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2017年6月

2017年6月30日 (金)

山行 シャクナゲ咲く標高2千の散歩道 甲武信ヶ岳~雁坂峠縦走その4

 甲武信ヶ岳山頂で周囲のハイカーに山座同定を披露し、すっかり悦に入った山笑。しかし甲武信ヶ岳まででは三角歩きの一辺でしかありません。二辺目は東に転じて雁坂峠までの武甲国境尾根歩きです。標高2千米の稜線のお散歩がスタートです。

Dsc00109 ミツバオウレン

Dsc00161 コミヤマカタバミ

 甲武信小屋から木賊山を巻く道はシラビソやコメツガの鬱蒼とした樹林の中を歩きます。木々の根元には苔が密生していますが、その中にコミヤマカタバミ、ミツバオウレンなどの小さな花も見つけました。

Dsc00104 シャクナゲの道

 巻道から再び木賊山の尾根道に出るとザレた下り道となります。この辺りの稜線にはシャクナゲが群生していましたが花は全く見られませんでした。

Dsc00111 賽の河原から破風山を望む

 やがて樹林が晴れて白砂と花崗岩が斜面を覆う場所を通過します。賽の河原と呼ばれる場所です。スリップし易いので慎重に進みましょう。正面にこれから向かう破風山を望みますが、まだまだ遠いですね。そこへ現れたのが…

Dsc00130 ダンナ、道案内しやすぜ

 小さな小さなミヤマハンミョウが登場しました。ハンミョウの仲間は大きな顎を持って他の昆虫を捕食します。近づくと飛んで逃げるのですが、1~2m先の行く手に再び着地してこれを繰り返す習性があるため「道おしえ」という別名があります。賽の河原だけに地獄の道案内でしょうか。

Dsc00121 今度は満開ロード♪

 賽の河原から更に下っていくと再びシャクナゲの群生地に入ります。な、なんとこの付近は満開のシャクナゲロードでした。葉のつき方を観察するとアズマシャクナゲより遅咲きのハクサンシャクナゲのようですね。

Dsc00125 ハクサンシャクナゲ

 いやぁ、甲武信ヶ岳=シャクナゲで割り切ってはいけませんね。奥秩父一帯はシャクナゲの群生地が各所にあります。思わぬところで満開のシャクナゲに出会えて癒されましたよ~♪ちなみに甲武信小屋からの縦走路は誰も歩いていませんでした。

Dsc00134 あれま、こりゃあどうしたことか?

Dsc00135 縞枯林と破風山

 シャクナゲ群生地のお次はうって変わって枯死した大木が林立する殺風景な場所です。これは標高2千~3千mの亜高山帯に見られる縞枯れ現象です。縞枯れ現象とは、一定範囲のシラビソやツガが集中して枯死して、遠くから山を見たときに枯死した部分が縞模様に見えることを言いますが、その原因は木の世代交代、風の影響、土壌の影響、日照の影響などの各説があるもののはっきりとした原因は解明されていないそうです。北八ヶ岳の縞枯は有名ですが、大小規模の差はあるものの日本全国の亜高山帯で見られる現象です。

Dsc00139 避難小屋のある笹平

 やがて雁坂峠までの最低鞍部である笹平に到達しました。その名のとおり低い笹が生い茂る草原状の気持ちの良い場所ですが、そんな場所に破風山避難小屋があります。小屋に泊まってこの景色を眺めていたくなるようなロケーションですが、避難小屋には窓がありません。風が通る場所なので頑丈な構造になっているのでしょう。それにしても、見上げる破風山の岩場混じりの斜面が実に急に感じられます。栄養補給のためここでお昼にしました。

Dsc00127_2 破風山のシャクナゲ Dsc00148
 破風山への登り返し。一歩一歩焦らず丁寧に歩いていたら、再び満開のシャクナゲが出迎えてくれたので、辛さもかなり和らいだようです。笹平から破風山の西面は、風当たりの強い場所のようで高い木は生えていません。振り返ると木賊山や甲武信ヶ岳、三宝山を間近に望みました。

Dsc00152 木賊山を振り返る(コブシは右寄り奥の小突起)

Dsc00163 破風山山頂は展望なし

 やがて樹林に入ると展望のないピークに三角点が置かれた破風山(2318m)に到達しました。破風山とは荒々しい名の山ですが、この山の姿が家屋建築の破風(屋根の「八」面)に見えることから名づけられたそうです。

Dsc00167 日本庭園のような破風山
 ピークを天に突き上げる破風山ですが、実はピークが東西二つあって、破風山の三角点は西峰になります。ここから東峰まではほぼ平坦なのですが、ルートは花崗岩の岩場を歩く区間になります。疲れた体にはちょっと辛い場所ですが、針葉樹と花崗岩のコントラストが日本庭園のよう場所です。

Dsc00175 雁坂嶺と雁坂峠を望む夫婦

Dsc00176 立ち枯れの多い雁坂嶺

 東破風山(2280m)から岩場を標高差100m下って、再び雁坂嶺(2289m)に向かって標高差100mを登り返します。この付近は単調なのですが、樹林の立ち枯れ帯が多い場所です。一見すると山が荒れている様に感じますが、これも自然のサイクルの一部なのでしょう。見通しが良いので時折下草を食むシカの姿を見ることができました。

Dsc00186 雁坂峠に下ります。

Dsc00191 こういうの好きですね。

 雁坂嶺からササが生い茂る明るい斜面を下っていくとすぐに雁坂峠(2082m)に到達しました。雁坂峠は古来より甲斐国峡東と武蔵国秩父地方を結ぶ街道が越える峠で、北アルプス針ノ木峠、南アルプス三伏峠と並んで日本三大峠に指定されています。今ではこの峠の下をR140雁坂トンネルが通じていますが、平成10年の開通以前のR140は登山道としてこの峠を越えていました。山梨県東部にはこの雁坂峠の他、雁峠、雁ヶ腹摺山など「雁」のつく名称の地名が多いのですが、昔から人だけでなく渡り鳥も越えていく峠なのでしょう。

Dsc00196 またお会いしましたね。

 さて、雁坂峠からは三角形の最後の一遍を歩いて西沢渓谷入口へ下山します。ミヤコザサの南面をジグザグと下って、ツガやシラビソの針葉樹林に入ります。その下はブナやミズナラなどの広葉樹林、更にはカラマツ林と標高によって樹相が変わるのが分かりやすい道です。やがて沢沿いの危なっかしい道を経て舗装道路の終端部に下山します。

Dsc00223 雁坂トンネル料金所から見上げる雁坂嶺

Dsc00222 料金所近くにいたシカの群れ

 西沢渓谷入口までの最後の1時間は舗装路歩きとなります。やがてトラックやバイクのエンジン音が大きくなってきて、雁坂トンネルの山梨県側の出口を見下ろします。往来する車両を尻目にシカの群れが草を食んでいる光景はちょっと意外でした。でも、動物たちが山奥で生活しているというのは人間の勝手な先入観です。元々は里山と呼ばれるような丘陵地帯を生活の場としていた動物たちが、人間によって山に追いやられてしまったんですからね。更にこんな山奥にまで道を通して、おまけに奥秩父のドテッ腹に長いトンネルまでぶち抜いてるんですから、人間の開発欲も呆れるばかりです。

 最後はかなり端折ってしまいましたが、夏至の頃らしいたっぷり歩いた日帰り山行でした。

★コースタイム:11時間20分

西沢渓谷P5:40→6:05徳ちゃん新道入口→7:50近丸新道出合→(休憩15)→9:45縦走路出合

→9:50木賊山9:55→10:30甲武信ヶ岳11:10→11:20甲武信小屋11:25→12:15笹平(昼食)12:35

→13:15破風山→13:35東破風山13:40→14:25雁坂嶺→14:40雁坂峠14:55→16:05林道出合→17:00西沢渓谷P

2017年6月27日 (火)

山行 コブシ山頂で大いに山座同定 甲武信ヶ岳~雁坂峠縦走その3

 木賊山の山頂から対面する甲武信ヶ岳を見ながらザレた斜面を下って行きます。西向きの展望も開けてきて、甲武信ヶ岳から南西方面に奥秩父縦走路が延びて、国師ヶ岳や金峰山などの山が良く見えていました。更にその後ろには小川山や八ヶ岳の山並みが見えていました。

Dsc00078 甲武信ヶ岳(遠方に八ヶ岳)

Dsc00082 イワカガミみっけ♪

 木賊山とコブシの鞍部にある甲武信小屋を一度スルーして山頂を目指します。小屋からコブシの山頂までは樹林の中を20分ほど登りますが、数人のハイカーが行き交っています。展望が開けるともうそこは甲武信ヶ岳(2475m)の山頂です。

Dsc00091 甲武信ヶ岳山頂

 平日でしたが山頂には10名以上のハイカーが憩っていました。話を聞いてみると長野県側、信濃川上の毛木平登山口から千曲川源流遊歩道を歩いてアプローチしてきた人がほとんどでした。長野県側のルートは、西沢渓谷から戸渡尾根を歩くよりもなだらかなルートですからね。山頂に憩う人のほとんどが大阪、神戸から来たという高年グループでしたが、「あの山はなんや?この山は○○かいな?」と山座同定について熱心にやり取りしています。リーダー的なオジさんが講釈を垂れていますが…ちょっと見当違いな事を言っています。山座同定には人並み以上に自信がある山笑。遂に黙っていられなくなって、にわかガイドで周囲の展望を説明し始めました。

Dsc00085 南東方面

 北から東側には立木があるため展望は得られませんが、立ち位置を変えてほぼ360度の展望を解説します。南東方面には写真では木賊山が間近に立っていますのが、立ち位置によってはその先の大菩薩連嶺、三窪高原、道志山塊、丹沢山地を見ることができます。また、武甲国境尾根上の破風山、雁坂嶺が並んで、遥か彼方に飛龍山、唐松尾山、雲取山などの山々を望みます。

Dsc00086 南面

 南面の展望の主役は何といっても富士山です。天気が下り坂に向かっているので、朝よりも白く霞んできましたが、優美な姿を見せていました。その手前には三ツ峠、黒岳、節刀ヶ岳、鬼ヶ岳などの御坂山塊が並んで、右手奥には天子山塊の毛無山が存在感を示していました。その手前には黒金山とそれに寄生するように乾徳山が見えています。(現場では、黒金山を乾徳山のように解説してしまいました。この場を借りてお詫びいたしますm(_ _)m)

Dsc00087 南西方面

Dsc00090_2 一番食いつきの良いところをアップ

 南西方面には甲武信ヶ岳から甲信国境尾根が延びています。その先には奥秩父の屋根国師ヶ岳から金峰山の山々が並んでいます。大弛峠の切れ間からちゃっかり白根三山が顔を覗かせていましたよ。金峰山の右奥には甲斐駒ケ岳や鋸岳。更には霞んでいましたが中央アルプスの山並みも見えました。やっぱり北岳や甲斐駒ケ岳に皆さんかなり食いついていました。立ち位置を変えると南アルプス深南部や安倍奥の山々も見えました。

Dsc00088 これもポカ(×瑞牆山⇒兜岩)

 今回、日本の名だたる名峰を何十座も解説する中でもう一つポカミスがありました。深い森が延々と続く奥秩父の山並みの中で、花崗岩の岩峰が際立っているのがご存知瑞牆山ですが、朝日岳から廻目平に落ちる北の稜線上にある花崗岩の突起を瑞牆山と勘違いして解説してしまいました。確かに位置的に変だとは思ったんですけどね…何はともあれこの場を借りてお詫びいたしますm(_ _)m

 西面には奥秩父の深い森と西端に位置する小川山。その先には敷かれた白いシートが目立つ野辺山の高原レタス畑が覗いていました。その後ろには八ヶ岳です。編笠、権現、キレット、赤岳、横岳、硫黄、天狗、麦草峠、北八ツ、蓼科山まで勢揃いでした。(最初の写真を参照)

Dsc00093 三宝山(左奥に佐久の御座山)

 北面には甲武信ヶ岳から続く稜線の先に三宝山(2483m)が座しています。コブシよりも僅かに高く、堂々とした構えの山で、山頂近くにある三宝岩と呼ばれる巨岩が目立っています。三宝山は埼玉、長野県境に位置していますが、実は三方山が変化したという説もあります。真のコブシはこちらだったのかもしれませんね。山岳県長野では知名度の低い山ですが、埼玉県では最高峰として輝きます。

 皆さんいかがでしたか?一部間違いもありましたが、遠方から来られた方には中部山岳の名だたる山々をひとつひとつ確認しながらの解説でしたからかなり喜んでいただけたようです。最後は集合写真をパチリ。皆さんお気をつけて。

Dsc00083 甲武信小屋

 山頂から甲武信小屋に戻って山バッチを購入しました。シャクナゲも見頃を過ぎ明日からは天気も下り坂とあって、小屋にはどこかのんびりとした空気が漂っていました。ここからは東の稜線を歩いていきます。(つづく)

★コースタイム:4時間50分(甲武信ヶ岳まで)

西沢渓谷駐車場5:40→6:05徳ちゃん新道入口→7:50近丸新道出合→(休憩15分)→9:50木賊山10:00→10:30甲武信ヶ岳

2017年6月25日 (日)

山行 未練のシャクナゲを見た! 甲武信ヶ岳~雁坂峠縦走その2

 標高1,869mで徳ちゃん新道と並行する近丸新道に出合います。ここでちょうど徳ちゃん新道の乗る戸渡尾根のルート半ばというところですが、既にスタートから2時間を経過していました。こりゃあ大倉尾根どころではないぞ。

Dsc00040 最初に見たシャクナゲの花

 戸渡尾根ルートのシャクナゲは更に密度を増していきます。樹高2、3mほどのシャクナゲが登山道の両側を垣根のように続きます。でも、やはり花は見られません。下山してきた前泊の方に尋ねたところ、「見頃は終わっているけど、上の方ではまだ咲いているから諦めちゃいけないよ」とのこと。確かにポツリポツリとシャクナゲの花を見ることができました。

Dsc00045 アズマシャクナゲ

 シャクナゲ(石楠花)は常緑の低木で、細い葉は表面に艶があり裏綿には起毛があります。花は枝の先に何輪かが密集して咲くのが特徴で、種類や環境によって5~7月に咲きます。観賞用に品種改良された西洋シャクナゲが種類も多彩で一般的ですが、本州の高山にシャクナゲは、主にアズマシャクナゲとハクサンシャクナゲですが、戸渡尾根に群生しているシャクナゲは主に薄紅色のアズマシャクナゲで、5月中旬から6月中旬にかけて尾根を登っていきます。それに対して、白っぽいハクサンシャクナゲは、奥秩父縦走路の稜線上にあって、花は6月下旬から7月にかけて咲くそうです。

Dsc00049 高い枝にも

Dsc00051 淡い色彩が好きだなぁ~

 標高を上げるにつれてシャクナゲの花は多く残っていて、標高2,100m辺りまで終わる直前のシャクナゲの花を楽しみながら歩くことができました。つぼみは赤の色が濃いので、赤い花が咲くのかと思いきや、開花すると薄紅色になるようです。派手な色彩でない淡い色彩が日本の花って感じがしますね。ツツジも良いけどシャクナゲも好きだなぁ~♪

Dsc00054 高山の雰囲気

Dsc00057 コミヤマカタバミ

 シャクナゲの群生地が終わるとツガやシラビソの樹林に入ります。木々の枝にはトロロコンブの様なサルオガセが垂れ下がって、根元にはコケ類が密生していて高山の雰囲気が出てきました。コケの中にクローバーの様な葉と白い小さな花が特徴のコミヤマカタバミが咲いていました。

Dsc00061 キバナノコマノツメ

Dsc00071 バイカオウレン

 小さいながらも黄色が強いスミレのような花はキバナノコマノツメ。花火のようにパチパチっとした印象の花はバイカオウレン。これらの花々は小粒なのですが見逃したらもったいないですよ。40代にして子供のような飽くなき探究心…というよりはケチな性分の山笑です。

Dsc00070 展望が開けた♪
 いい加減疲れてペースが落ちてきました。稜線はまだかまだかと思っていたところに南面が開けて雄大な展望を望むことができました。登山口の広瀬湖を見下ろし、目の前には黒金山と乾徳山。左手には大菩薩連嶺、その先に道志、丹沢、御坂、天子の山々を見渡します。そして富士山。振り向けば道が通じる木賊山が目前です。

 展望地周辺は花崗岩が露出している場所です。こんな場所には岩の間に宿る花があるものです。花笑が嗅覚を働かせると…

Img_5377 イワザクラだ♪⇒クモイコザクラだそうです。

Img_5375 岩に宿る強さを感じました。

 あるじゃない、あるじゃない♪登山道から少し外れた岩場にピンクの比較的輪の大きな花の群生を見つけました。クモイコザクラです。(最初イワザクラかと思いましたが、南ア、八ツ、奥秩父の高山帯のみ自生する変種だそうです。)美しい花ながらも岩に根を下ろす強かさを秘めています。厳しい環境下にも強かに生きる小さな花たちに力を得ました。あと一息頑張りましょう!

Dsc00073 針葉樹林の平らな道

 元気を取り戻して歩き出しますと、すぐに戸渡尾根の終点。奥秩父の縦走路に出合いました。右手は雁坂峠方面、甲武信ヶ岳への道は左手の木賊山を越えていきます。分岐点から10分も樹林の中を歩くと、木賊山(とくさやま・2469m)の山頂に到達しました。針葉樹林やシャクナゲに囲まれて展望はありませんが、下界からは甲武信ヶ岳を隠してしまうほどの大きな山容を見せています。山頂付近で今回唯一の凍りついた残雪を見ることができました。

Dsc00075 山頂は樹林に覆われています。

 山頂には先行のオジさんが腰を下ろしていました。相模原から来たというこのオジさん。期待していたシャクナゲはイマイチでおまけに腹の調子が良くないとのこと。甲武信ヶ岳は何度か来ているから今回はコブシまでは行かず下山するそうです。暫しの山談義の後、丹沢にもしばしば足を運んでいるそうなので、再会を約して出発しました。

Dsc00077 コブシ来た~~~ッ!

 出がけに「すぐそこからコブシが見えるよ」とオジさんの声が追ってきました。何歩も歩かないうちに三角錐の見事な甲武信ヶ岳の山頂部が飛び込んできました。来たなぁ~~(つづく)

2017年6月24日 (土)

山行 未練のシャクナゲを見たい 甲武信ヶ岳~雁坂峠縦走その1

 今月から職場で「ポジティブ・オフ」が導入されました。ポジティブ・オフって何だろう?と思ったら、職員が休暇を取りやすい環境を企業が整えることによって、職員が豊かなライフスタイルを実現し、ワーク・ライフバランスによって企業は価値を高め、更には余暇の個人消費によって地域の経済が活性化するという余暇を活用して3つの効果を実現させる運動だそうです。

 具体的な取組は企業によって違いはあるでしょうけど、職場では月1の有給休暇の取得が奨励されました。(ただでさえ人手不足で忙しいのに…)お遊び大好き山笑にとっては水を得た魚。錦旗を得て官軍になったようなものです。仕事ではさえない山笑ですが、こういうことは先陣切って一番槍です。

Dsc07596 乾徳山からの武甲国境嶺

 夏至の頃、梅雨の晴れ間を見計らって県外へ山行しました。山梨県の北部、笛吹川(富士川)源流の西沢渓谷から出発して、甲斐(山梨)、武蔵(埼玉)、信濃(長野)の三国国境にそびえる奥秩父の名峰・甲武信ヶ岳を目指します。甲武信ヶ岳を選んだのは、先月末に伊豆・天城山のシャクナゲを見に行こうとかみにかけあったものの、無下に却下された経緯があって、それ以来シャクナゲに未練が残っていたものですから、ひと月遅いもののシャクナゲの名所である甲武信ヶ岳となったわけです。見頃は過ぎているような気もしますが…

Img_5359_2 広瀬ダムから木賊山(左)と破風山を望む

 甲武信ヶ岳は、奥秩父の中で金峰山、瑞牆山と並んで日本百名山にエントリーされていますが、山そのものの容姿が秀でている訳ではなく、また、人里からもほとんどその姿を認めることができません。この山が中央分水嶺上に位置していて、日本を代表する3つの大河がこの山を源としていることがエントリーされた理由のようです。山頂に降った雨のある一粒は笛吹川から富士川を流れ下って太平洋へ注ぎ、またある一粒は荒川を流れて東京湾へ。そしてもう一粒は千曲川から信濃川を経て日本海へ注ぐのですからスケールが大きいですよね。

 さて、職場の休暇を取ったは良いのですが、それ以上に難関なのがその休暇を山行や釣行に使うためのかみの認可です。「平日の朝から私の姿がなくても、仕事に行っているようなものだから気にならないよね?」と問わば、「帰ってきても玄関が開かないけどね」と相も変わらぬ冷たい返答。それでも何とか家事で胡麻をすって、「まあ父の日だから」と認可を得ることができました。

 登山口である西沢渓谷まで車で2時間。朝の3時に自宅を出発し、圏央道~中央道、R140などを経て、5時には登山口を立つ予定でした。ところが出がけに財布が見つかりません。冷や汗かきながらようやく見つけたものの30分のロスタイム。軍馬に鞭打って、トラック銀座の圏央道、ガラガラの中央道を快走して勝沼へ。ぶどう畑の中を走って塩山を通過。雁坂みちことR140を北上して、西沢渓谷の駐車場に着いたのは5時半。読み通りちょうど2時間の朝ドラ(ひよっこではありませんよ)でした。

Dsc09997_2 雁坂みち鶏冠山大橋と鶏冠山

 平日の早朝ですから駐車場はガラガラですが、先行者は何人かいるみたいです。また、西沢、東沢は渓流釣りのメッカでもあるので、入渓する人もいるようです。そりゃあ日の出から1時間も経っているんだから。夏至の時期は、日の出から日没までの時間が15時間近くもあるため、もっぱら日帰り山行しか認められない山笑にとっては、またとないロングトレイルのチャンスです。今回も甲武信ヶ岳を踏んで余力があれば、破風山~雁坂嶺~雁坂峠まで歩いて西沢渓谷に戻る三角コースを予定しています。三角歩きはマイカー登山者山笑の十八番。今までも、蝶ヶ岳~常念岳、八ヶ岳・編笠山~権現岳、硫黄岳~赤岳~阿弥陀岳、鳳凰三山・地蔵岳~観音岳~薬師岳など三角歩きを楽しんできました。

Dsc00005_2 西沢良いとこ一度はおいで♪

Dsc00008_2 森林軌道の橋げた

 西沢渓谷は、春の新緑、初夏のシャクナゲ、夏は渓流の涼感、秋は紅葉と四季を通じでトレッキングが楽しめる山梨県下屈指の観光地です。探勝路はかつての森林軌道を利用されているので、その名残を見ながら歩くのも楽しいでしょう。その西沢渓谷から甲武信ヶ岳への正面突撃路は戸渡尾根のルートです。尾根の半ばまでは、沢沿いを歩く近丸新道と甲武信山荘の管理人である山中徳治氏が整備した尾根上の徳ちゃん新道が並行しています。標高1,100mの西沢渓谷入口から標高2,400mの奥秩父縦走路まで、距離にして6km、標高差は約1,300mで奥秩父きっての急勾配だとか。丹沢・塔ノ岳の大倉尾根が距離7kmで標高差が約1,200mですから…それほどでもないのでは?

Dsc00012 序盤は樹林帯の急登

 甘い、甘い。徳ちゃんはルート序盤から急登の手荒い出迎えをしてくれました。カラマツ林の急登。ここは黙々と稼ぐしかありません。日が昇るにつれてエゾハルゼミの合唱が始まりました。ミョ~キン、ミョ~キン…また汗の臭いに引き寄せられたのか、ハエの類がブンブカと周囲をしつこく飛び回りました。ブユやヌカカのような吸血ハエの類かと警戒しましたが、幸いにして血を吸われたりはしませんでした。しかし、ウザい!家で長男に注意すると「ウザい」と嫌がられるのですが、こんな様に聞こえているのでしょうか。ブンブカ、ブンブカ…

Dsc00026 シャクナゲの群生地

Dsc00023 鶏冠尾根

 標高1,600m付近からシャクナゲの密生地に入りました。かなりの群生で花が咲けば映画「千と千尋の神隠し」に描かれるようなシャクナゲのトンネルを歩くのでしょう。しかし、シャクナゲは青々と葉を茂らせるばかりで花はどこにも見当たりません。どうやら花期はとっくに終わっていたようです。残念至極。ふと左手の樹上を見上げれば、荒々しい岩峰の鶏冠山が見えていました。山梨百名山では最上級レベルの鶏冠山。あの岩峰を辿る日が来るのでしょうか?

Dsc00034 サラサドウダンツツジ

Dsc00030 ふり返れば富士山が

 最初のシャクナゲ群生地の先はミツバツツジやサラサドウダンツツジの群生地です。ちょうど後者は小さい花が見頃でした。尾根上の道は明るく開けて、振り返ると富士山が見えていました。ああ、シャクナゲは何処?(つづく)

2017年6月22日 (木)

山行 山の上には緑が燃える 鍋割山マルガヤ尾根

 頃は夏至。をそろそろ夏休み恒例のアルプス登山に備えて歩き込んでおきたいところです。6月17日(土)、空梅雨の良いお天気でしたので、おなじみのお気軽お手軽コース、表丹沢県民の森から鍋割山稜を歩いてきました。

Dsc09919 夏山の様相

 最初は後沢乗越経由でボトル担ぎをやろうと思っていましたが、西山林道のハイカーの往来を見て再考。西山林道途中の本沢の先からマルガヤ尾根を歩くことにしました。マルガヤ尾根は、鍋割山南稜と小丸尾根のちょうど中間にあるマイナールートです。鍋割山稜に向かってひたすら直登する頑固一徹ルートですが、上部は草原の斜面を歩く気持ちの良さが気に入っています。

Dsc09920 本沢を渡ったら…

Dsc09921 植林帯を登って行きます。

 マルガヤ尾根は、マイナールートとはいえ踏み跡は明瞭ですし、ポイントポイントには赤テープがついています。ルートの最初は、植林帯の斜面をジグザグと稼いでいきます。林道から丸見えな斜面なので、「アイツ何やってんだ?」的な視線がちょっと痛いところです。

Dsc09926 尾根上をひたすら

Dsc09925 結構な斜度です。

 尾根上にあがったらこっちのものです。誰にも見咎められることのない一人歩きの始まりです。赤松やブナの根が張りだした尾根上をひたすら直登して行きましょう。一人歩きとはいえ、この時期の風物詩エゾハルゼミの大合唱が迎えてくれるので寂しくなんか微塵もありません。ミョ~キン、ミョ~キン…

Dsc09938 蝦夷春蝉

Dsc09974 羽化ラッシュです!

 名も無き928mの小ピークに到達すれば前半戦終了です。ブナ林に囲まれたピーク上は涼しくて休憩するには絶好のポイントです。暫し、木陰に腰を下ろして蝉時雨に打たれるひと時。なんという贅沢な時間なのでしょう。ミョ~キン、ミョ~キン…

Dsc09929 928mピーク

 マルガヤ尾根の後半戦は、ヤセ尾根やら岩場に根の張り出した危なっかしい箇所もありますが、やはり紹介したいのはクライマックスの草原の斜面です。草原にはジシバリ、クワガタソウ、シロバナヘビイチゴの花が。周囲の木にはヤマアジサイ、ツルアジサイ、ヤマボウシ、バイカウツギ、ニシキウツギの花を見ることができました。

Dsc09952 明るい草原歩き

Dsc09953 シロハナヘビイチゴ

Dsc09946 ヤマアジサイ

Dsc09951 ヤマボウシ

Dsc09986 キンラン

 標高を上げてくると展望も良く、左手には鍋割山南稜の向こうには富士山が。右手には小丸尾根、大倉尾根とその先に三ノ塔や大山が見えました。

Dsc09942 鍋割山南稜(富士山わかります?)

Dsc09950 手前から小丸尾根、大倉尾根、三ノ塔、大山

 県民の森から2時間弱で鍋割山稜に到達しました。鍋割山稜のルートから少し外れた草原に腰を下ろして、秦野市外や海岸線を見下ろします。

Dsc09958 尾根上部から秦野市街を展望

 爽やかな初夏の風に吹かれていると、頭に懐かしいリズムがよぎりました。グリーン、グリーン、山の上にはララ、緑が燃える♪

Dsc09981 小人の視点

 そうそう、暑くなってきたので、そろそろ夏の虫に会えるのではと思い注意していると…

Dsc09992

 小さなクワガタを見つけました。

2017年6月21日 (水)

夏至の夜

 今日は夏至ですね。そして天然児の誕生日。そして大雨(笑)新聞のテレビ欄に西部警察の最終回「大門死す!男たちよ永遠に・・・」を発見。ビデオに収録してあったので何度も視てはいるのですが、ついつい缶チューハイ片手にテレビの前に腰を下ろしています。

Img_5405 RSに追いかけられてみたいなぁ~

 みんな~誰かに~愛されて~、そして~誰かを~愛して~る~♪テレビに熱中していたあの頃の番組は今でも色あせることはありませんね。

2017年6月18日 (日)

アオダイショウはお昼寝中

 梅雨の晴れ間。気温も上がって、上野不忍池の生き物たちも俄然元気です。そんな生き物たちを紹介します。

Img_5295 まな板の上の鯉

 最近、気にしている奇形のイシガメがいます。カメの甲羅は真ん中が高いドーム型ですが、この小さなイシガメは真ん中が凹んだお皿型です。内蔵とかちゃんと収まっているのかな?

Img_5303 ちょっと窮屈そう

 さて、お昼の散歩中に群れるコイを眺めていたときのこと…

Img_5308 左良し

Img_5310 右良し

Img_5311 それでは~

Img_5312 伸びる伸びる

Img_5313 やや、結構大きいぞ

Img_5315 アオダイショウだ!

 池の中から体調1.5mはありそうなアオダイショウが登場しました。ヘビは変温動物ですから、水の中を泳いできて体が冷えてしまったのか岸に上がって日向ぼっこを始めました。

Img_5322 ハトさん危ない危ない!(この後間近で気づいてブッ飛び)

 しばらくすると…

Img_5325 うえ~!!もう1尾登場

 更にもう1尾の青大将が登場しました。すると、今まで日向ぼっこをしていたヘビがまた泳ぎ出して、新たに登場したアオダイショウに場所を譲って去って行きました。

Img_5327 ヘビの社会も譲り合い
 東京のど真ん中にこんな立派なヘビがのんびり暮らしているんですね。アオダイショウなんて、山に行ってもなかなかお目にかかれません。不忍池にはドブネズミやカエル、鳥たちも沢山いますから、餌に困らず快適なのかもしれませんね。今や生き物の世界にも都市化や東京一極集中の波が及んでいるのかもしれません。

2017年6月16日 (金)

我が家の樹下の二人

 サンショウバラの丘にあった失われた「樹下の二人」。実は身近なところにも「樹下の二人」があったんです。

Img_5335 ピーちゃん&シュンちゃん

 我が家の居間に置かれている観葉植物ベンジャミンの木の枝には、いつも仲良し文鳥の2羽が羽を休めています。え?樹下じゃなくて木の枝だって。ふーむ。樹下にはむしろ2羽の落とした爆弾だらけですね。これが現実です。

2017年6月15日 (木)

雨の夜の珍客

 関東地方は6月7日に梅雨入りしましたが、今のところは雨の日も少なく空梅雨模様です。そんなある夜のこと。東京を出たときは傘が必要ない天気だったのが、地元に帰ってきたらザンザン降り。我が家のキッチンドリンカーには救援も頼めず、雨中の強行突破となりました。

 家の近くまでくると…?何やら白いものが路上を横切っています。まさかー!足ありますよね?

Img_5298 安心してください!いっぱいありますよ。

 白いものの正体はサワガニでした。自宅周辺は丘陵の凹地を宅地化しているので、山の水が染み出しています。下から上がってくる道の暗渠は沢水の名残です。今までも雨が降る夜にしばしばサワガニを見かけることがありましたし、車に踏まれてペシャンコになっている姿を見ることもありました。

 帰宅時間帯は車の往来もあるので、踏まれては気の毒と自宅に連れて帰りました。早速天然児の天覧に供すると、最初のうちは甲羅をツンツンしていましたが、それ以上は怖くて触れないようでした。むしろ食らいついたのはキッチンドリンカーことかみです。手のひらにのせたり指を挟ませてみたり。そのうち腕を登らせて「ホラホラ、カニは前にも歩くんだよ♪」当に「虫愛ずる姫君」…もとい、「カニ愛ずるオバちゃん」です。

 我が家に逗留いただいたサワガニでしたが、2昼夜ぶりに今朝方、山際の側溝に解放されました。

2017年6月13日 (火)

山行 あこがれの樹下の二人へ 不老山西県境尾根その2

 県境尾根を東へ。尾根道は、白嵓(くら)ノ頭から一気に下降して標高は750mほどの峰坂峠に至って、ここから不老山に取りつく世附峠までは平行移動になります。樹相も一変して周囲は植林帯となりますが、所々展望が開けて、行く手には不老山、振り返ると歩いてきた湯船山、南に駿河小山の集落を見下ろせるようになります。

Dsc09817 峰坂峠のシカさん

Dsc09867 湯船山を振り返る

 やがて杉の植林帯の際に満開のサンショウバラを見つけました。明神峠近くの木と違って樹高2~3mの低木でしたので、人の目線でも花が観察しやすかったです。花々の間をマルバナバチがブンブカと忙しく飛び回っていました。結局、今回のコース上でこの木が一番花が多かったようです。

Dsc09828 満開のサンショウバラ

Dsc09830 観察しやすい高さ♪

 ここから先が今回のお目当てであるサンショウバラの群生地になります。尾根上から植林帯が下がって、サンショウバラの他にウツギなどの低い雑木が生い茂る明るい道になります。その分、足元の土は真っ黒な火山灰です。富士山が近いこの辺りの山々には、富士山最後の噴火である宝永年間の大噴火(1707年)で大量の火山灰が降り注いだので、その名残でしょう。黒い火山灰に白い落花が飾ってお花畑のようでした。こういう視点を変えたお花見も面白いですよね。

Dsc09842 地面に花が咲きました。

 三国峠方面から歩いてきて、ウツギの木は結構ありましたけど、大方花が終わっていました。でも、この一帯のバイカウツギはまだまだ見頃でしたよ。その他、小さいバナナのような花びらの蔓性植物スイカズラの花が目立ちました。花が白から黄色に変色する変わり種で、「金銀花」の別称があるそうです。

Dsc09860 バイカウツギ

Dsc09857 蔓性のスイカズラ

 やがて、草原状の広い丘の上に到達しました。この場所がサンショウバラの丘と呼ばれる場所です。急峻な丹沢山地一帯でもこのようなのんびりとした場所は珍しいですね。北面には菰釣山から西へ山中湖方面に延びる甲相国境尾根、南面は曇っていましたが、箱根の山々、その他周囲の山々の展望が素晴らしい場所です。ヤーホー!

Dsc09855 甲相国境尾根を望む

 サンショウバラの丘のサンショウバラはといえば…

Dsc09854 見頃は過ぎていました。
 残念ながらサンショウバラの丘のサンショウバラはほとんど落ちていました。木は沢山生えているので、見頃の時期は素晴らしいことでしょう。

Dsc09844 不老山は雲の中

 サンショウバラの丘は、別名「蘇峰台」とか「樹下の二人」と呼ばれていました。前者の由来ですが、昭和11年の夏にかの思想家、徳富蘇峰が夫人と共に駕籠に乗り、50名ものお供を連れてこの地を訪れた際、箱根連山や駿河湾を見渡す風景にいたく感動したのだそうです。後者の由来は、前回ご紹介した不老山周辺の登山道を整備してこられた小山在住の名物オジさん。このオジさんが、丘の上に立っていたマユミの木の下からの展望を高村光太郎の詩集「智恵子抄」の一文、「樹下の二人」に詠まれた福島安達ヶ原・二本松の風景になぞらえて名付けたそうです。

Dsc09845 樹下の二人より湯船山

~みちのくの安達ヶ原の二本松松の根方に人立てるを見ゆ~

あれが阿多多羅山(安達太良山)、あの光るのが阿武隈川。

こうやって言葉少なに座っていると、うっとり眠るような頭の中に、

ただ遠い世の松風ばかりが薄緑に吹き渡ります。

この大きな冬の初めの野山の中に、

あなたと二人静かに燃えて手を組んでいる喜びを、

下を見ているあの白い雲に隠すのはよしましょう…(高村光太郎「智恵子抄」より)

Dsc09846 残念ながら全文は解読不能

 残念ながら、今ではマユミの木は枯れてしまい、オジさんが立てた道標も倒れて朽ち果てようとしていました。樹下の二人…この名称もサンショウバラと共に私を惹きつけてやまなかったんですよねぇ~♪いつかは誰かと樹下の二人の様な場面を味わいたいものですが…今回も丘の上にはオヤジ一人です。

Dsc09868 優しいねチミ~

 そんなオヤジの心を癒すように足元では小さなフンコロガシがせっせと這い回っていました。ドン!東富士演習場から砲声が聞こえてきました。まだ半ドン。復路を返しましょう。

★コースタイム:3時間55分

三国山東登山口5:15→5:35明神峠→5:40鉄塔下のサンショウバラ5:45→6:10湯船山→7:05サンショウバラの丘7:15

→8:30湯船山→8:50明神峠→9:10三国山東登山口

2017年6月11日 (日)

山行 サンショウバラを見に行こう 不老山西県境尾根その1

 神奈川県の西端、酒匂川上流の鮎沢川と丹沢湖上流の世附川に挟まれた位置に不老山という山があります。一般的には大野山などと同じく西丹沢の前衛の山とされているようですが、地図を眺めていると静岡県と山梨県を隔てる三国山稜の延長とも見えるので微妙な立ち位置です。

Dsc09864 サンショウバラ(山椒薔薇)

 7、8年前の台風でアクセスする登山道や林道が大荒れに荒れたため、最近は登山者も減ってしまったこの山ですが、西に延びる尾根上にサンショウバラという珍しいバラ種が咲く場所があって、5月中旬から6月上旬の一時期に限って多くの登山者が訪れているようです。このサンショウバラは以前から気になってはいたのですが、花季が短く毎年「咲いたから行こう」と思っているうちに見頃が過ぎているような状況で、私的にはサンショウバラ見物は数年来の課題でした。今年も既に花の見頃が過ぎているとの情報でしたが、歩いてみることにしました。

Dsc09785 スタート地点

 神奈川、静岡、山梨の三県境三国峠を越える山中湖小山線で登山口となる明神峠にやって来ました。ところが、急坂が続く明神峠周辺には駐車スペースがありません。悪いとは思いつつも世附林道のゲート前に駐車しようか迷っていると、別の車が来て先に停められてしまいました。いつもながら優柔不断が仇になってしまいます。仕方ないので、少し県境方面に進んで、縦走路と道路が交差する三国山東登山口前のスペースに軍馬を入れました。

Dsc09786 雲海に浮かぶ箱根の山々

Dsc09892 富士山近いですよ!

 スタート地点は標高1,052mで、明神峠(900m)より150mも高い場所です。ちょっとモヤモヤしましたが、時間も限られているのでサッサと歩き始めました。三国山稜と不老山を結ぶ県境尾根を往復することになりますが、近年では富士箱根トレイルのコース上になっているため明瞭で道標などが整備されています。

Dsc09787 ブナの大木多し

 尾根上の前半はブナの森を歩きます。大木が多い鬱蒼とした尾根上ですが、明神峠までの下りは走ってきた県道が併走しているので、早朝から四輪や単車がすぐ横を通過していきます。富士山の好展望地があるこの道は人気のドライブ道ですからね。そうは言っても、実に野生動物が多く、歩き出すといきなりアナグマやシカを見かけました。先行者がいないにしても、道路と草むら一つ隔てるだけなのに驚きです。

Dsc09885 明神峠登山口

 明神峠を通過。先述のゲート前駐車の人が支度をしていましたが、後々見かけなかったので、世附林道方面に渓流釣りに入る人かもしれません。登山口にはカラフルな道標というか案内板があります。地元小山町にお住まいで、このルートの整備に長年尽力された名物オジさんが制作、設置してきたものです。これがまた実にコメントや作りが凝っていて、この道標を見ながら歩くのも楽しいでしょう。しかし、残念ながら名物オジさんと地元行政との間にはわだかまりがあるらしく、道標は荒れるにまかされている現状のようです。

Dsc09800 名物道標の一例

 明神峠からブナ林の中を少し進んだところに尾根を跨ぐ送電線の鉄塔が立っています。この鉄塔の足元にサンショウバラが数本自生していました。やはり見頃は過ぎていましたが、日当たりがあまりよくない場所であるためか、それなりに花が咲いていました。でも、この木は花が高い枝に咲いていたので、ちょっと観察しづらかったですね。

Dsc09795 サンショウバラの木

 サンショウバラは高さ5mほどの低木のバラで、その名のとおり葉が山椒の葉ににていることが特徴です。淡いピンク色の花は、一般的なバラとは違って5枚一重の花びらで形成されています。直径5cmほどで意外と大きな花輪で、色といい形といい見る人を和ませてくれます。ちなみに花言葉は「温かい心」だそうです。ルンルン♪

Dsc09792 高いところに咲いていました。

 サンショウバラの分布ですが、当にこの三県県境である富士箱根一帯のみで、絶滅危惧種に指定されているそうです。ハコネバラとも呼ばれたりしますが、山向こうの山中湖村では村の花として指定されているそうです。残念ながら前述のとおり花持ちが悪く、朝開いた花はその日のうちに落ちてしまうそうです。

Dsc09802_2 御正体山だ。

Dsc09875 心を洗うブナの道

Dsc09878 ヤマツツジ

 県境尾根は多少のアップダウンはありますが、割と平坦なルートで、場所によっては平行移動もあります。ブナ林が続いて実に気持ちの良いルートです。所々ヤマツツジの花がまだ残っていました。唯一残念なのは、ツーリングで人気の三国峠が近いため単車の爆音がひっきりなしに聞こえてくることです。

Dsc09804 湯船山山頂は樹林の中

 ブナの道を進んでいくと湯船山(1041m)の山頂に到達しました。バスが上がる明神峠から不老山方面に歩いた場合、ここが最高地点になるのですが、今回の場合はスタート地点の方が10mほど高い(笑)山頂は樹林に囲まれていて展望はありません。木々の間からまだ雪を頂いた大きな富士山が存在感を示しているのが何とも憎々しいですね。

Dsc09810 雲がかかって神秘的です。

 湯船山から次の白嵓(くら)ノ頭にかけては、鬱蒼としたブナ林に雲がかかって神秘的な雰囲気になってきました。明神峠近くに数台の車が停まっていたのですが、先行者の気配はありません。やはり世附川上流に渓流釣りに来た人たちなのでしょう。もし白髪頭のお年寄りが対向してきたら、それはきっと不老山に住む不老不死仙人なのでしょう。そんなことも思えてしまう雰囲気です。

Dsc09815 朝ご飯中のシカさん

 そう思っているうちに…ほらほら、前方にシカの群れがいますよ。どうやら朝ご飯の最中のようですね。こちらの存在にはまだ気づいていないようで、のんびりと草を食んでいました。あ、あのさ、あのさ、お食事中悪いんだけど、そこを通りたいんだよね。(つづく)

2017年6月 9日 (金)

ツボにはまる生き物たち

 季節は初夏です。梅雨の晴れ間には気温が上がって、まだ暑さに慣れぬ身にはかなりこたえる時期であります。それは生き物たちも同じこと。人の身近に暮らす生き物たちが思わぬ姿を見せてくれることがあります。

Img_5182 ハトの沐浴
 暑さしのぎで水辺を求めるのは人も鳥も同じのようです。いかにも鳥らしい場所でハトの沐浴シーンを見つけました。

Img_5177 グダグダ感がたまりません。

 長い首でおなじみの鵜です。川鵜、海鵜と水辺に生活するこの鳥は、魚を大量に捕食するため「ギャング」などと呼ばれることもあります。不忍池でも日だまりで翼を大きく広げて体を乾かす姿をよく見かけます。

Img_5179 不忍池の主、大スッポン登場

Img_5180 なんだバカヤロー

 カメたちの甲羅干しも不忍池ではおなじみの光景です。いろんなカメがいる中で、異色な存在がラスボス的存在の大スッポンです。大きく鎌首をもたげてドヤ顔ですが、人の視線を感じると、それに応えるように顔を向けてくれるんですよ。これはたまらんです♪

Img_5186 天神さんの境内

 湯島天神の境内にある池。ここにも数匹のカメが住み着いています。この池に浮いている大岩の形がカメにそっくり。その亀岩の上で体を休めるカメの姿が何ともたまらんです♪

Img_5153 38tみたいに元気です。
 湯島天神の男坂の下に位置する湯島聖天こと天台宗心城院。この小さなお寺の境内にあるのが、イシガメたちが暮らす亀池です。この時期は、小さな子ガメが元気に歩き回って軽戦車みたいです。

Img_5190 餌をねだるコイたち

 不忍池で圧倒的な存在がコイたちです。池の管理者からは生き物に餌を与えることは禁じられていますが、そんなことはお構いなしの場面もよく見かけます。餌を求めて集まるコイの大群は正直おぞましい。でもそんな中にも意外な姿を見つけましたよ。

Img_5190_2 あらら、お熱いこと

 コイも恋するのかしら~?よく食べるスイミー♪生き物って面白いですね。ホント癒されますよ。

2017年6月 8日 (木)

山行 90分で花に富士にシカも 金時山

 天城山のシャクナゲが今年は10年に1度の当たり年だという新聞記事を目にしました。これは是非見ておきたいと思いかみに交渉したところ、無下もなく却下されてしまいました。最近、家事の手伝いを少し手を抜いていたからでしょうか?

Dsc09665 猪鼻砦からの金時山

 6月4日(日)、朝駆けしてやって来たのは静岡県境の足柄峠です。朝寝坊のかみが寝ている間に朝の散歩を楽しんでやろうというわけです。久しぶりに足柄峠から金時山を往復します。

 6時過ぎに登山口である林道ゲートを歩き出しましたが、既に多くのハイカーが往来しています。既に下山してきている人たちは夜明けとともに歩き出しているのでしょう。「昨日は見なかったな」とか「今日は遅せえな」と挨拶を交わしている人たちは、毎日金時山に登っている人たちでしょう。

Dsc09661 ヤマアジサイ

Dsc09720 ヤブウツギ

Dsc09668 ハコネウツギ

Dsc09678_2 マルバウツギ

Dsc09687 ツクバネウツギ

Dsc09698 ヤマツツジ

 林道沿いにはヤマツツジやウツギの類が目立っていました。ウツギというのはアジサイ科の低木で、茎が中空になっていることから「空木」と名付けられたそうです。ヤブ、マルバ、ツクバネ、ハコネと多種のウツギが咲いて、初夏の到来を告げていました。

Dsc09676 シロヤシオの花は既に終わり

Dsc09680 五葉が茂ります。

 神奈川県下でシロヤシオことゴヨウツツジが自生しているのは、丹沢の主稜線以外は金時山のみです。既に木には五葉が繁って花は全て落花していました。

Dsc09702 ホタルカズラ

Dsc09697 ハンショウヅル

Dsc09717 ツチアケビの新芽

Dsc09708 誰かが植えたアヤメ

 道端には小さな花を見ることができました。どれも小さく地味なものが多かったのですが、異様に目立っていたのは猪鼻砦付近に咲いていたアヤメの花です。近くで腰を下ろしていたご婦人は「これ誰かが植えたんでしょ。引っこ抜いちゃおうかしら」とお怒りでした。確かに植生のバランスを壊すものでしょうけど、こうも美しく咲いているのを抜くのも惜しい気がしますね。

Dsc09709 林道で出会ったシカ

 林道歩きでシカに出会いました。箱根でシカに出会うのは珍しいですね。それにしても、これだけ人の往来が多い道のすぐ近くにも動物が生活しているんですね。

Dsc09675 頭を雲の上に出し

 金時山は富士山の好展望地として多くのハイカーを集める山ですが、富士も箱根も雲がかかりやすい山です。この日も山腹から雲から突き出した富士山頂を一瞬認めただけでした。これはこれで富士山らしい高度感がありますよね。

Dsc09692 おや、あれはなんでしょう?

 山頂直下を振り返ると丹沢の山並みを望むことができます。その中で不思議なものを見つけました。

Dsc09673 ホウの花です。

 樹上に咲いた一輪の花は、白くかなりの大輪です。この花はホウの木に咲く花です。ホウの大きな葉には殺菌作用があって、ホウ葉味噌焼きなど古くから料理に使用されてきた身近な植物ですが、この白く大きなホウの花を見る機会は余りないでしょう。

Dsc09682 山頂から箱根の展望

 往復90分のお散歩程度の山行でしたが、お花いっぱい盛りだくさんでした。

2017年6月 3日 (土)

GO GO EAST 2017

 金曜の夜。普段飲み慣れない日本酒を結構飲んじゃいました。ほろ酔い加減で家路について、ふと我に返れば城下町小田原。ヤレヤレ3駅戻らねば。「…本日の上り電車は終了しました…」あちゃー。しかし、幸いにして翌日は休日なので、酔い醒ましに二宮まで歩いて帰ることにしました。その距離およそ13km。

Img_5259 R1をひたすら東進

 ルートは国道1号線をひたすら東進するだけですから迷うことはありません。真夜中の一人歩きですが、東海道を往来する車は多いし、最近は夜中にジョギングしたりロードバイクを転がしている人がいるので寂しくはありません。更にたまにパトカーが巡回しているので安心です。え?お前が不審者だって。

Img_5264 いつもお世話になっております。

 最近は山歩きで多少なりとも鍛えているお陰で平坦な道を十数キロの歩くことはわけないのですが、単調な道路歩きがつまらないからか、履物が悪いせいか何か疲れます。車で走ると30分もかからない道程なので、ポイントを通過する度に「まだこんなところか」と苛立ってしまいます。小田原方面に戻っていくタクシーの「空車」表示が魅力的に感じる頃、国府津の先、前川にあるお不動さんの登場で闘魂注入です。

 小田原駅からで40分で酒匂川(3km)。1時間25分で国府津駅(7km)、2時間15分で二宮駅(12km)と歩いて、2時半前に帰宅できました。テーブルの上にプリントが…あ!今日は天然児の運動会だった。

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