山行 ツツジが主役、富士は脇役 檜洞丸その2
いやいや、満開のシロヤシオを見れて余は満足じゃ。午後から登山でしたので、ツツジの群生地まで行ってお花見したら頂上を踏まないでも帰るつもりでいましたが、意外と良いペースで歩けたので、お約束の周回コースを歩きます。
石棚山稜と出合うとバイケイソウの繁茂する木道を歩いて、間もなく檜洞丸(1601m)の山頂。20人ほどの方が休憩を取っていました。皆さんゆっくりしているのはこの時期ならではでしょうね。檜洞丸の山頂は適度な木陰があって過ごしやすい場所です。山頂周辺の良さげな場所は先客が休んでいましたが、何故か富士山の見える特等席が空いていました。ナイスタイミング!おにぎりをいただきま~す♪
富士山の山麓、西丹沢の山並みの僅かな隙間から山中湖が見えています。山梨方面にドライブしても通過してしまう山中湖ですが、こうして見ると、その名のとおり山中の神秘の湖に思えてしまいます。我はフクロウ~楽しきフクロウ~務め果たし~心さやか~今宵嬉し~星明かりに~我古巣へ帰らなん~ああ富士の麓、山中の森影に~♪懐かしいスカウトソングがこぼれました。
山頂から北側の急階段を下って大室山との鞍部犬越路を目指します。こちらもしばらくはシロヤシオの満開ロードとなっていました。よく見ればトウゴクミツバツツジのつぼみが結構あるようなので、あと1週間もすれば紅白咲きぞろいになるでしょう。この時期は毎週通いたくなる山ですね。
正面に大室山が堂々たる姿で座して、西には富士山、東には蛭ヶ岳や姫次を垣間見ることができますが、この時期はツツジの存在感についつい忘れられがちです。
檜洞丸から下る縦走路は、熊笹ノ峰、大笄、小笄と小ピークをアップダウンするので、体力を消耗するルートです。いつも下山ルートで逆向きに登ったことがありません。しんどそうなのもありますが、やはり先ずはツツジを見なきゃということでツツジ新道を選択してしまうんですね。
大笄、小笄付近は傾斜がきつくなって鎖場などもあります。岩場、木の根などにつまずいて転倒しないよう要注意です。この付近はトウゴクミツバツツジがよく咲いていました。
やがて巨大な大室山の緑の壁の中にポツリと小屋が見えてきました。犬越路の避難小屋です。この犬越路、かつて甲斐・武田家の斥候が犬を先導に峠を越えたという伝説からその名がついたといわれていますが、西丹沢の一帯には、小山田家の姫が織田の追手に殺されたといわれる姫次、信玄の隠し湯中川温泉、武田軍が布陣して小田原をうかがったとされる信玄平、甲斐・相模の山分けがこじれた際、道志の村人が菰旗を立てて占拠した菰釣山など隣国甲斐の影響をうかがわせる地名が多く残っています。丹沢という広大な山域は両国の緩衝地帯だったんでしょうね。
ヤマツツジ
避難小屋を覗くとおじさんが一人。今夜はここに泊まって、翌日は檜洞丸に登るそうです。静かな山の夜。最高の星空が期待できる反面、この山奥にたった一人の孤独感。ちょっと、いや、かなり怖いですね。
犬越路から西丹沢へは東海自然歩道上を歩きます。この日はかなり気温が上がりましたが、用木沢沿いの道は川風が涼しく爽快でした。ヤマツツジの朱色や岩肌にイワタバコの葉を楽しみながら西丹沢へ下山しました。
5月22日(日)は西丹沢の山開きでした。多くの方が檜洞丸を目指したことでしょう。一足早くつまみ食いの山行でした。来年もまた訪れることでしょう。
★5時間40分(休憩含む)
西丹沢12:15→12:50東沢渡渉点→14:45石棚山稜出合→15:00檜洞丸15:15→16:40犬越路16:50
→17:35用木沢出合→17:55西丹沢
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