日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
神奈川県の県西部から東京都心まで通う長距離組にとっては、早引きでもしない限りは暗くなってから帰宅するのが当たり前なのですが、通勤1年のうち最も日の長いこの時期、職場をピンポンダッシュするとまだ薄明るいうちに帰宅できます。別に一刻も早く家に帰りたい。帰らなければならない訳でもないんですが、これがいやに嬉しくなるんですよね。
さて、今日も定時退社でベルサッサ。1時間半冷房の効いた電車の中で熟睡して、昼間の猛暑の余韻が残る地元の駅に降り立つと熱気で倒れそうになります。ゆっくりと夕暮れの雰囲気を楽しみながら家まで歩いて帰りましょう。
家の近くまでやってくると、ん?道路横の駐車場に複数の動物が動いています。
最初は野良猫の集会かと思ったのですが、細長い胴体に長い尻尾。小さい頭と眉間には白線が入った特徴はハクビシンですね。ハクビシンは人里近くの山野に生息していて、ときには古民家や納屋などに住み着いてしまうほど人には身近な動物ですが、元来は東南アジアから渡ってきた帰化動物といわれています。夜、近所をウロついている姿はたまに見かけますし、猫の額に見慣れない動物の糞が排泄されていることもありますが、きっと犯人はこのハクビシンでしょう。
私の他にも帰宅するサラリーマンや犬の散歩をしている人が往来していましたが、ハクビシンたちは全く気にせず駐車場内をウロウロしていました。近くでまったりしていたネコちゃんも目の前をウロつく彼らを全く気にしていなかったので、顔なじみの仲なのかもしれませんね。
気がつけば空に大きな月が昇っていました。月夜に誘われて動物たちが山から下りてきているんでしょうか。元々夜行性のハクビシンですし、日中は山の木陰で暑さを凌いで夜は街中に餌を求めてくるのでしょう。皆出て来い、来い、来い!
ある朝のことでございます。山笑は蓮池のほとりを独り悶々と歩いておりました。池に咲く蓮の花は、みな玉のように真っ白で、その真ん中にある金色の惢(すい)からは、何ともいえない良い匂いが絶え間なく辺りに溢れております。
上野のお山はちょうど朝なのでございましょう。あ~暑い。仕事いきたくねえなぁ・・・
極楽やねぇ~
やがて山笑は池のほとりにたたずんで、水面を覆っているハスの葉の間から、ふと下の様子を覗いてみました。すると・・・
泥で淀んだ不忍池では、亡者ならぬカメさんたちが元気に泳ぎ回っておりました。
芥川龍之介の有名な「蜘蛛の糸」になぞらえてみました。それにしても朝だというのになんという暑さでしょう。
元気なのは水面を泳ぐカメさんとコイくらいです。地上に暮らす生き物は、鳥であろうと虫であろうと人であろうと、この暑さで息を潜めておりますよ。
「蜘蛛の糸」の物語のキーパーソンであるクモですら、日陰で体を休めておりました。それにしても、この暑さどうにかならんものかねぇ・・・
夕食を食べ終わってホッと一息も束の間。「ガソリンがない」、「ビールとつまみ」、「(ペットボトルの)お茶が少ない」などの無慈悲な言葉が飛んでくるのは、我が家の日常ではあるあるの場面です。
給油のためガソリンスタンドに来てみると、ひっくり返って足をバタつかせている大きな虫を見つけました。近づいてみると大きなノコギリクワガタです。夜中でも煌々と輝くスタンドの灯火に引き寄せられて飛んできたのでしょう。
ところが、このノコギリクワガタ、特有の大きく湾曲した水牛の角のような顎が片方折れて失っていました。更に後ろ脚も1本失っていましたが、交通事故にでもあってしまったのでしょうか。このまま放置したら今度は本当に車に潰されてしまうでしょうから、とりあえず我が家にお招きすることにしました。
我が家の菩提樹ベンジャミンの根元に昆虫ゼリーを置いて、後は大人しくしているかと思いきや、まだ若い個体なのでしょう。ハンディも何のそので深夜部屋内を飛び回ります。クワガタは意外とすばしっこいので姿を見失うこともありますが、そのうち姿を見せるだろうと気長にお付き合いをしています。
それにしてもクワガタさん。もう1本の顎はくれぐれも大切にしなさいよ。さもないとゴキブリに間違われてかみに叩き殺されてしまいますよ。
自宅周辺でもカブクワが飛んでくるようになったので、山行のついでというか、こちらが本命かもしれませんが、丹沢の虫ポイントにクワガタの様子を見に行ってきました。週末は結構な雨だったので果たして姿を見れるでしょうか?
その心配は杞憂だったようです。朝から蒸し暑くなったので、樹液が出ているポイントにはミヤマクワガタが来ていました。
ミヤマクワガタは大きな顎と盛り上がった後頭部が格好いいですね。樹液が出ているポイントは、クワガタだけでなく色々な虫たちの餌場になっています。ときには大きなスズメバチも飛来して危なっかしいのですが、幸いこの日は姿を見ませんでした。
スズメバチがいないことを良いことに、できるだけ間近で見ようと木に近づいてみると、クワガタに気取られたらしく、顎を振り上げて威嚇されてしまいました。
子供の頃は、コレクション的に家で飼育してナンボのカブクワでしたが、自然の中で他の昆虫と交えたありのままの姿を観察するのが大人の遊びですね。今季も何度か訪れて見守っていきたいと思います。
釣り上げたアジやタイの口から針を外していると、口内から不思議な顔が覗いていることがあります。白くフナムシの様で気持ちわるいけど、何故か可愛らしさを感じるその生物はなんでしょう?最初は魚に食べられたフナムシが口の中で頑張っていたのかと思っていましたが、何と魚に寄生しているウオノエという寄生虫なのだそうです。
ウオノエとは等脚目といって、見た目のとおり、陸上のワラジムシやフナムシ、深海の人気者ダイオウグソクムシの仲間に分類されています。漢字では「魚の餌」と表記されるそうですが、魚の餌だと思ったら大間違いです。幼生のうち海中を漂っているウオノエは、魚が餌とともに体内に取り込むと、口内やエラに寄生して魚の体液を吸って生きるそうです。寄生部位は口内、エラ、体側と様々ですが、その中でも口内に寄生するケースが多いようです。
ウオノエのウオノエたらん生態を示すのが口内に寄生するケースです。口内に留まることに成功したウオノエは、魚の舌に食いついて舌を壊死させます。すると何と!ウオノエは壊死した舌に代わってそのポジションに寄生して、魚の体液を吸って暮らすのだそうです。タガメの様に捕えた魚の体液を吸い尽くしてしまうほどではありませんが、チビチビと栄養分をかすめ取って一生の居候になるというんですから、厭らしいやつですね。
ウオノエは雌雄転換が可能で、最初に寄生した個体がメスとして5cmほどに成長すると、次に寄生する個体はオスになるんだそうです。ちなみにオスはメスの半分位の大きさです。こうして都合よく雌雄がそろったところで繁殖をしていくそうです。お魚たちもたまったものではありませんね。
見た目といい、生体といい、キモいウオノエですが、ここまで知ってしまうと、食べた魚を介して、あるいは海で泳いでいる人の体内に寄生するのではないかと心配になってしまいますよね。でも大丈夫。人には寄生しないそうですよ。それどころか、このウオノエは食べてエビのように香ばしく、なかなか美味しいそうです。中でもタイの体内に宿るウオノエは、「タイノエ」と呼ばれて珍重する地域もあるそうです。親分格のダイオウグソクムシの味もエビ・カニなど甲殻類に似ているそうで、料理を提供するお店もあるくらいですからね。
このまま人類が繁栄し続けると、先々地球上は食糧難になって、動植物や魚類だけでは不足してしまうそうです。その時になって人類の食料になることが予想されているのが、昆虫などいわゆる「ムシ」の類です。今回の釣りでも複数のウオノエを確認しましたが、残念ながら余りのキモさに生ゴミにして命を無駄にしてしまいました。しかし、来るべきその時に備えて次回は是非チャレンジしてみたいと考えています。