山行 アルプス九千尺蝶槍の上で… 蝶ヶ岳、常念岳縦走その2
蝶ヶ岳(2677m)山頂にある蝶ヶ岳ヒュッテ。大学生らしき若人のグループが出発の準備をしているようで賑やかだ。蝶が刻まれた可愛らしい山バッチを購入して山小屋を後にした。ちなみに蝶ヶ岳の山名は、春先に山麓からこの山を見上げた時に、山頂付近に認められる蝶の形をした雪形からきている。山小屋のすぐ先の小高い地点が瞑想の丘。蓮華座を組んでもいいですか。うむむむ・・・瞑想しても煩悩が次々と浮かんでくるばかり。ダミだこりゃあ~。
蝶ヶ岳山頂周辺は礫岩とハイマツが広がるなだらかな稜線で、北アルプスの高山を縦走しているというよりは高原を散策しているようだ。また、常念山脈は梓川を挟んで槍穂の稜線と並行しているため、槍ヶ岳から大キレット、北穂高、涸沢岳、奥穂高、前穂高にかけての槍・穂高連峰の核心部を一望できる最高の展望台である。蝶ヶ岳に至るまでに対向してきた下山者たちが皆満足気な笑顔を見せていたのも、朝の展望がよほど素晴らしかったのであろう。
しかし、今はどうだ。幸いこちらの稜線にかかっていた雲は晴れたものの、梓川の対岸は、屏風岩や涸沢辺りは認められるが、槍穂の稜線には雲がかかっているではないか。時折、雲間から奥穂高、北穂高などのピークが見え隠れしている。北穂高を写真に収めようとすれば雲隠れ。おっと、今度は奥穂高が見えている。と、モグラ叩き状態である。
時間は10時。この頃になると稜線を蝶ヶ岳方面に向かって来るグループは多い。前夜、常念小屋に泊まって常念岳から縦走してきたグループと、梓川の上流部、槍沢と涸沢が合流する横尾から稜線に登ってきたグループに分かれるようだ。特に大学生のグループが多い。皆爽やかな笑顔で挨拶を交わしてくれた。山にかける青春。学生年代はオタク街道まっしぐらの山笑。今思えばこうありたかった。
そうこうしていると、ややや、今度は山ガール3人編成がやって来たぞ。それもかなり若いなぁ~女子高生かな?こうなると黙っていられない山笑。どこから来たの?どこへ向かうの?と下界では不審者として警察にしょっ引かれるような発言も、山の上では心配ないさ~~~(この話を帰宅して家族に話したところ、変態扱いされて夕膳が冷たい空気になった)山ガール分隊を見送る山笑。しかし、妙に先に急がねばならない気がした。「かみの見えざる手」が耳を引っ張ったらしい。
横尾に下る分岐点を過ぎて、旧蝶ヶ岳山頂(2665m)と呼ばれる三等三角点のピークを越えていく。平成に入って間もない頃までは、この地点が蝶ヶ岳の山頂とされていたらしい。この旧山頂部を通過していたときに、槍ヶ岳方面の雲が一時的に取れて、槍の穂先がよく見えていた。とりあえず拝めて良かった。
この旧山頂を越えると、今までの稜線とは違う尖ったピークが出現する。これが蝶槍と呼ばれるピークである。本家本元の槍ヶ岳の周辺には、この蝶槍や涸沢槍など本家になぞらえた尖塔がいくつかある。実は槍ヶ岳への山行を諦めて蝶~常念の縦走に変更した訳がここにある。槍は槍でも蝶槍なのだ。これでいいのだ!
そして蝶槍のピークに立つ。アルプス九千尺 蝶槍の上で アルペン踊りをさあ踊りましょう♪アルペン踊りってなんだろう?まあ形式にはこだわらず・・・さあ皆さん。お手を拝借。パパンがパン パパンがパン 誰が殺したククロビン~ 誰が殺したくククロビン~♪槍の穂先でやりたかったククロビン音頭を蝶槍で実践。
鳴いてくれるなホシガラス。調子が乗ってきたところで次(常念岳)行ってみよー!(つづく)
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