山行 花の山にチャック全開オジさん現わる 鍋割山
現役16年目、走行距離17万kmに達する軍馬。長男の進学まで買い替え禁令が発せられたため、もう少し頑張ってもらわねばなりません。この冬はバッテリー切れが頻発したので、バッテリーとオルタネーター(発電機)を交換しました。バッテリー切れは私も同じ。3月末のミツバ岳から1ヶ月近く山に行っていません。最近体のなまりを感じ始めたのでここいらで一発行かねばなりません。
4月22日(土)、炊事、洗濯、風呂掃除を済ませてからの遅出山行をしてきました。(何か最近これがパターン化しているぞ)時間も限られているので、表丹沢県民の森から鍋割山をピストンします。
二俣方面に向かって行くと、四十八瀬川上流沿いには木々の新芽が清々しく、新緑の色の中には、山桜、ヤマブキ、タチツボスミレ、ヤマルリソウ、ミツバツツジなどが色彩を添えていました。
「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだに無きぞ悲しき」戦国武将太田道灌が若き頃のエピソードをご紹介しましょう。狩りの途中でにわか雨に降られ、とある農家に立ち寄り簑を所望したところ、その家に住む若い娘が前述の和歌に添えて一本の山吹の枝を差し出したそうです。その真意を知りえない道灌は憤慨して帰城するのですが、後に「実の=簑」にかけた和歌の意味を知って自分の短慮を恥じたそうです。
この季節、道端にはタチツボスミレやヤマルリソウがいっぱい咲いていますが、それらに混じって奇妙な植物の姿が目立ちます。茶色い蓋のついた瓶のような大きな花と八ツ手のような葉がセットになった特徴的な姿をした植物は、マムシグサ、ミミガタテンナンショウ、ウラシマソウなど何種類かあるようですが、花が葉より伸びるか否か、葉が1枚か2枚かで見分けができるようです。特にウラシマソウは、花の中から浦島太郎の釣り糸のようなツル状のものが伸びているのか面白いですね。
さて、西山林道を詰めていくと、登り下りのハイカーが増えて賑やかです。ミズヒ沢を見下ろすと沢の流れにミツバツツジが映えて何とも絵になりますね。我が猫の額に植えたミツバツツジは今年花を咲かせることなく枯れてしまいました。お気に入りの一本だっただけに残念極まりないです。ヤマツツジは何種類かありますが、ミツバツツジやトウゴクミツバツツジの強弱違った蛍光ピンク、アカヤシオの桃色、純白のシロヤシオ、レンゲツツジの朱と、これから次々と咲いていくでしょう。今年は何種類見れるかな?
後沢乗越から山頂までの後半戦は鍋割山南稜の急登です。この山笑、老いたとはいえ足には自信があります。ここから先行者をどんどん抜いていきます。が、ここでひとつの珍事が。オジさんに率いられた若い女性数名のグループに道を譲られたところ、正面から女性を呼び止められ「チャック開いてますよ」と。え?!…十秒ほど空気が凍りつきました。恐る恐る前に手をやったところ、?安心してください。ちゃんと閉まってますよ。「やだー、開いているのはリュックですよ。そっちだったら言わないし」一同笑いがこぼれました。鍋割山荘の水場で大五郎のボトルをリュックに入れてきたので、重みでチャックが開いてしまったようです。女性にチャックを閉めてもらった山笑。調子ついでに「じゃあ前も後も閉まっているかチェックしてください」下界では犯罪的行為でも、山では笑い話になってしまうのが嬉しいですね。いやぁ~お恥ずかしい限りです。
標高1千mほどの尾根上では山桜が満開でした。下界のソメイヨシノのようなボリュームはありませんが、小さな白い花が清楚な感じで良いものです。この日は曇り空だったので、白い空に溶け込んでしまいお花見としてはイマイチのコンディションだったのが残念です。ムムッ!キタキタ~「敷島の大和心を人問わば朝日に匂う山桜花」そう、この山桜こそ日本人の心の象徴なのです。
鍋割山(1273m)の山頂はかなりの賑わいでした。鍋割山荘の鍋焼きも長蛇の列。実は鍋焼きランチが目的だったので、おにぎりはおろか飴玉一粒も持参していません。現地調達頼りのジンギスカン作戦。旧日本軍張りの無計画さ。ハイカー失格ですね。早いところ下山して腹を満たしましょう。
下山時、例のチャック騒動のグループに鉢合わせて、再び弄られて逃げるように下山してきました。余りにも足早に下ってきてしまったので、県民の森近くにある黒竜の滝に立ち寄ってきました。今まで一度も寄ったことがなかった滝ですが、水量もあって見応えがありました。
春山本番。GWもかみの顔色を伺いつつ山行していきます。
コースタイム:3時間20分
表丹沢県民の森10:45→11:15西山林道終点11:20→11:40後沢乗越→12:30鍋割山12:35
→13:15西山林道終点→13:55黒竜の滝→14:05表丹沢県民の森
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