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2016年7月29日 (金)

山行 登山もまた修行なり 七面山その2

 6時半に羽衣登山口の門をくぐって、七面山表参道に踏み出しました。七面山は台形状の山容なので、登山口から九十九折の坂道を詰めて、敬慎院のある山上台地に登らなければなりません。登り一辺倒の参道は骨が折れそうですが、古くからの登拝の道ですから、道幅もあって、よく踏まれた歩きやすい道です。この様な山道ならば、最近グダグダの天然児も、根性を叩き込めば歩けるのではないかと思いました。

Img_2610 黙々と…無心で…それが修行の道

 表参道には、大山のように一丁目から五十丁目まで石灯籠が設置されているので、自分がどの辺りにいるのかが把握できるようになっています。また、道中には登拝信者をもてなす休憩所が、2丁目、13丁目、23丁目、36丁目の4箇所に設けられています。このような休憩所は、信者やハイカーの分け隔てなくもてなしてくれるので、無理なくゆっくりと登って行きたいものです。

 三連休の最終日、登山口には多くの車が停まっていましたが、山頂を目指す人はポツポツ程度です。皆さん連休を利用して山上の宿坊に泊まって、この日は下山してくる日なのでしょう。

Dsc06845 赤沢宿が見えた♪

 参道は杉やモミ、ツガ、カラマツなどの大木が鬱蒼としているので展望はありません。杉が多いのは、いざという時に伐採して、堂宇の建築材として使用できるからでしょうか。そのうち、木立の切れ間から春木川の対岸に位置する身延山の稜線が見えました。その緑の中に、赤い屋根が集まる山上集落を見つけました。あれは赤沢宿の集落でしょう。一昨年、御嶽山が噴火した日に、ババや天然児らとこの周辺を旅行していたのですが、あの赤沢宿から七面山を見上げたのを思い出しました。(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-54d7.html

 やがて、野鳥やセミの鳴き声に混じって、メガホンで叫ぶ人の声が聞こえてきました。都知事選かな?そんな訳ありませんよ。七面山の名物「南無妙法蓮華経」とお題目を唱和する白装束に身を包んだ登拝信者の皆さんです。多い、多い。いくつかのグループに分かれて数百人はいるようです。老若男女、幅広い年齢層ですが、結構お子さんや若い女性が多かったような気がしますね。聞いたところ、4時起きで山上でご来光を遥拝した後、朝のお勤めをして下山してきたそうです。厚い信仰は今も受け継がれているのですね。

Dsc06858 立派な和光門

 登山口から2時間余り、突如として立派な山門が出現しました。46丁目の和光門です。いよいよ敬慎院の境内に入ります。信者が下山した境内は人気もなく、折しも雲がかかって、霊気のようなものを感じました。取り敢えず敬慎院への参拝は後にして、七面山の山頂を踏んで来ることにします。

Img_2638 シラビソの枝にサルオガセ

 シラビソ林の中を山頂へ向かいます。先述のとおり、七面山は台形状の山容なので、台地上に上がってしまえば楽勝です。エゾハルゼミの鳴く樹林を見上げると、シラビソの枝にとろろ昆布のような薄緑色のものが垂れ下がっていますが、これはサルオガセという地衣植物です。根もはらず湿気から水分を補給し、光合成をして成長する不思議な植物ですが、南アルプスの高山ではよく見かける植物です。

Img_2637 山は生きている!

 ナナイタガレと呼ばれる大崩落地のヘリを歩いて山頂へ向かいます。今までの鬱蒼とした樹林と打って変わった荒々しい風景です。そういえば、七面山から連なる安倍奥の山にも大谷崩れという日本三大崩落地のひとつがありました。(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-4c8a.html)この辺りの山々は、新陳代謝活発でまだまだ若いということでしょうか。

Img_2625 七面山山頂 Dsc06878
アブが多い~

 崩落地から少し急登になって、間もなく針葉樹林の中にある七面山の山頂(1982m)に到達しました。展望は全くありません。山頂で休憩していたトレランの方に聞いたところ、少し先に希望峰という場所があって、そこから南アルプスの展望が素晴らしいのだそうですが、この日はガスガスでしたし、何より山頂にはアブがやったら多くてうるさったかったので、早々に敬慎院戻って参拝することにしました。

Dsc06861 随身門

Img_2645 お彼岸のソーラービーム…見てみたい

 さて、敬慎院の入口にある大きな随身門まで戻りました。この門の前は富士山遥拝所になっているのですが…ガスガスでした。随身門をくぐると正面に敬慎院を見下ろすのですが、何と、春と秋の彼岸の中日、富士山頂から登った太陽の旭光(いわゆるダイヤモンド富士でしょう)が随身門をくぐって敬慎院のご本尊を照らし出すそうです。いやはや、驚くべき古人の設計技術ですね。

Img_2647 敬慎院本堂

 さて、敬慎院に参拝します。本堂の前に立つと、左手の宿坊からお坊さんや番頭さんのような方が「ご苦労様です。奥で休んでいってください」とっても親切に案内してくれました。今まで寺社仏閣を訪れた中で、こんなに親切にされたことがなかったので、かなり恐縮してしまいました。が、せっかくの機会ですし、お言葉に甘えて休憩させていただくことにしました。聞けば、信者であろうとハイカーであろうと、ここまでの上り一辺倒の参拝道を登って来ることが修行なのだそうです。楽しんできたつもりが、いつの間にか修行者になっていたとは…何ともありがたい話です。

Img_2648 いやぁ~広々として恐縮です。

 本堂は写真撮影ができませんでしたが、とっても装飾豊かな造りになっておりました。それにしても、標高2千メートルの車も通じない山上によくもまあこれだけの仏堂を建てたものだと驚くばかりです。確かに境内には軽トラや重機などが見られましたが、車両や設備類はヘリコプターで荷揚げしたそうです。

 さて、最後に情けない話をひとつ。この話の冒頭で、富士山入山料が払えなかったことをお話しましたが、せっかく敬慎院まで来たんだから、かみの父上とババの健康祈願の御札を書いてもらいたくなりました。でも、財布は登山口の車の中です。図々しくも、見送りに出てくれた若いお坊さんに、祈願料を後納で書いてもらえないか相談したところ、何と!快諾していただきました。いやぁ、何と懐深いことか。きっと、この御札には、帰宅時のかみから受けるアイスビームから我が身を守ってくれることでしょう。南無妙法蓮華経…南無妙法蓮華経…

★コースタイム:5時間40分

6:20羽衣→8:50随身門→9:30七面山9:40→10:10敬慎院(参拝・休憩)10:50→12:00羽衣

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