山行 ラッキーバス 仙丈ヶ岳その5
花を愛でながら藪沢沿いをどんどん下ります。薮沢は長野県伊那谷側に流れ下って、戸台川、黒川、三峰川と他の流れと合流する度に名を変えて、伊那市内で天竜川に注ぎます。藪沢の左岸から右岸に渡ると、少しずつ沢から離れて針葉樹林に入っていきます。しばらくすると、九十九折の急坂を下ります。
急坂を下りきると、北沢峠から南アルプス林道を少し長野県側に下った大平山荘の前に出ました。正面に大きな鋸岳を望める場所ですが、既に雲がかかって荒々しい岩峰を隠していました。長野県側の戸台に下る人は、この山荘の前でバスを待てば良いのですが、私は山梨県側に下らなければならないので、北沢峠まで15分ほど登り返さなければなりません。
仙丈ヶ岳への登りがバテ気味だったので、ゆっくり山を楽しんだ後、北沢峠を16時に出る最終バスで下山を考えていたのですが、下りはめっぽう強い山笑。下っていくうちに、1本前の13時半発のバスに間に合うかも知れないと思い始めていました。気合を入れて峠に登ってみると…
いたいた!今待機所から動き出そうとしているバスの後ろ姿を認めました。間に合った♪と足早に乗り場まで追いかけていくと、乗り場には多くのハイカーが待っていて、あっという間にバスは満員に。私から前10人ほどが乗れずに残されてしまいました。あちゃ~定員オーバーか。途端、脱力してしまいました。
しかし、拾う神あり。「あと2人乗れるよ」運ちゃんから声がかかりました。だって、10人目だもん。と不貞腐れていると、10人のうち前8人がワンゲルの学生グループで、その後ろの単独行のおじさんと私が繰り上げ当選となったのです。申し訳ねぇ~でも、こういう場面て、山アルアルですよね。
市営バスで広河原まで下ってくると、甲府行きの山交バスへの乗り継ぎもタイトです。なんと、市営バスで補助席に座っていた私は、図々しくも真っ先に乗り換えて、芦安温泉までの山交バスは座ることができたのです。ここで、朝のオバちゃんがまたしても登場。後から乗り換えた人たちが次々と詰め込まれます。結局、朝と同じく寿司詰め状態となりました。
バスが出発を待っていると、北沢峠に置き去りにされたはずのワンゲルグループが、市営バスの増便で下りてきました。まさかと思っていると、案の定、更に寿司ネタになったので、立ち乗りになった人からは「増便しろよー」と愚痴がこぼれました。要領よく乗り換えて、ちゃっかり席を確保した私は、顔を上げることができませんでした。またしても、申し訳ねぇ~でも、こういう場面て、山アルアルですよね。結局、復路も車窓を楽しむ余裕がありませんでしたが、疲れた体には座れたことが大きかったです。
芦安温泉の駐車場で降りたマイカー組は、意外にも半分もおらず、ほとんどの人が甲府に向かうバスに乗っていきました。それもそうだ。今日は金曜日で、下山してきた人はそれ以前の平日山行を楽しんできた人ばかりでしょう。平日山行できる身分は、高年者か学生くんだろうから、皆さん甲府駅から電車で帰るんだ。
さて、近くの温泉で疲れと汗を流して帰りたいと思っていると、何だ!?車を停めた草むら(第4P)のすぐ下に、金山沢温泉という日帰り温泉があるではありませんか。入浴料は850円と高めでしたが、空いていたのでゆったりと湯に浸かれ、お肌につるつるの泉質は、実にキモチよかぁ~♪でした。露天から見上げる空には、早くも赤とんぼが飛び交っていました。
★コースタイム:5時間50分
北沢峠7:30→8:05三合目(朝食)8:20→8:40五合目(大滝ノ頭)→9:35小仙丈→10:30仙丈ヶ岳(昼食)11:00
→11:45馬ノ背ヒュッテ→13:10大平山荘→13:20北沢峠
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