山行 寿岳を単身歩き 三角沢ノ頭、丹沢山その2
本谷林道を歩きます。この林道は塔ノ岳~丹沢山の主脈線、塔ノ岳~札掛の長尾尾根、丹沢山~塩水橋の天王寺尾根に囲まれている表丹沢の深部に延びているので、お手軽に山深さを感じることができる場所です。一部丹沢山へのアクセスと重なるので、何度も歩いた道ですが、5年前の猛暑の夏、避暑を兼ねて天然児、ババの三世代で歩いた思い出の道でもあります。
本谷林道は、終点まで本谷川を左手に見下ろしながらの緩やかな道です。本谷川で糸を垂れる渓流釣りの人がポツポツと見られました。道沿いにはモミの大木が目立ちますが、長尾尾根を挟んで山向こう、札掛のモミの原生林は神奈川県の天然記念物であり、景勝50選にも指定されています。
こりゃあ何かあったな⇒痛ましい事故がありました。(http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p1088805.html 神奈川県HPより)
本谷川の河床や周辺の沢には巨岩、巨石が多いのも見ものです。1923年(大正12年)に発生した関東大震災とその余震である丹沢地震で、丹沢では大規模な山体崩落が発生し、かつての穏やかな山容が一変したといわれています。本谷川周辺で見られる巨大な岩石もそのとき崩落したものなのでしょう。
塩水橋から約4km。本谷林道終点の少し手前にキュウハ沢の合流点があります。ここから林道を離れてマイナールートに入ります。キュウハ沢は、戦時中に墜落した旧陸軍戦闘機のエンジンが眠る沢ですが、以前訪れたときはヤマビルの多さに辟易して逃げ帰り、それ以来エンジンを見ることは実現していません。いつかは見てみたい歴史遺産です。
キュウハ沢の左手急斜面につけられたやや不鮮明な踏み跡を辿って、三角沢ノ頭というピークを目指します。急坂をしばらく登ると、尾根上のジグザグとした九十九折の明確な道を歩くことになりました。この道は林業の管理道なのでしょう。道標などはありませんが、これなら道に迷うようなことはないでしょう。
根元から春がやってきます。
スギの植林帯からブナの天然林に樹相が変わると、樹間から丹沢主脈の稜線が見えてきました。左手には塔ノ岳、右手には丹沢山です。この辺りの斜面一帯には残雪があります。3月でも南岸低気圧が通過する度に丹沢には雪が降ります。山上の春はまだ遠いようです。耳を澄ますと、野鳥の鳴き声、木を突くキツツキ、動物の足音など、自然な音に混じって、縦走路を賑やかに歩くハイカーたちの会話も聞こえてきました。
急登を登りきると、台地状になった小広いピークに到達しました。ブナやアセビに囲まれたスペースには看板が置かれていましたが、書かれた字は色あせていて読み取ることはできませんでした。おそらくは三角沢ノ頭(1331m)なのでしょう。この小ピークは、別名寿岳とも呼ばれているようですが、その由来は全くわかりません。「寿」ですからおめでたいのですが、林道を離れてからここまで全く出会いのない山笑でした。(つづく)
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