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2015年7月 3日 (金)

山行 臼ヶ岳南稜から雨山峠越えで敗走 丹沢主脈周回その4

 静かな蛭ヶ岳の山頂に後髪を引かれつつも主稜線に踏み入ります。正面に檜洞丸が見えています。スタートが大倉だったら、このまま主稜線を歩いて檜洞丸を越え西丹沢自然教室に下山する丹沢主稜縦走ルートにして、渋沢駅からバスで車を取りに帰れたのですが、車を表丹沢県民の森に置いてあるので、臼ヶ岳からユーシンに下って、更に雨山峠経由で鍋割山に登り返して県民に森に戻るルートです。

Dsc02106 玄倉川源流の熊木沢を見下ろす

 主脈の爽快な尾根歩きとは変わって、主稜線のルートは静かな樹林歩きとなります。先ずは蛭ヶ岳山頂から一気に三百メートルほどの降下です。一部鎖場なんかもあって慎重に通過したいところです。左手には玄倉川源流部の熊木沢が見下ろせますが、蛭ヶ岳の山腹まで堰堤が何段も設けられています。姉川の合戦の信長の十二段構えを彷彿とさせますが、そこまでするかねぇ・・・

Dsc02109 ヤマボウシがよく咲いていました。

 蛭ヶ岳まではパラパラいたハイカーもいなくなりましたが、鞍部から臼ヶ岳への登り返すときに単独行の高年ハイカーが対向してきました。「今日は山荘(蛭ヶ岳)までですか?」と尋ねると、なんと大倉まで下るとのこと。これから蛭ヶ岳まで1時間上って、それから大倉まで5時間としたら下山は日没後になるでしょう。お元気だ。

Dsc02125 ブナに囲まれた臼ヶ岳山頂

 ブナの豊かな臼ヶ岳(1460m)で一休み。天に突き上げる蛭ヶ岳の勇姿が大きい。当に丹沢盟主の貫禄だ。雨が緑を色濃くして時折のぞく青空とのコントラストが夏山を感じさせてくれます。主稜ルートは臼ヶ岳から西に折れますが、前述のとおり南に進んで臼ヶ岳の南稜をユーシンまで下ります。このルートは道標の表示はありませんが、踏み跡があってテーピングも確認できるので大丈夫でしょう。

Dsc02124 蛭ヶ岳は夏山の様相

 と油断していると、左右に分岐する尾根上で迷ってしまいました。何とか目を凝らしてテープを発見して事なきを得ましたが、こんな丹沢の最深部で沢に落ちたら大変なことになるでしょう。尾根上を細々と進む南稜のルートは、歩く人も少ないのでしょう獣糞が実に多い。シカやテンの糞はすぐに見分けがつきますが、その他カモシカやアナグマのものらしき大きな糞が見られました。そろそろ糞の主の登場と願いたいものですが、姿を見せてくれたのはシカさんくらいでしたね。

Dsc02138 山奥いブナ林は動物たちの集会所?

 南稜降下中、尾根が広くなってブナの巨木が広がる実に素敵な場所がありました。こんな場所で一夜をすごしてみたいものです。月夜の晩にシカさんほか山の仲間が集まってドンチャン騒ぎをするのでしょうか。思わずそんな想像をしてしまう場所でした。遠くからシカの群れが突然の闖入者を監視していました。「早く立ち去れ」と言わんばかりの視線が辛かったですね。自然の中では人間は所詮よそ者扱いです。このまま動物サイドに立って丹沢の王者を名乗ろうか・・・「もののけ姫」ならぬ「もののけオヤジ」は猟友会の駆除対象になるでしょうね。

Dsc02140 ユーシン(幽深)

 かなり疲労も溜まってヒーコラいいながらユーシンロッジの前に出てきました。時間は既に16時。夏至の時期とはいえ夕方の雰囲気です。ここから玄倉林道を歩いて玄倉からバスで帰りたいとも思いましたが、やはり山向こうに停めてある車の存在が枷になります。しんどいけれど、雨山橋から雨山峠に歩き出しました。人気のない山中を敗走する人間に自然は非情なものです。気がつけば汗の臭いに寄せられたブヨの大群が私の周囲を飛び回っているではありませんか。慌てて足早にあるいて振り返ると何十匹ものブヨが追いすがってきます。笛を吹いてネズミを引き連れていったドイツの昔話のようです。ギャァ~~~~~~!

Dsc02143 雨山沢の羨道 Dsc02144 イワタバコ

 雨山沢沿いの羨道を遡行していくと、不思議とブヨは少なくなっていきました。標高が高くなっているからかな?彼らが生息する谷川から離れたからかな?沢の側壁には、このひと月ほど我が家を和ませてくれたイワタバコが咲いていましたが、鉢植えに比べて花はささやかです。

Dsc02155 雨山峠からの下り

 雨山峠(950m)で最後の休憩。ここから鍋割山を越えて県民の森に下山するか、寄沢沿いに下って稲郷から林道を歩いて県民の森に戻るか・・・迷った末に後者を歩くことにしました。選択した寄から雨山峠へのルートは、寄沢の渡渉あり、木のトンネルあり、沢歩きありの変化に富んだ楽しいルートですが、今はそんなことはどうでもいい状態です。一心不乱に寄大橋を目指していきました。惨めなものです。

Dsc02165 寄大橋に下山。でも・・・

 夕闇迫る頃、水源林の森の入口にある寄大橋に下山してきました。でもここからがもうひと頑張りです。稲郷集落から三廻部林道を歩き鍋割山の南稜を越えて県民の森まで歩くことになります。その距離6km以上。ヒデブー!

Dsc02166 ヒデブッ!

 ヘッデンを点灯して暗くなった林道を足早に歩いていきます。人口の林道も夜になればダークサイドならぬ動物の生活道です。おまけに標高が低いのでイノシシやクマなど危険な動物と遭遇する可能性が高くなっています。動物の気配に怯えながらヘッデンの明かりをチラつかせ、手拍子をしたり、ときには大声を出したりと警戒態勢で夜道を進みます。

 バサバサバサ!すわ!遂にクマが襲ってきたか?!ピーヨと警戒声をあげて道を横切っていったのはシカの群れでした。確かに私の行動は異常であります。更に斜面の上にこちらを窺うようにうごめく黒い塊がありましたが、これには知らぬ存ぜぬふりをして振り向きざまにカメラのフラッシュ攻撃を浴びせました。その後は振り向かず小走りで退散です。

Dsc02169 たくさんの灯が懐かしいのは~あのどれかひとつに君がいるから~♪

 秦野の夜景が見える頃、やっとこさ県民の森に到着。安心するのも束の間、「熊出没注意」の看板にビビリ。すぐにエンジンをかけてダークサイドを牽制します。いやぁ、夜間の単独行ってホント怖いですね。それではまた来週お会いしましょう。

★コースタイム:11時間40分(休憩含む)

表丹沢県民の森8:00→9:55小丸尾根上→10:30塔ノ岳10:40→→11:40丹沢山→12:25不動ノ峰→13:15蛭ヶ岳

蛭ヶ岳13:35→14:30臼ヶ岳14:40→16:00ユーシンロッジ→16:55雨山峠17:00→18:30寄大橋→19:40県民の森

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コメント

> 更に斜面の上にこちらを窺うようにうごめく黒い塊

コワヒ・・・。(^-^;
あのトンネルを彷彿させますな。

たぶんアナグマかタヌキかと。相手が動物ならまだいいけど、この世のものじゃなかったらたまらんね。

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