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2017年6月11日 (日)

山行 サンショウバラを見に行こう 不老山西県境尾根その1

 神奈川県の西端、酒匂川上流の鮎沢川と丹沢湖上流の世附川に挟まれた位置に不老山という山があります。一般的には大野山などと同じく西丹沢の前衛の山とされているようですが、地図を眺めていると静岡県と山梨県を隔てる三国山稜の延長とも見えるので微妙な立ち位置です。

Dsc09864 サンショウバラ(山椒薔薇)

 7、8年前の台風でアクセスする登山道や林道が大荒れに荒れたため、最近は登山者も減ってしまったこの山ですが、西に延びる尾根上にサンショウバラという珍しいバラ種が咲く場所があって、5月中旬から6月上旬の一時期に限って多くの登山者が訪れているようです。このサンショウバラは以前から気になってはいたのですが、花季が短く毎年「咲いたから行こう」と思っているうちに見頃が過ぎているような状況で、私的にはサンショウバラ見物は数年来の課題でした。今年も既に花の見頃が過ぎているとの情報でしたが、歩いてみることにしました。

Dsc09785 スタート地点

 神奈川、静岡、山梨の三県境三国峠を越える山中湖小山線で登山口となる明神峠にやって来ました。ところが、急坂が続く明神峠周辺には駐車スペースがありません。悪いとは思いつつも世附林道のゲート前に駐車しようか迷っていると、別の車が来て先に停められてしまいました。いつもながら優柔不断が仇になってしまいます。仕方ないので、少し県境方面に進んで、縦走路と道路が交差する三国山東登山口前のスペースに軍馬を入れました。

Dsc09786 雲海に浮かぶ箱根の山々

Dsc09892 富士山近いですよ!

 スタート地点は標高1,052mで、明神峠(900m)より150mも高い場所です。ちょっとモヤモヤしましたが、時間も限られているのでサッサと歩き始めました。三国山稜と不老山を結ぶ県境尾根を往復することになりますが、近年では富士箱根トレイルのコース上になっているため明瞭で道標などが整備されています。

Dsc09787 ブナの大木多し

 尾根上の前半はブナの森を歩きます。大木が多い鬱蒼とした尾根上ですが、明神峠までの下りは走ってきた県道が併走しているので、早朝から四輪や単車がすぐ横を通過していきます。富士山の好展望地があるこの道は人気のドライブ道ですからね。そうは言っても、実に野生動物が多く、歩き出すといきなりアナグマやシカを見かけました。先行者がいないにしても、道路と草むら一つ隔てるだけなのに驚きです。

Dsc09885 明神峠登山口

 明神峠を通過。先述のゲート前駐車の人が支度をしていましたが、後々見かけなかったので、世附林道方面に渓流釣りに入る人かもしれません。登山口にはカラフルな道標というか案内板があります。地元小山町にお住まいで、このルートの整備に長年尽力された名物オジさんが制作、設置してきたものです。これがまた実にコメントや作りが凝っていて、この道標を見ながら歩くのも楽しいでしょう。しかし、残念ながら名物オジさんと地元行政との間にはわだかまりがあるらしく、道標は荒れるにまかされている現状のようです。

Dsc09800 名物道標の一例

 明神峠からブナ林の中を少し進んだところに尾根を跨ぐ送電線の鉄塔が立っています。この鉄塔の足元にサンショウバラが数本自生していました。やはり見頃は過ぎていましたが、日当たりがあまりよくない場所であるためか、それなりに花が咲いていました。でも、この木は花が高い枝に咲いていたので、ちょっと観察しづらかったですね。

Dsc09795 サンショウバラの木

 サンショウバラは高さ5mほどの低木のバラで、その名のとおり葉が山椒の葉ににていることが特徴です。淡いピンク色の花は、一般的なバラとは違って5枚一重の花びらで形成されています。直径5cmほどで意外と大きな花輪で、色といい形といい見る人を和ませてくれます。ちなみに花言葉は「温かい心」だそうです。ルンルン♪

Dsc09792 高いところに咲いていました。

 サンショウバラの分布ですが、当にこの三県県境である富士箱根一帯のみで、絶滅危惧種に指定されているそうです。ハコネバラとも呼ばれたりしますが、山向こうの山中湖村では村の花として指定されているそうです。残念ながら前述のとおり花持ちが悪く、朝開いた花はその日のうちに落ちてしまうそうです。

Dsc09802_2 御正体山だ。

Dsc09875 心を洗うブナの道

Dsc09878 ヤマツツジ

 県境尾根は多少のアップダウンはありますが、割と平坦なルートで、場所によっては平行移動もあります。ブナ林が続いて実に気持ちの良いルートです。所々ヤマツツジの花がまだ残っていました。唯一残念なのは、ツーリングで人気の三国峠が近いため単車の爆音がひっきりなしに聞こえてくることです。

Dsc09804 湯船山山頂は樹林の中

 ブナの道を進んでいくと湯船山(1041m)の山頂に到達しました。バスが上がる明神峠から不老山方面に歩いた場合、ここが最高地点になるのですが、今回の場合はスタート地点の方が10mほど高い(笑)山頂は樹林に囲まれていて展望はありません。木々の間からまだ雪を頂いた大きな富士山が存在感を示しているのが何とも憎々しいですね。

Dsc09810 雲がかかって神秘的です。

 湯船山から次の白嵓(くら)ノ頭にかけては、鬱蒼としたブナ林に雲がかかって神秘的な雰囲気になってきました。明神峠近くに数台の車が停まっていたのですが、先行者の気配はありません。やはり世附川上流に渓流釣りに来た人たちなのでしょう。もし白髪頭のお年寄りが対向してきたら、それはきっと不老山に住む不老不死仙人なのでしょう。そんなことも思えてしまう雰囲気です。

Dsc09815 朝ご飯中のシカさん

 そう思っているうちに…ほらほら、前方にシカの群れがいますよ。どうやら朝ご飯の最中のようですね。こちらの存在にはまだ気づいていないようで、のんびりと草を食んでいました。あ、あのさ、あのさ、お食事中悪いんだけど、そこを通りたいんだよね。(つづく)

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