野鳥の楽園に癒される
お昼休みの散歩コース上野不忍池。この季節は恒例の枯れ蓮の除去と堆積物の浚渫(しゅんせつ)工事が行われています。冬の不忍池の周りを歩いていて驚くのが、非常に多種の野鳥を観察できることです。スズメやハト、カラスなど街中でおなじみの鳥たちの他に、ハクセキレイやシジュウカラ、カワセミなどの小鳥、コサギやアオサギなどサギの類、そしてカモ類や海鳥までが水面や日だまりで羽を休めています。
冬場に多いのがカモ類です。カモは渡り鳥なので、冬になると寒さの厳しい大陸から温暖な日本に渡ってきて越冬します。ヨチヨチ歩いたり水面をスイスイと可愛らしい姿のカモですが、見かけによらず逞しいですね。丸いクチバシと足に水かきのついた姿は、パッと見、同じように思えますが、よく見ると多くの種類がいるようです。
日光浴のオナガガモ御一行様
マガモやカルガモを始め、オナガガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、バンと実に多くのカモたちが渡ってきています。都心のど真ん中にこんなに多くのカモが渡ってきていることは驚きですね。最近では身近な越冬地として知られるようになったらしく、野鳥愛好家やカメラ愛好家が不忍池を訪れています。
不忍池の意外性はまだあります。海鳥が多いことです。ウミネコやユリカモメが集まっていて、ギャーギャーと実に賑やかです。海で魚を食べているほうがよっぽど良さそうですが、寒い冬はカニなど甲殻類も息を潜めてしまいますし、魚も深場に落ちてしまうのでなかなか餌を得にくいのでしょう。不忍池から浜離宮辺りの海岸線まで6kmほど。意外と遠くまで飛んできますが、海を埋め立ててできた東京の街ですから、海鳥たちは本能的に飛んでくるのかもしれませんね。
海鳥の中で圧倒的に多いのがユリカモメです。すっかり人にも慣れていて、中には人の手からも餌を食べる図々しい輩もいるほどです。たまにでっかいオオセグロカモメの姿を見ることができます。大きさもさる事ながら、クチバシの先が曲がって厳い顔をしています。大体いつも同じ場所に陣取っているので、縄張り意識が強いのかもしれませんね。
さて、都心の真ん中で人間の暮らしに溶け込んでいる野鳥たちですが、警戒心の薄い鳥たちにお年寄りなどが日常的に餌付けをしている光景を目にします。野鳥への餌付けは生態系へ影響を及ぼすため望ましいものではありませんし、上野公園の管理事務所でも野鳥への餌付けを禁ずる看板を立てています。でも、そう硬いこと言わなくてもいいでしょう。
野鳥たちもわきまえたもので、そんなじいちゃんばあちゃんの周辺にはスズメ、ハト、ユリカモメを始め、カモやウミネコたちまでが餌をねだりに集まってきます。人間が危害を加えないことを知った輩は、人の手から餌を取って食べるほど人慣ています。
前述のとおり、野鳥への餌付けはいけないことなのでしょうけど、人を恐れず餌をねだる鳥たちの姿は実に癒される光景です。都会で暮らす人は、色々と事情があってペットも飼えないことでしょうし、実際、餌付けする人を注意している人を見たことはありません。
« 雪見に西丹沢へ | トップページ | 梅はそろそろ見頃です »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 台風は東から西へ(2018.07.28)
- 表銀座縦走直前・・・台風接近中!(2018.07.26)
- つ、つ、月夜だ皆出て来い、来い、来い(2018.07.24)
- 蓮池のほとりにて(2018.07.22)
- 不忍池の蓮の花が見頃に(2018.07.13)
コメント