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2017年2月 2日 (木)

山行 古道を辿ってカレーの山へ 箱根・明神ヶ岳

 1月最後の週末。お天気にも恵まれて、この時季にしては異例の暖かさです。天然児はサービスを利用して水族館へ。かみは親と買い物に出かけました。私も負けじと掃除、洗濯も早々に終わらせて、山に柴刈りに出かけました。久しぶりに箱根外輪山の明神ヶ岳を目指します。

Dsc08369 吾妻山から箱根連山

P1110505 房総岩井海岸より

 明神ヶ岳は箱根外輪山のピークのひとつです。目立つピークではないものの、大きな山体が特徴で、なだらかな裾を足柄平野に下ろします。かの二宮金次郎こと二宮尊徳が幼少の頃、小田原市栢山の生家からこの山の山麓に柴刈りに足を運び、柴を背負って勉学に励んだ話はあまりにも有名で、かつては金次郎の銅像が勤勉の象徴として一校一像あったものです。でも、その姿をひねくれた目で見れば、現代の歩きスマホの走りと見えなくもありません。だから最近見かけなくなったのかな?何はともあれ、明神ヶ岳は古くから足柄や小田原に住む人たちにとって、一番身近な山と言えるのではないでしょうか。

Dsc08393 大雄山最乗寺

Dsc08392 夫婦円満の和合下駄

 南足柄の大雄山最乗寺から明神ヶ岳を往復することにしました。ちょうど最乗寺は正月大祭で、境内は賑わっていました。登山口となる明神橋のたもとには、最乗寺名物の和合下駄が置かれていました。この下駄は、最乗寺開山にまつわる天狗伝説に由来しているのですが、下駄は一対をもって事を成すということで、夫婦円満の象徴として珍重されてきました。私としては少々複雑な思いで登山道に踏み入れます。

Dsc08395 水仙を手向ける信仰心

 鬱蒼とする杉の大木の中を延びる登山道。最初は木の根やら石がガレていて少々歩きづらいところです。しばらくは、下の方から梵鐘の音や読経、甚句のような謡いが聞こえてきます。道端の石仏には、誰の手か、水仙の花が手向けられていました。ここは信仰の道であります。遥か昔、東海道はおろか足柄古道が整備される以前、上方から関東へ通じる碓氷道と呼ばれた箱根越えのルートは当にこの道で、南足柄市関本から明神ヶ岳を経て、箱根町宮城野に通じ、更に仙石原から乙女峠を越えて御殿場に下るルートでした。

Dsc08402 最初は少し急ですが…

Dsc08406 尾根上に出るとなだらかに

 杉の樹林帯から尾根上に出ると、しばらくは尾根上の防火帯歩きになります。行く先には外輪山の稜線が近づいて、振り返ると足柄平野から小田原市街、更には湘南の海岸線を見下ろすことができる実に気持ちの良い場所で、このルート一番のお楽しみ場所です。広がる展望に松の大木が風情を添えて、牛飯の紅しょうがのように?味わい深いものにしてくれます。尾根上にある神明水は枯れていました。

Dsc08410 足柄平野と相模湾

 私的には、このルート上にもう一つのお楽しみがあります。

Dsc08407 違和感満点♪

Dsc08405 森に飲み込まれる人工物

 大自然の中に突如出現する人工物。どう見ても使用されていない遺跡ともいえる建造物こそ、「廃墟マニア」と呼ばれる人たちの心をくすぐるものです。ルート上には、青空に赤く錆びた姿が痛々しい鉄塔や蔦が絡まって森に飲み込まれようとしている機械類を見ることができます。

Dsc08439 なんか哀愁あるなぁ~
 かつての高度成長期、日本全土で自然破壊を顧みない観光開発の嵐が吹き荒れた頃、このルート上にもロープウェー建設の計画が持ち上がったそうです。しかし、計画は日の目を見ることなく頓挫して、建設途中だったロープウェー施設は撤去されることなく放置されてしまったようです。気持ちの良い尾根道上に違和感アリアリの遺物ですが、私的にはこういう痛いの結構好きなんですよ。

Dsc08418 標高を上げると雪道に

 外輪山の稜線が近づくと、再び自然林の中に入りますが、この辺りから上は年明けに降った雪が残っていて、所々は踏まれて凍りつき、かなり危険な箇所もありました。いやぁ、温暖な神奈川に住んでいても、2時間ほど足を運んだだけで雪遊びも楽しめるんですから嬉しいですよ。

Dsc08420 雪の進軍氷を踏んで、どこが川やら道さえ知れず♪

Dsc08416 明神水…凍ってます。
 凍る雪道をしばらく歩いた後、箱根外輪山の縦走ルートにぶつかりました。正面には箱根の中央火口丘神山が見えましたが、山懐の大涌谷からは元気に噴煙が上がっていました。寒卵だな。この先には雪こそありませんでしたが、雪や霜が溶けて赤土にしみ込み、そこを多くのハイカーが歩いてドロドロコネコネ…カレースープの様な状況で辟易しました。

Dsc08424 縦走路に出ました。

Dsc08433 正面に大涌谷

 気まぐれカレーロードを少し歩いて明神ヶ岳(1169m)の山頂に到達しました。山頂の平坦部は泥濘状態。当に神々の田、神稲(くましろ)状態です。憩う人たちは、皆さんカレーを避けて草むらの中で休んでいました。外輪山の縦走路上なので、次から次へとグループが渡ってきて、ドロドロコネコネ…見ているだけで嫌になっちゃいますが、冬の箱根は温泉もセットで楽しめるので人気なのでしょう。

Dsc08425 明神ヶ岳山頂

 冬の澄んだ空の下、展望は最高でした。見下ろす宮城野集落の先には、箱根中央火口丘。外輪山の稜線を北にたどると金時山。その背後にはBIGな富士山がそびえていました。いわゆる子抱き富士ですね。金太郎の山を抱くお母さんですから山姥ですか。丹沢の山並みや湘南の海岸線もよく見えていました。

Dsc08430 金時子抱富士

 明神ヶ岳は私にとって思い出深い山です。かつて、ババと天然児の三世代編成で山頂を踏んだこともありました。そんな光景は二度と見ることはないでしょう…さて、今日はババを迎える日。下山しましょう。夕飯はカレーにしようかな?

★コースタイム:3時間5分

最乗寺10:55→11:30見晴小屋→11:50神明水→12:35明神ヶ岳12:40→13:35見晴小屋→14:00最乗寺

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