら岩の上で日光浴している姿をよく見かけるのがニホントカゲです。ツヤツヤしたウロコに覆われていていかにも爬虫類!って感じですが、気候によって体温が上下する変温動物である彼らにとって、夏でも朝晩の冷え込みが著しい山上では日光浴は欠かせないことでしょうね。

Dsc02089_2 コブヤハズカミキリ
 自然界では擬態して姿を周囲の風景に溶け込ませて天敵から身を守る生き物がいます。この小さなカミキリムシも木道の上にひょっこり出現したタイミングで見つけることができましたが、落ち葉や木の幹の上では発見することはかなわなかったことでしょう。弱者がゆえの見事な進化と言えるでしょう。私も社会の弱者として見習いたいものです。

Dsc01999 高地に生きるヒメオオクワガタ
 子供の頃、カブトムシやクワガタというものは山が深ければ深いほど沢山いるものだと思っていましたが、山の中でこれらの昆虫に出会うことはほとんどありません。カブトムシやクワガタは人里近くの丘陵地や里山に多い昆虫です。クワガタの中には高地に生息する種がまれにいるのですが、丹沢の稜線で見かけることはほとんどありません。

Dsc02111 草むらから生まれたようなタゴガエル Dsc02132 朽木からひょっこりヤマカガシ
 旅先で友人や近所の人に出会ったり、休日に出先で職場の人に出会うなど偶然の出会いってものがありますが、山の中でも何気なく手を置いたときに違和感があったり、木や石の穴を覗き込んだときににらめっこしたりと、偶発的な動物との接触というものがあります。こっちも驚いたり感動が大きいのですが、それは相手も同じこと。その表情はどんなものでも可愛らしいものです。

Dsc02061_2 ビンズイ

 魚や昆虫など昔から興味の対象だった生物の名前はよく覚えているものですが、樹木や鳥の名前は全く無知なものです。でも山へ行く機会が多くなると、山を彩る花や紅葉、遠くから聞こえてくる不思議な鳥の鳴き声の正体を知ることは、山旅を更に豊かなものに変えていくでしょう。

Dsc02048_2 ミヤマハンミョウ

 陽炎の立つ夏の田舎道を朦朧として歩いていると、いつしか青緑に輝く美しい虫が自分の行く手に降り立って、自分の行く手、行く手へとチョンチョン飛んでいくことがあります。これを「ハンミョウの道案内」というそうです。我が家の猫の額にもヒメハンミョウなる小さいのがいて、お節介にも道案内をしてくれます。丹沢の稜線ではミヤマハンミョウが道案内を買って出てくれました。

 これからもマメに写真に収めて皆さんにご紹介していきたいと思います。植物や昆虫は写真に撮っても決して採ってはダメですよ!

2015年7月 3日 (金)

山行 臼ヶ岳南稜から雨山峠越えで敗走 丹沢主脈周回その4

 静かな蛭ヶ岳の山頂に後髪を引かれつつも主稜線に踏み入ります。正面に檜洞丸が見えています。スタートが大倉だったら、このまま主稜線を歩いて檜洞丸を越え西丹沢自然教室に下山する丹沢主稜縦走ルートにして、渋沢駅からバスで車を取りに帰れたのですが、車を表丹沢県民の森に置いてあるので、臼ヶ岳からユーシンに下って、更に雨山峠経由で鍋割山に登り返して県民に森に戻るルートです。

Dsc02106 玄倉川源流の熊木沢を見下ろす

 主脈の爽快な尾根歩きとは変わって、主稜線のルートは静かな樹林歩きとなります。先ずは蛭ヶ岳山頂から一気に三百メートルほどの降下です。一部鎖場なんかもあって慎重に通過したいところです。左手には玄倉川源流部の熊木沢が見下ろせますが、蛭ヶ岳の山腹まで堰堤が何段も設けられています。姉川の合戦の信長の十二段構えを彷彿とさせますが、そこまでするかねぇ・・・

Dsc02109 ヤマボウシがよく咲いていました。

 蛭ヶ岳まではパラパラいたハイカーもいなくなりましたが、鞍部から臼ヶ岳への登り返すときに単独行の高年ハイカーが対向してきました。「今日は山荘(蛭ヶ岳)までですか?」と尋ねると、なんと大倉まで下るとのこと。これから蛭ヶ岳まで1時間上って、それから大倉まで5時間としたら下山は日没後になるでしょう。お元気だ。

Dsc02125 ブナに囲まれた臼ヶ岳山頂

 ブナの豊かな臼ヶ岳(1460m)で一休み。天に突き上げる蛭ヶ岳の勇姿が大きい。当に丹沢盟主の貫禄だ。雨が緑を色濃くして時折のぞく青空とのコントラストが夏山を感じさせてくれます。主稜ルートは臼ヶ岳から西に折れますが、前述のとおり南に進んで臼ヶ岳の南稜をユーシンまで下ります。このルートは道標の表示はありませんが、踏み跡があってテーピングも確認できるので大丈夫でしょう。

Dsc02124 蛭ヶ岳は夏山の様相

 と油断していると、左右に分岐する尾根上で迷ってしまいました。何とか目を凝らしてテープを発見して事なきを得ましたが、こんな丹沢の最深部で沢に落ちたら大変なことになるでしょう。尾根上を細々と進む南稜のルートは、歩く人も少ないのでしょう獣糞が実に多い。シカやテンの糞はすぐに見分けがつきますが、その他カモシカやアナグマのものらしき大きな糞が見られました。そろそろ糞の主の登場と願いたいものですが、姿を見せてくれたのはシカさんくらいでしたね。

Dsc02138 山奥いブナ林は動物たちの集会所?

 南稜降下中、尾根が広くなってブナの巨木が広がる実に素敵な場所がありました。こんな場所で一夜をすごしてみたいものです。月夜の晩にシカさんほか山の仲間が集まってドンチャン騒ぎをするのでしょうか。思わずそんな想像をしてしまう場所でした。遠くからシカの群れが突然の闖入者を監視していました。「早く立ち去れ」と言わんばかりの視線が辛かったですね。自然の中では人間は所詮よそ者扱いです。このまま動物サイドに立って丹沢の王者を名乗ろうか・・・「もののけ姫」ならぬ「もののけオヤジ」は猟友会の駆除対象になるでしょうね。

Dsc02140 ユーシン(幽深)

 かなり疲労も溜まってヒーコラいいながらユーシンロッジの前に出てきました。時間は既に16時。夏至の時期とはいえ夕方の雰囲気です。ここから玄倉林道を歩いて玄倉からバスで帰りたいとも思いましたが、やはり山向こうに停めてある車の存在が枷になります。しんどいけれど、雨山橋から雨山峠に歩き出しました。人気のない山中を敗走する人間に自然は非情なものです。気がつけば汗の臭いに寄せられたブヨの大群が私の周囲を飛び回っているではありませんか。慌てて足早にあるいて振り返ると何十匹ものブヨが追いすがってきます。笛を吹いてネズミを引き連れていったドイツの昔話のようです。ギャァ~~~~~~!

Dsc02143 雨山沢の羨道 Dsc02144 イワタバコ

 雨山沢沿いの羨道を遡行していくと、不思議とブヨは少なくなっていきました。標高が高くなっているからかな?彼らが生息する谷川から離れたからかな?沢の側壁には、このひと月ほど我が家を和ませてくれたイワタバコが咲いていましたが、鉢植えに比べて花はささやかです。

Dsc02155 雨山峠からの下り

 雨山峠(950m)で最後の休憩。ここから鍋割山を越えて県民の森に下山するか、寄沢沿いに下って稲郷から林道を歩いて県民の森に戻るか・・・迷った末に後者を歩くことにしました。選択した寄から雨山峠へのルートは、寄沢の渡渉あり、木のトンネルあり、沢歩きありの変化に富んだ楽しいルートですが、今はそんなことはどうでもいい状態です。一心不乱に寄大橋を目指していきました。惨めなものです。

Dsc02165 寄大橋に下山。でも・・・

 夕闇迫る頃、水源林の森の入口にある寄大橋に下山してきました。でもここからがもうひと頑張りです。稲郷集落から三廻部林道を歩き鍋割山の南稜を越えて県民の森まで歩くことになります。その距離6km以上。ヒデブー!

Dsc02166 ヒデブッ!

 ヘッデンを点灯して暗くなった林道を足早に歩いていきます。人口の林道も夜になればダークサイドならぬ動物の生活道です。おまけに標高が低いのでイノシシやクマなど危険な動物と遭遇する可能性が高くなっています。動物の気配に怯えながらヘッデンの明かりをチラつかせ、手拍子をしたり、ときには大声を出したりと警戒態勢で夜道を進みます。

 バサバサバサ!すわ!遂にクマが襲ってきたか?!ピーヨと警戒声をあげて道を横切っていったのはシカの群れでした。確かに私の行動は異常であります。更に斜面の上にこちらを窺うようにうごめく黒い塊がありましたが、これには知らぬ存ぜぬふりをして振り向きざまにカメラのフラッシュ攻撃を浴びせました。その後は振り向かず小走りで退散です。

Dsc02169 たくさんの灯が懐かしいのは~あのどれかひとつに君がいるから~♪

 秦野の夜景が見える頃、やっとこさ県民の森に到着。安心するのも束の間、「熊出没注意」の看板にビビリ。すぐにエンジンをかけてダークサイドを牽制します。いやぁ、夜間の単独行ってホント怖いですね。それではまた来週お会いしましょう。

★コースタイム:11時間40分(休憩含む)

表丹沢県民の森8:00→9:55小丸尾根上→10:30塔ノ岳10:40→→11:40丹沢山→12:25不動ノ峰→13:15蛭ヶ岳

蛭ヶ岳13:35→14:30臼ヶ岳14:40→16:00ユーシンロッジ→16:55雨山峠17:00→18:30寄大橋→19:40県民の森

2015年7月 1日 (水)

山行 蛭ヶ岳に眠る米魂 丹沢主脈周回その3

 蛭ヶ岳の山頂(1673m)に到達しました。鬼ヶ岩から見たときにはかかっていた雲も晴れて周囲の山々を見渡せました。山荘前から振り返れば、不動ノ峰、丹沢山、塔ノ岳と歩いてきた丹沢主脈の縦走路が見渡せました。蛭ヶ岳は遠いよなぁ。前述の紳士が言ったように山頂は自分ひとりで鳥のさえずりだけが聞こえていました。しばし静けさを楽しみます。

Dsc02096 久しぶりに来たなぁ

Dsc02094 丹沢三峰 Dsc02098 縦走路を振り返る

 ベンチに腰を下ろして、おにぎりを食べながら西側の展望を楽しみます。丹沢の主稜線は、ここ蛭ヶ岳から臼ヶ岳、神ノ川乗越を経て檜洞丸に延びていきます。神ノ川源流部を挟んで対峙する檜洞丸は、左手に同角ノ頭、右手に熊笹ノ峰を従えてなかなかの布陣です。その背後には西丹沢の山並みが連なりますが、富士山は厚い雲の中で見えません。

Dsc02100 檜洞ファミリー参上 Dsc02103 わかりますか?山中湖

 おやおや、よく見れば檜洞丸の左奥に白く光る湖面が見えているではありませんか。地図で確認すると、確かに蛭ヶ岳から西に檜洞丸、畦ケ丸、菰釣山と並ぶ丹沢の山並みの先には山中湖があります。いつかはのんびりと丹沢を横断して山中湖まで歩いていきたいものです。

Dsc02095 ひっそり立つ慰霊碑

 今回、蛭ヶ岳に来て見ておきたかったのが、山荘裏手の草むらにひっそりと立つ小さな慰霊碑です。何の慰霊碑かと申しますと、昭和25年4月21日に発生した米軍機の墜落事故で亡くなった乗員のものです。

 その日、沖縄から立川の米軍基地に向かっていた米軍の輸送機が消息を絶って、翌々日蛭ヶ岳南面の原生林に墜落しているのが発見されました。登山道が整備されていなかった時代の蛭ヶ岳ですから、人跡未踏のこの山を目指して宮ケ瀬、玄倉、表尾根と各方面から日米合わせて1千人もの捜索隊が悪戦苦闘したそうです。残念ながら乗員と兵士35人全員が死亡した痛ましい丹沢史上に残る大事故として記録されていますが、山麓に航空基地を擁する丹沢には戦中、戦後を通じて多くの軍用機が墜落したそうです。

 慰霊碑はこの事故で亡くなった事故機の操縦士の子息が蛭ヶ岳山荘の協力で平成18年に立てたものだそうです。丹沢昔話のひとつですね。(つづく)

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