山行 秋花に重なる女性像 道志・今倉山その1
バイクの往来が激しい道坂峠(×みちさか○どうざか)にやってきましたが、隧道の手前道志村側ではライダーがたまっていて、バイクが次々と登ってきてはターンして下って行きます。登山口は隧道を抜けた都留市側にあります。隧道を出た右手にちょうど良い駐車スペースがあるのですが、ここはバスの折り返し場なので停めたら迷惑になるでしょう。道の反対側の空き地?に軍馬を停めて出発です。
トンネルの上から北面の暗い斜面を登ると、すぐに旧道坂峠の鞍部です。ここから尾根伝いに北に向かうと今倉山。南西に向かうと道志山塊の最高峰御正体山に至ります。東側から朝日が眩しく差し込み、小鳥のさえずりや遠くからは鹿鳴が聞こえてくる朝の清々しい奥山の雰囲気なのですが、道志の谷間から甲高いバイクのエンジン音が響いてきて、せっかくの奥山感をぶち壊してくれます。そういえば道志を挟んで対面する西丹沢の甲相国境尾根を歩いた時もバイクの音がうるさかったなぁ。逃げるように山奥へ進んでいきます。
キタキタキタキタァ~日刊アルバイトニュース(古)
尾根道を北に向かって今倉山を目指します。丹沢の林相と違って、スギやヒノキはほとんどなく、代わりにカラマツが植林されています。もう少しすればカラマツの黄色い紅葉が見れることでしょう。自然林はミズナラが多く、ドングリが沢山落ちていました。幼いお子さん連れなら思う存分ドングリ拾いが楽しめるでしょう。今倉山への登山道は尾根をまっすぐ直登するガチ勝負。当に男坂といったところでしょうか。標高を上げるにつれて、後方に立つ御正体山の向こうから富士山が頭をもたげてきました。
道端や樹木の根元には多彩な秋の花々を見ることができました。深い青はヤマトリカブト、リンドウ、黄色はアキノキリンソウ、ヤクシソウ、白く可愛らしいのはオクモミジハグマとカシワバハグマ、リュウノウギク、尻尾のようなサラシナショウマなどです。春や夏に山野を飾る花々ほど人目を引くことはないのですが、控えめな美しさが(かつての)日本の女性らしさを想わせます。
登山口から40分ほどで小拾い今倉山(1470m)山頂に到達してしまいました。道坂峠の標高がほぼ1千mですから、こんなものでしょうか。山頂は木立に囲まれていて展望は開けません。道志随一の展望は、今倉山の山頂ではなく、ここから西に延びる尾根上にある赤岩というピークからの展望だそうです。山頂は写真だけ撮ってスルーします。
今倉山は双耳峰とまではいいませんが、東と西の二つのピークを有していて、最高峰とされているのは東峰の方です。西に延びる尾根道を歩いて、間もなく通過する西峰もやはり樹林に囲まれて展望がありません。「御座入山」の標示が置かれていましたが、今倉山がかつてはその名で呼ばれていたそうです。
カラマツやブナの大木が密生するやや暗い尾根道をアップダウンしていきますが、岩が露出する場所があって、ここからは富士山ほか西側の山並みが良く望めました。富士山の手前には道志山塊の親分格・御正体山が大きく座しています。富士山を背景に低山が手前に重なる、いわゆる「子抱き富士」の景色は色々と見てきましたが、御正体山のようなジャイアントベビーは初めてです。この場所が赤岩だと思いましたが、開けているのは西側だけ。確か赤岩は360度の大展望と書いてあったような・・・(つづく)
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