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2017年6月13日 (火)

山行 あこがれの樹下の二人へ 不老山西県境尾根その2

 県境尾根を東へ。尾根道は、白嵓(くら)ノ頭から一気に下降して標高は750mほどの峰坂峠に至って、ここから不老山に取りつく世附峠までは平行移動になります。樹相も一変して周囲は植林帯となりますが、所々展望が開けて、行く手には不老山、振り返ると歩いてきた湯船山、南に駿河小山の集落を見下ろせるようになります。

Dsc09817 峰坂峠のシカさん

Dsc09867 湯船山を振り返る

 やがて杉の植林帯の際に満開のサンショウバラを見つけました。明神峠近くの木と違って樹高2~3mの低木でしたので、人の目線でも花が観察しやすかったです。花々の間をマルバナバチがブンブカと忙しく飛び回っていました。結局、今回のコース上でこの木が一番花が多かったようです。

Dsc09828 満開のサンショウバラ

Dsc09830 観察しやすい高さ♪

 ここから先が今回のお目当てであるサンショウバラの群生地になります。尾根上から植林帯が下がって、サンショウバラの他にウツギなどの低い雑木が生い茂る明るい道になります。その分、足元の土は真っ黒な火山灰です。富士山が近いこの辺りの山々には、富士山最後の噴火である宝永年間の大噴火(1707年)で大量の火山灰が降り注いだので、その名残でしょう。黒い火山灰に白い落花が飾ってお花畑のようでした。こういう視点を変えたお花見も面白いですよね。

Dsc09842 地面に花が咲きました。

 三国峠方面から歩いてきて、ウツギの木は結構ありましたけど、大方花が終わっていました。でも、この一帯のバイカウツギはまだまだ見頃でしたよ。その他、小さいバナナのような花びらの蔓性植物スイカズラの花が目立ちました。花が白から黄色に変色する変わり種で、「金銀花」の別称があるそうです。

Dsc09860 バイカウツギ

Dsc09857 蔓性のスイカズラ

 やがて、草原状の広い丘の上に到達しました。この場所がサンショウバラの丘と呼ばれる場所です。急峻な丹沢山地一帯でもこのようなのんびりとした場所は珍しいですね。北面には菰釣山から西へ山中湖方面に延びる甲相国境尾根、南面は曇っていましたが、箱根の山々、その他周囲の山々の展望が素晴らしい場所です。ヤーホー!

Dsc09855 甲相国境尾根を望む

 サンショウバラの丘のサンショウバラはといえば…

Dsc09854 見頃は過ぎていました。
 残念ながらサンショウバラの丘のサンショウバラはほとんど落ちていました。木は沢山生えているので、見頃の時期は素晴らしいことでしょう。

Dsc09844 不老山は雲の中

 サンショウバラの丘は、別名「蘇峰台」とか「樹下の二人」と呼ばれていました。前者の由来ですが、昭和11年の夏にかの思想家、徳富蘇峰が夫人と共に駕籠に乗り、50名ものお供を連れてこの地を訪れた際、箱根連山や駿河湾を見渡す風景にいたく感動したのだそうです。後者の由来は、前回ご紹介した不老山周辺の登山道を整備してこられた小山在住の名物オジさん。このオジさんが、丘の上に立っていたマユミの木の下からの展望を高村光太郎の詩集「智恵子抄」の一文、「樹下の二人」に詠まれた福島安達ヶ原・二本松の風景になぞらえて名付けたそうです。

Dsc09845 樹下の二人より湯船山

~みちのくの安達ヶ原の二本松松の根方に人立てるを見ゆ~

あれが阿多多羅山(安達太良山)、あの光るのが阿武隈川。

こうやって言葉少なに座っていると、うっとり眠るような頭の中に、

ただ遠い世の松風ばかりが薄緑に吹き渡ります。

この大きな冬の初めの野山の中に、

あなたと二人静かに燃えて手を組んでいる喜びを、

下を見ているあの白い雲に隠すのはよしましょう…(高村光太郎「智恵子抄」より)

Dsc09846 残念ながら全文は解読不能

 残念ながら、今ではマユミの木は枯れてしまい、オジさんが立てた道標も倒れて朽ち果てようとしていました。樹下の二人…この名称もサンショウバラと共に私を惹きつけてやまなかったんですよねぇ~♪いつかは誰かと樹下の二人の様な場面を味わいたいものですが…今回も丘の上にはオヤジ一人です。

Dsc09868 優しいねチミ~

 そんなオヤジの心を癒すように足元では小さなフンコロガシがせっせと這い回っていました。ドン!東富士演習場から砲声が聞こえてきました。まだ半ドン。復路を返しましょう。

★コースタイム:3時間55分

三国山東登山口5:15→5:35明神峠→5:40鉄塔下のサンショウバラ5:45→6:10湯船山→7:05サンショウバラの丘7:15

→8:30湯船山→8:50明神峠→9:10三国山東登山口

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