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2016年10月29日 (土)

山行 秋天を突く岩峰に挑む 乾徳山その2

 徳和地区から30分歩いた乾徳山の登山口。ここからは徳和川から離れて、薄暗い植林帯をしばらく歩くことになります。途中古い林道を何度も横断しますが、今では使われなくなって荒廃の一途を辿っていました。これも我が国林業の衰退の一面ですか。

Dsc07525 かつては人の営みがあった。

 歩いて20分ほどで銀晶水と呼ばれる水場です。水場周辺には岩がゴロゴロしていますが、苔むして雰囲気がありますが、よく見ればその中に石を組んだ石垣がいくつもありました。恐らくは清水を利用したわさび田の跡なのでしょう。人の営みは消えて山に飲み込まれようとしています。

 標高を上げていくにつれて、陽が差し込んで明るくなってきました。徳和川対岸の山々は黄色く染まって鮮やかです。時折、フィ~~~~~~ョ、フィ~~~~~~ョと鹿の鳴き声が山々を渡っていきます。仲間と交信しているのでしょうか。地元丹沢でも鹿を見る機会が多いのですが、いつもピーヨ!という警戒声をあげて逃げていきます。この一帯は鹿が安心して暮らせる環境なのでしょう。

Dsc07531 錦晶水

 登山口から1時間余りでもうひとつの水場錦晶水です。美味しそうな清水が湧出していますが、飲むのはやめておきましょう。何故なら、先日の胃の検査でピロリ菌の陽性判定が出たからです。胃炎や胃潰瘍の原因とされるピロリ菌の感染源は、かつては井戸水など生水によるものが多かったそうで、上下水道の整備された現在では大人が感染することは滅多にないそうです。しかし、山などに湧出する清水を煮沸しないで飲むと感染することがあるそうです。胃の検査以前は、当たり前のように清水をカブカブいっていましたから、こりゃあもうダメかもわからんね。

Dsc07537 国師ヶ原から山頂を望む

Dsc07546 ロケーション抜群の高原ヒュッテ

 錦晶水の先は道がなだらかになって、シラカバやカラマツ林の広がる高原になっています。ここは国師ヶ原という場所で、かつての放牧場です。その名から、夢想禅師が修行中に滞在していたのかもしれません。樹林が開けたところからは、乾徳山の岩峰が間近に見上げられました。高原の中程、徳和から山頂へ向かう登山ルートと大平牧場から通じる林道が交差する十字路付近に、高原ヒュッテと呼ばれる無人の山小屋が1件あります。古い小屋のようですが、中は板張りで非常にきれいに整ってています。何より男女別のバイオトイレがあるのがありがたいところです。

Dsc07548_2 国師ヶ原の紅葉 Dsc07540 十字路の道標

 国師ヶ原から山頂方面に向かいます。この辺りから赤や黄色の紅葉が見られるようになりました。しばらく樹林の中を登っていくと、再び樹林が開け、今度はカヤト野原が広がる斜面になりました。振り返れば南面が大きく開けて、甲府盆地を挟んだ正面に富士山と対峙します。その右手に存在感を示している山が。天子山塊の盟主である毛無山です。8年前に職場の仲間と登った懐かしい山です。富士山を間近に山上焼肉。最高でした!

Dsc07560 月見岩からの展望

Dsc07562 山頂を御覧じあれ!

 カヤトの斜面を登って乾徳山の肩の位置に出ると、月見岩という大きな岩があります。ここで徳和からのもう一つのルート道満尾根ルートと出合います。月見岩の上からは、東~南~西にかけての展望が素晴らしく、東に大菩薩連嶺、南に甲府盆地と御坂山地、西に天子山塊と南アルプスが一望できました。勿論、正面には主役の富士山が堂々たるものです。山頂を仰いでみれば、カヤト野原の上に紅葉が混じった森林が盛られて、更にその中から頭頂部の岩峰が秋天を突く、とても見事な姿です。ジオラマ…というよりは、創作料理のような姿というべきでありましょうか。

Dsc07567 扇平付近の紅葉

Img_3736 最高ですかー!最高でーす!

 カヤト野原の上部、扇平から山頂部の樹林に入ります。根元には大きな岩がゴロゴロする急登になり、すぐに岩を攀じ登る腕力勝負のルートになりました。いよいよ乾徳山の核心部です。山頂が近づくにつれて、岩のギャップは大きくなって鎖場も出てきましたので、ストックやカメラをザックに収納し、この先は素手とスマホで勝負です。

Img_3737 いよいよ核心部

Img_3743 秋空と岩峰と紅葉。いい!

 しかし、元来高所恐怖症の山笑。山頂までの岩稜になると大幅にペースが落ちてしまいました。雷岩という巨岩を手に汗かきながらトラバースして、やれやれと思っていると…

Img_3748 鳳岩にキタァ~~~~~~!

 山頂直下に最大最終関門、乾徳山の代名詞ともいえる鳳岩の登場です。鳳岩は高さ20メートルの一枚岩をを攀じ登るクライミングの初歩技術が要求される場所です。幸い中央部に裂け目が延びていて、それと並行に鎖が垂れているので、これを手掛り足掛りにして、攀じ登るのが正攻法のようです。心頭滅却すれば垂直も水平のごとし!とばかりに第一次攻撃開始です。

Img_3749 心頭滅却すれば垂直も水平のごとし!は、ダメでした。

 これまたしかし、体がコチコチのオッさんには実に厳しい。足が次の掛に…と、届かない。そのうち手には汗がじっとりと。あー怖い怖い。第一次攻撃は失敗です。鳳岩に正攻法を挑まなくてもう回路があるのですが、「乾徳山に登りました。でも鳳岩には登りませんでした」ではいかにも格好がつきません。

Img_3753_2 下を見るな~下を見るな~

Img_3755 万歳!万歳!万歳!

 再び下から岩を見上げてルートを見定めます。第二次攻撃は、あえて中央の裂け目と鎖には頼らず、崖際になりますが、左手から岩の中腹まで乗り越えて、中腹の棚を右手にトラバース。最後は右手から岩稜を攀じ登って山頂に挑みました。その甲斐あって、今度は大成功!乾徳山(2031m)の山頂に立つことができました。いやぁ~、結構手強かったな(つづく)

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