山行 頭を取るってなんだ? 大山・梅の木尾根その1
長男の受験も全て終わってホッとしました。この先心置きなく山行が楽しめそうです。…無理かな。2月24日(土)、週末恒例の軽ハイクに出かけてきました。
伊勢原市の名刹日向薬師の奥、日向ふれあいの森キャンプ場の駐車場が今回の起点です。大山の東稜線は3、4年前はよく歩いたものですが、最近はてんでご無沙汰でした。駐車場周辺の日陰には雪が残り、そこから見上げる大山の稜線にはまだまだ雪が多いようです。
先ずは道路を少し下って、浄発願寺奥の院の参道に入ります。浄発願寺は、江戸時代初期(1608年)に天台宗の弾誓上人によって開山され、徳川将軍家をはじめ佐竹、藤堂など諸大名の信仰も厚く大いに繁栄したようです。しかし、大正12年の関東大震災、昭和13年の山津波によって壊滅してしまい、現在は1kmほど下流に再建されて、従来からの本堂の場所は奥の院とされました。
浄発願寺の歴史で特徴的なのは、江戸時代「罪人の駆け込み寺」となっていたことです。さすがに放火と殺人はダメだったようですが、犯罪を犯した者でもこの寺に逃げ込めば、法の裁きから逃れることができたそうです。法の裁きから逃れたとしてもキツーい修行が待っていたんでしょうけど、私もかみに追われることがあったらこの寺に逃げ込むことにしましょう(笑)残念ながら今はありませんけどね。
奥の院に続く参道は杉林の中で、右手には沢と平行しています。それらしい遺構といえば、参道の脇に並ぶ数多くの石仏や石碑です。その全てが頭部を失っているのは、明治初期の仏教排斥運動、廃仏毀釈の被害を受けたからでしょうか。なんとも痛々しい限りですが…
「山笑よ。我々の姿を痛ましいと思うか?無残と思うか?頭をとることはそれ即ち観念にとらわれないこと。我々は石仏だが、頭が取れたことで身の軽いことこの上ない。山笑よ、頭を取れ!」石仏がそんなことを語りかけてきたような気がしました。
土台だけ残る浄発願寺の本堂跡。そこは沢の出合にある平坦地ですが、いかにも大雨が降れば土砂の流入がありそうな場所でした。ここから左手の山腹をひと登りすると開山の弾誓上人が修行したといわれる岩窟があります。岩窟の前には石塔が並んで霊気漂う場所でした。
ここからは大山に向けて梅の木尾根の登山道を進みます。(つづく)
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