登山、ハイキング

2018年8月 5日 (日)

山行 大天井岳山頂に遊ぶ 表銀座縦走その3

 常念山脈の最高峰大天井岳(2922m)の山頂部にある大天荘に投宿しました。夕食までにはまだ何時間もあるので、寝て待とうかとも思いましたが、夜眠れなくなっても嫌だし、幸い雲が晴れてきたので、山頂近くの稜線を散歩してみることにしました。

Dsc05718 大天井岳

 常念山脈は、穂高連峰-槍ヶ岳の山並みの東側、梓川源流を挟んで並行する山脈で、北から餓鬼岳、燕岳、大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳、大滝山、霞沢岳と並んでいます。松本平や安曇野の人里から北アルプスを見上げた時、槍ヶ岳や穂高連峰はこの常念山脈に遮られて見ることができません。それだけに山麓の人たちには日頃見上げる山々として親しまれてきました。最高峰は大天井岳ですが、この山は少し奥まって目立たないため、主役の座は少し南にある堂々とした三角錐の常念岳(2857m)に譲っているようです。

Dsc05724 チングルマの綿毛

Dsc05719 タカネツメクサ

Img_8479_5 ミヤマコゴメグサ

Dsc05770 ヨツバシオガマ

Dsc05753 イワヒバリ

 常念岳方面に延びる平らな稜線を散歩します。ハイマツ緑が美しく、その間をイワヒバリが忙しなく飛び回っています。岩稜に目を凝らせば、コマクサ、オンタデ、イワツメクサ、タカネツメクサ、ミヤマコゴメグサ、アオノツガザクラ、ヨツバシオガマ、チングルマ(綿毛)など小さな花々が咲いていました。

Dsc05768 有明山と安曇野の平野部

 雲は急速に晴れてきて、東に四角い山頂部が特徴的な安曇野富士こと有明山が見えたかと思ったら、その先には安曇野の平野が見えてきました。水田の若緑が爽やかです。「おっかさ~ん!」

 ふと気がつけば、自分のすぐ先を・・・

Dsc05731 雷鳥の親子

 ハイマツ帯の際の道を2羽のヒナを連れたライチョウの親子が散歩していました。燕岳ではヒナが6羽もいたのに、子宝に恵まれなかったのか、天敵に襲われてしまったのか。

Dsc05761 ちょこまかと可愛いヒナ♪

Dsc05734 周囲を伺う母鳥

 オンタデの群生する際で高山植物の芽をついばむヒナ。2羽がそれぞれにちょこまかと動き回るのですが、母鳥は気ぜわしくそれを見守っていました。これが6羽だったらそりゃあ大変なこっちゃ。あ、私?私は怪しいものではござんせん。

 余り執拗に付きまとっては不審者扱いで通報されそうなので、そろそろ山小屋に帰りましょう。

2018年8月 4日 (土)

山行 雷鳥が散歩するガスの燕岳 表銀座縦走その2

 7月29日(日)4時半。穂高駅の近くにある登山者用駐車場に到着です。幸い雨は降っておらず、雲間からは青空ものぞいています。しかし、安曇野富士こと有明山や常念山脈は雲に隠れておりました。

Dsc05578 穂高駐車場

 登山者用駐車場は100台規模のスペースがある駐車場ですからいっぱいになることは滅多にないでしょう。この日は台風の影響もあってか20台程度でした。4時53分発の始発バスを待ちますが、その間にも2、3台のタクシーがやってきて相乗りを勧めてきます。私以外にいた2組のペアがタクシーで先発していきました。登山者にとっては、タクシーで登山口に向かえばバスで入るよりも大幅に早出できるメリットになりますが、バスのお客をかすめ取るような営業はちょっと?です。ちなみに私は、「一人です」と言ったところ、「あ、そう」と運ちゃんに素っ気なくスルーされてしまいました。

Dsc05579 中房温泉

 始発バスには既に5人ほどの先客があって、駐車場から私も含めて3人。この後、5箇所ほどの停留所でパラパラと客を乗せ、2人掛けシートに1~2人掛けでほぼ席が埋まっていました。夜通しのドライブだったので、バスの中で仮眠しようと思っていましたが、中房温泉に通じる県道はクネクネとしたワインディングロードで、とても眠れたものではありません。中房温泉の手前では、車窓からサルの群れが見えました。中房温泉は秘湯ですが、ここいらのサルが温泉に入るのは聞いたことがありません。

Dsc05580 出かけるときは忘れずに!

 バスは6時に登山口の中房温泉に到着。時折雨がパラつく中、マイカー組や団体バス、夜行バス組など続々と到着して賑やかです。日曜日なので、燕岳の日帰りピストン、燕山荘1泊組が多いと思われますが、さすがは北アルプスの人気コースです。入山届を提出して腹ごしらえをしたら、いざ!出発しましょう。

 合戦尾根は、標高1450mの中房温泉から2704mの燕山荘までの標高差約1250mをひたすら登ることになります。裏銀座縦走コースの導入部ブナ立尾根、剱岳直登の早月尾根と並んで北アルプス三大急登のひとつに数えられますが、塔ノ岳の大倉尾根(標高差1200m)に慣れている私には「三大」ってほどのレベルではない印象です。昨年の全く同じ時期に燕岳日帰りピストン登山をしたので、ルート上のポイントは結構覚えていましたから、ペース配分をし易かったともいえるでしょう。合戦尾根については、昨年同様快調に登っていくことができましたが、雨やガスで周囲を気に止めることもなく黙々と登ってしまったので、昨年の記録をご参照ください。(参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-81e2.html

Dsc05615 ゴゼンタチバナ

Dsc05625 ウサギギク

 合戦小屋を経て稜線が近づくと少し明るくなってきましたが、それでもガスは晴れません。学校登山の若い衆が数十名も下って行きましたが、台風の影響で槍ヶ岳は断念し燕山荘で台風をやり過ごして下山するそうです。天候が安定する7月下旬から8月上旬にかけて、信州の中学・高校の多くでは学校行事としてアルプス登山が行われてきました。事件史好きの私が学校登山と聞くと、大正2年に発生し、新田次郎の小説「聖職の碑」の題材になった木曽駒ヶ岳での遭難や昭和42年西穂高岳での落雷遭難事件を連想してしまうのですが、それでも現在まで学校登山が継続しているのは、長野県民にとって山が身近な存在であって、登山が心身を鍛錬する格好の機会として認識されているからなのでしょう。

Dsc05624_2 コバイケイソウ Dsc05631_2 テガタチドリ

Dsc05630 ヤマハハコ

Dsc05632 ミヤマトリカブトとオンタデ

 中房温泉か約3時間。ガスガスの燕山荘に到着しました。燕山荘直下のお花畑には、ゴゼンタチバナ、エゾシオガマ、ウサギギク、コバイケイソウ、ミヤマトリカブト、テガタチドリ、ヤマハハコなどの花が咲いていましたが、既に見頃が過ぎていた感がありました。

Dsc05634 ガスガスの燕山荘

 燕山荘の前にいたオジさん2人に話を伺うと、2日前から燕山荘に滞在していて、一昨日は見事な夕焼けが見れたものの、前日は台風の影響で小屋が揺れるほどの風雨だったとか。この日も連泊するが、このガスではやることもなく酒を飲んだりブラブラしているのだとか。私も一旦北の稜線を歩いて燕岳山頂周辺の花崗岩の奇勝を見る予定でしたが、山頂方面は全く見えなかったので、そのまま縦走路に進むことにしました。

Dsc05637 コマクサ

 踏み出して間もなく、燕山荘下の斜面で名物のコマクサを見ていたら、ピヨピヨと可愛らしい鳴き声が聞こえてきます。「これは・・・」と思って周囲に目を凝らしていると・・・

Dsc05650 ライチョウのひなたち

Dsc05642 ママも登場

 ライチョウのヒナたちが草の芽を突っついていました。そのうちグーグーとお母さんライチョウも登場しました。ヒナは目視しただけで6羽いたと思います。折からたちこめるガスと見事な保護色でなかなかはっきりしません。そりゃあそうでしょう。飛ぶことも走ることも苦手。高山でのんびりと暮らすライチョウの最大の武器は、季節によって生え変わる保護色の羽です。人に見やすいようにサービスしていたらあっという間にライチョウは絶滅してしまいます。このガスガスの空模様も、ライチョウにとっては猛禽類など天敵に見つからない安心して行動できる状況というわけです。それ即ち、我々にとってもライチョウに遭遇する確率が高くなるプラス要素という訳です。

Dsc05673 ガスの中をひたすら・・・

 ライチョウ観察を楽しんだ後、縦走路に踏み入れます。2時間程はハイマツの生える稜線上を緩やかにアップダウンを繰り返す歩きやすい道です。晴れていれば、行く手に槍ヶ岳や穂高連峰を望む爽快な天井散歩を楽しめる区間ですが、時折明るくなるもののガスは晴れることなく、仕舞には風雨も交じるようになってレインウェアを着用しました。久しぶりの雨の中の山行です。こうなると全く面白みもなく、疲労感ばかりが増していきます。

Dsc05693 チシマギキョウ

 合戦尾根の賑わいは何処へやら?歩く人はほとんどなく、独り山行を好む山笑といえども少し心細くなってきました。見るものといえば、地に生えるコマクサの群落と岩場に生えるチシマギキョウくらいなものでした。

Dsc05700_2 表銀座ルートの開拓者小林喜作

 やがて道が大きく下り、切通岩と呼ばれる鞍部を通過します。ここには表銀座縦走コースを開拓した小林喜作のレリーフがあります。明治8年、現在の安曇野市に生まれ、北アルプス一帯でカモシカやクマを狩る猟師だった小林喜作は、当時西洋から導入されたスポーツ登山に着目し、登山ルートの整備やガイドにも熱心で、それまで燕山荘から大天井岳、常念乗越を経て槍沢に一旦下り、槍ヶ岳に登り返すルートに代わる、切通岩から大天井岳山頂部の西側をトラバースして、西岳を経て東鎌尾根を登り返す現在の表銀座縦走コースを大正6年から3年で開拓したそうです。その翌年には殺生ヒュッテを開業し大きな財を成したそうですが、後に雪崩にあって命を落としたそうです。

Img_8480 大天井岳山頂にある大天荘

 切通岩からいよいよ大天井岳の山頂部に取り付きます。喜作新道を右に分けてガレ場の道をジグザグと登っていくと大天井岳山頂直下の大天荘に到着しました。時間は13時半。最初は歩程で3時間先のヒュッテ西岳まで行こうかとも考えていましたが、せっかくの機会だから山の上でゆったりとした時間を楽しみましょう。おや、雨も上がったようですよ♪(つづく)

2018年8月 2日 (木)

山行 台風追撃!まだ雨の降る信濃路へ 表銀座縦走その1

 7月28日から29日未明にかけて、迷走台風12号が関東から東海にかけての沖合を西進していきました。前々から予定していた29日から2泊3日の北アルプス表銀座縦走も、あわやお釈迦になるかと危ぶまれましたが、台風のコースが南寄りになったおかげで、前日に決行することを決断しました。これで後送りにでもしようものなら、迷走台風よりも気まぐれな我が家のかみの気が変わって行けなくなるかもしれませんからね。

 29日(日)1時30分。風は治まってきたものの、時折強く降る雨に不安感を掻き立てられるも自宅を出発。二宮から小田原厚木道路で厚木、圏央道で八王子、中央道で岡谷、そして長野道の安曇野にノンストップドライブで4時に到着しました。途中、圏央道や中央道の山間部では土砂降りの雨でスリリングなドライブにもなりましたが、予定より少し早めに安曇野に到着できたので、登山口の中房温泉に入る始発バスに間に合いそうです。登山口には駐車場もありますが、今回の縦走コースは反対側の上高地に下山してしまうので、車を取りに戻ることを考えると、JR大糸線穂高駅前にある登山者用の駐車場に車を置き、バスで登山口に入り、最終日に上高地に下山後は松本電鉄のバスと電車で松本に下り、大糸線で穂高に戻る周回コースとなります。

Dsc00838_2 燕岳から望む縦走路(H29.7.31)

 表銀座縦走コースの概略と私の山行計画を紹介しますと、1日目、安曇野市の奥座敷、秘湯中房温泉(1450m)を起点に、北アルプス三大急登合戦尾根を歩いて山小屋燕山荘(2704m)のある稜線へ上がります。縦走路から寄り道になりますが、燕山荘から一旦北に位置する花崗岩の岩峰が美しい燕岳(2763m)を往復するのは定番。

Dsc00870 燕岳の一番人気イルカ岩(H29.7.31)

 燕山荘から南に延びる縦走路は、行く手に槍ヶ岳や穂高連峰、右手に高瀬川上流部を挟んた鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳などの稜線を眺め、左手には安曇野の平野を見下ろす稜線上のプロムナードです。しばらく歩くと常念山脈の最高峰大天井岳(2922m)に至ります。1日目は大天井岳の山頂近くに有る大天荘に宿泊です。

Dsc05854 ビックリ平付近の展望(今回)

 2日目、大天井岳から少し下って縦走路に戻り、高山植物の群生する山腹を経て再び稜線上にあがると、目の前に一段と近づいた槍ヶ岳の大きな姿が出現して驚くでしょう。その名もビックリ平です。しばらくは稜線上を右手に大きな槍ヶ岳を見ながら歩き、中間点で稜線の東側を巻いていきます。

Dsc05864 赤岩岳付近から常念山脈(今回)

 赤岩岳を巻く辺りは左手に梓川源流部を挟んだ常念岳の姿が間近に見えます。西岳山頂近くにあるヒュッテ西岳(2686m)に到達すると、燕岳から南に向かって歩いてきた縦走路が西側に折れて槍ヶ岳に向かいます。

Dsc05934 表銀座縦走コースの核心部東鎌尾根(今回)

 一旦鞍部水俣乗越に下ったら、いよいよ表銀座縦走路の核心部、槍ヶ岳山頂に向かう東鎌尾根の急登に突入です。いくつかの小ピークを喘ぎながら乗り越える度に槍ヶ岳の穂先が近づいてくる苦しくも期待高まる正念場です。山小屋ヒュッテ大槍に至ると左手に槍沢を見下ろしながらの岩場歩きになり、2日目の宿泊地槍ヶ岳の肩にある槍ヶ岳山荘(3080m)に至ります。天気と体力のゆとりがあれば、その日のうちに槍ヶ岳の穂先に登りますか。

Dsc06040 アルペン風情満点の槍沢カール(今回)

 3日目、槍ヶ岳山頂を往復した後、槍沢カール内を一気に下っていきます。カールの中ではお花畑と残雪を楽しみたいものです。時間と体力にゆとりがあれば、逆さ槍が見える天狗原に寄り道していきましょう。カール最低部のババ平に下ったら槍ヶ岳とはお別れになり、その先は槍沢沿いの爽やかな渓谷美を見ながら緩やかに下っていきます。西へ穂高登山の拠点涸沢カール、東へ常念山脈蝶ヶ岳方面に通じる登山拠点、横尾の十字路まで来たら、後は上高地まで単調な林道歩きになります。

Dsc06124 ゴールの上高地(H26.8.21)

 時折覗く明神岳の岩峰を見上げつつ、鬱蒼とした針葉樹とシダ、コケ類が繁茂する森と清らかな端沢の流れを楽しんでいるうちに表銀座縦走コース終点の上高地(1505m)に至ります。余裕があればお風呂に入ってさっぱりして、河童橋周辺で一息ついてからバスターミナルに向かいたいものです。

Dsc05643 オイラの出番もあるぞー!

 全行程44kmを2泊3日で走破する山笑の山行史上最長の縦走登山が始まるよ~♪(つづく)

2018年7月27日 (金)

山行 花の散歩道を歩いて雲の上へ 金時山

 北ア表銀座縦走に備えて、7月は毎週山行をしてきましたが、予行演習と位置づけていた鳳凰三山縦走に失敗して、以降どうでもよくなってしいました。22(日)は朝の散歩に金時山まで行ってきました。

Img_8450 稜線にかかる雲

 4時半に家を出て、登山道の足柄峠に向けて足柄平野を走っていくと、矢倉岳から金時山にかけての県境の稜線には滝雲がかかっています。稜線上は荒天なのでしょうか?

Dsc05574 爽やかな朝の稜線

 とりあえず足柄峠から稜線に延びる林道のゲートまで行ってみると、時折小雨がパラつくものの風もなく薄日も射して、歩くにはちょうど良い涼感でした。

Dsc05526 オカトラノオと富士山

 稜線の森林からは、ビーーーーーと軽い感じのアカエゾゼミと、ギーーーーーと重たい感じのエゾゼミの鳴き声が聞こえていました。どちらも山地や高原に生息する種で、特にアカエゾゼミは生息地が限られているので、下界では聞きなれないのですが、県下でこれらのセミの鳴き声が聞こえるのは嬉しいものです。

Dsc05530 コバギボウシ

Dsc05550 ホタルブクロ Dsc05541 マルバダケブキ

Dsc05544 シモツケソウ

Dsc05573 ヤマオダマキ Dsc05549_2 キンレイカ
Dsc05570 チダケサシ

Dsc05531 ウツボグサ Dsc05533 ヤマユリ
Dsc05540 ヤマアジサイ

Dsc05537 ハコネギク Dsc05532_2

Dsc05529

Dsc05572 ナワシロイチゴ
 お花は全く期待していなかったのですが、ヤマユリ、マルバダケブキなど大きいのからシモツケソウやキンレイカなど小さなものまでヤンマーディーゼルでした。

Dsc05557_2 山頂からの雲海
 毎朝金時講の人たちと挨拶を交わしながら十二支の階段を登り詰めると、金時山(1213m)の山頂からは一面の雲海が広がる絶景が広がっていました。雲海に浮かんでいるのは、箱根の外輪山の一部と中央火口丘の神山、そして富士山です。雪を頂いた美しい姿が冬の富士山なら雲を突き抜けて堂々たる黒富士は夏の富士山ですね。夏山登山真っ盛り。今日も多くの人が山頂を目指していることでしょう。

Dsc05559 中央火口丘神山(大涌谷の噴煙も)

 往復1時間半とお手軽な朝の散歩でしたが、実にお得感満載の金時山でした。

2018年7月20日 (金)

山行 堅く守られた山のお宝アヤメ平 櫛形山その3

 豊かな森と大樹の奥仙重、南アルプスの展望とお花畑の裸山を巡って、櫛形山山頂部のもうひとつのスポットアヤメ平に向かいます。裸山から針葉樹とコケ類の樹林の中を緩やかに下って20分ほどです。アヤメ平の周囲は、裸山同様に動物の食害からアヤメなどの植物の群落を守るために設置された保護柵に囲まれています。こちらの方がより厳重で、扉を開けて中に入ります。

Dsc05482 アヤメ平

 アヤメ平は湿原とまではいえませんが、針葉樹林に囲まれた摺り鉢状の広々とした草原です。その名が由来するアヤメの花はまだ少し咲いていました。見れて良かったなぁ~♪

Dsc05475 キバナノヤマオダマキ Dsc05498 トリアシショウマ

Dsc05494 クガイソウ

Dsc05504 グンナイフウロ
 植生は裸山とほぼ同じで、アヤメの他にクガイソウ、グンナイフウロ、キバナノヤマオダマキ、テガタチドリ、コオニユリ、ミヤマキンポウゲ、キリンソウ、クサタチバナ、コウリンカ、マツムシソウ、ミヤマシシウド、トリアシショウマなどの花が見れました。

Dsc05472 イチヤクソウ

Dsc05503 センジュガンピ

 その他、裸山では見られなかったイチヤクソウやセンジュガンピの花を見ることができました。花咲くところに人が集まります。北尾根ルートを登ってきた人もいて、時間が経つにつれて賑わってきました。

 さて、花を楽しみながら木道を散策していると、どうも周囲の樹林がキャーキャー騒がしいんで、よくよく目を凝らしてみると・・・

Dsc05488 サルA

Dsc05491 サルB

 ニホンザルの群れが付近を移動中でした。厳重な動物よけの柵もお猿には無力です。それにしても、櫛形山の山麓にはあんなに甘くて美味しそうな桃が沢山なっているのに、このサルたちは木の実、草の芽を食べているのが不思議です。まあある意味良識的なサルといえますね。

Dsc05512 みはらし台
 アヤメ平から急な北尾根ルートをひたすら下って県民の森に戻ります。標高が下がるにつれてジワリジワリと気温が上昇するのが実感できました。ちょうど中間、標高1300m付近で櫛形山林道が横切ります。ここまで車で来れば、アヤメ平までは2時間足らずで登れるでしょう。

Dsc05514 ようやく富士山が見えました。

 見晴台からは富士川を挟んで富士山が見えていました。この日、山に入ってから初めての富士山です。

Dsc05509 不思議な横穴(巻き糞だ!)

 下山の途中、登山道の脇に不思議な穴が口を開けていました。中を覗き込んでみると、穴の側面に石が組まれていました。人工物なのでしょうか。特に表示がありませんでしたが、その昔この穴に籠って即身成仏したお坊さんがいたのではないでしょうか?これはあくまで山笑の思いつきの説ですが。何か手掛りがあるのではないかと覗き込んでみると・・・プッ!漫画に出てくるような動物の巻き糞があるだけでした。

Dsc05381 シロップたっぷりパンケーキ?

Dsc05517 林道に咲くヤマアジサイ

 北尾根を下って林道に出れば、県民の森まではもうすぐです。沿道にはヤマアジサイがまだ見頃でした。ちょうど正午に県民の森に戻りました。予定していた鳳凰三山の日帰り縦走は出来ませんでしたが、代わりに登った櫛形山は、花の百名山の名に恥じぬお花いっぱいの山でした。

 予定より早めの切り上げとなったので、前々から行きたかった韮崎旭温泉に寄って汗を流すことにしました。山笑好みのぬる湯で炭酸の効いた温泉は最高でした。お風呂上がりはのんびりと桃でも買って帰りましょう。

★コースタイム:6時間30分

伊那ヶ湖県民の森5:30→6:35櫛形山林道(大休止)6:40→7:35ほこら小屋7:55→8:30奥仙重8:35→9:05裸山(観察)9:45

→10:05アヤメ平(散策)10:30→11:10みはらし台11:15→11:40北尾根登山口→12:00県民の森

2018年7月18日 (水)

山行 裸(山)を見て大満足 櫛形山その2

 コメツガやシラカバ、ダケカンバの原生林。それにカラマツの巨木が点在する櫛形山の山頂部に到達しました。先ずは最高所の奥仙重を目指します。鬱蒼とした針葉樹林。枝先には地衣植物のサルオガセが垂れ下がって深山の雰囲気満点です。サルオガセは地中に根をはらない着生植物で、木の枝から垂れ下がって空気中から水分を得て、光合成をして成長します。

Dsc05403 山頂部の原生林

Dsc05397 サルオガセ

 中尾根ルートではほとんど見なかったハイカーがこの辺りまで来ると多くなってきます。きっと池ノ茶屋林道登山口から奥仙重を越えて裸山方面に歩く人たちなのでしょう。ほこら小屋から30分ほどで櫛形山の最高所奥仙重(2052m)に到達しました。カラマツの大木に囲まれた薄暗い山頂ですが、東側は切り開かれていて富士山を望めるようになって・・・見えませんでした。奥の仙人が居そうで重たい森で奥仙重でしょうか。丸山林道や池ノ茶屋林道が稜線近くまで通じる以前は、大きな櫛形山のそのまた奥だったのでしょう。

Dsc05400 櫛形山山頂(奥仙重)
 櫛形山は、深田久弥の「日本百名山」にはエントリーしていませんが、深田クラブ認定「日本二百名山」、田中澄江の「新・花の百名山」にはエントリーされています。その魅力はこの奥仙重ではなく、裸山やアヤメ平など長大な稜線上にある花の群生地にあるのでしょう。思い出の奥仙重は早々に後にして裸山、アヤメ平方面に向かいます。

Dsc05463 裸山山頂部
Dsc05417_2 群生地から奥仙重を望む

 奥仙重から原生林の中を30分ほど歩いたところが裸山のアヤメの群生地です。ここまでほぼ水平移動で難なく来れました。群生地は鹿避けの柵が厳重に張られて、一部は裸地化していたり、雑草が伸びて見苦しい状況でした。ちょうど調査員の方が観察をしていたので話をいろいろ伺うことができましたが、一昔前、シカの食害で櫛形山のアヤメはほぼ全滅してしまったそうです。全滅直前のところで保護対策が間に合い、スローペースで植生が回復してきているそうです。(同じ県下で対策が間に合わなかったのが湯ノ沢峠だとか。参照:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/post-e1ce.html)シカの食害の原因ですが、人里を追われたシカがここまで上がってきたのだろうというのが私の推測ですが、観察員さんの話によると雪が減ったことによるものだそうです。シカは越冬するにあたって、ラッセルできないくらいの積雪のところには定住しないそうですが、近年雪が減って櫛形山の山頂部でシカが越冬するようになったことが原因だとか。ふむぅ・・・奥が深いです。

Dsc05415 アヤメの見頃は終わっていました。

Dsc05437 個体によってはまだ鮮やかなのもあり

 では、肝心のアヤメはといいますと、見頃は既に終わっていました。見頃のピークは7月初めだったとか。今年はどこでも、どんな花でも見頃が早かったですね。しかし、アヤメだけがこの山を飾っているわけではありません。「新・花の百名山」でも、この山の花としてあげられているのは、アヤメの他にテガタチドリとセンジュカンピがあります。その他、色々と咲いていましたよ♪

Dsc05451 クガイソウ

Dsc05421 テガタチドリ Dsc05429 キバナノヤマオダマキ

Dsc05438 マツムシソウ
Dsc05430 グンナイフウロ Dsc05447 コオニユリ
Dsc05435 タカネナデシコ

Dsc05432 トリアシショウマとキリンソウ

 その他、ミヤマキンポウゲ、コウリンカ、ミヤマシシウドなどの花も咲いていました。

Dsc05459 コヒョウモンモドキ

Dsc05455 クガイソウに集まる

 花から花へ小さな茶色い蝶々が飛び回っていました。観察員さんの話によれば、コヒョウモン(コヒョウモンモドキ)という山地に生息するヒョウモンチョウの仲間だそうで、今や山梨県でも生息するのは櫛形山など限られて、レッドデータブックに載ってしまったとのこと。残念なことです。

Dsc05445 北岳(右)と間ノ岳の日本一の稜線

 花を見ているだけでも飽きないのですが、とりあえず裸山(2003m)の山頂を踏んでおきましょう。お花畑のすぐ上が山頂です。雲間からは白根三山が間近に望めました。裸山の山頂は、本邦No.1の富士山とNo.2の北岳の山頂を線で結んだちょうど中間点に位置しています。振り返って富士山は・・・やっぱりダメでした。

 アヤメの見頃は過ぎていましたが、多種多彩に花々が飾る裸山は素敵なところでした。やはり前回、ババが元気なうちにここまで足を運ぶべきだとつくづく思いました。(つづく)

2018年7月17日 (火)

山行 南ア大混雑!山に入れず・・・ 櫛形山その1

 北ア表銀座縦走まであと半月。ロングトレイルに耐えうる体力作りのため、7月は強引に毎週山行です。最終調整として、標高3千m近くまで登って稜線歩きをしてみようと、南ア鳳凰三山縦走を思いつきました。早朝、南アルプス市芦安の夜叉神峠を発って、鳳凰三山の薬師岳に至る上りのルートは、ガイドのコースタイム上は7時間。そこから観音、地蔵と三山を縦走したら、早川尾根を少し歩いて広河原に下山するとコースタイムで12時間半。広河原から夜叉神峠にバスで戻ることになりますが、16時40分が最終バスになりますので、時間との戦いにもなります。いいじゃない。いいじゃない♪

 三連休の中日。2時に二宮を発って、御殿場~山中湖~精進湖~甲府南を通って南アルプス市にやって来ました。さすが真夏の三連休、夜中でも結構マイカーが走っています。途中、須走辺りからは富士山登山者の明かりが点々と見えていました。山中湖付近では国道を5、6匹のウリ坊がゾロゾロと歩いていてヒヤっとしました。道中、轢かれたアナグマの死体も見ましたが、夜間の運転では動物に注意したいものです。

 4時半、芦安までやってくると、何故か次々と車が下ってきます。夜叉神峠から先の林道はの南アルプス林道はマイカー規制されているので、登山拠点の広河原まで入るには芦安温泉からバスに乗り換えることになるのですが、連休なので既に芦安の7つもある駐車場がパンクたのでしょう。それは想定内。自分は夜叉神峠の駐車場へ行くので更に進むと、交通整理のオジさんに止められました。案の定、下の小学校が臨時駐車場になって、そこから臨時バスを出すので引き返すようと勧められました。夜叉神峠まで入りたい旨を伝えましたが、前日から山に入りっぱなしの人が多く、多分峠も止められない。林道はバス優先になるから引き返してくださいとのこと。「多分」というのが引っかかりましたが、郷に入っては郷に従うしかありません。

Dsc03053 天子山塊竜ヶ岳から西を望む(H30.1.1)

 かと言って、きっとバス待ちのハイカーは行列だし、1番のバスには乗れないでしょう。出遅れたら夕方のバスまで間に合わないタイトな計画だったので、残念ながら鳳凰三山は諦めざるを得ません。でも、せっかくここまで出張ってきて、深夜ドライブだけで帰るわけにはいきません。鳳凰三山を挟んで反対の韮崎市側にまわってドンドコ沢ルートで鳳凰三山とも思いましたが、思案した結果、同じ市内から登山口にアクセスできる櫛形山に登ることにしました。

Dsc02567 北岳山荘から東を望む(H27.7.13)

 櫛形山は、その名のとおり和櫛の様に南北に長く大きな稜線が特徴で、甲府盆地から南アルプスを見上げたとき、前衛に大きく立ちはだかるこの山はややお邪魔虫的存在なのですが、平坦な山上には有名なアヤメの群生地があり、「花の百名山」にもエントリーしています。8年前にババ、ババ友、長男、天然児の編成で登った思い出の山ですが、この時は丸山、池ノ茶屋林道を通って標高1850mまで車で入り、山頂まで歩いて「アヤメなんて何処にもないじゃん」と、登山口に戻ってしまったため、この山の本当の魅力である裸山の群生地を見過ごす大失敗を犯してしまいました。

Img_8404 桃がいっぱいだ♪

Img_8405 山麓から見上げる櫛形山

 櫛形山の北に位置する芦安から一旦南アルプス市街地に下って、東側の県民の森登山口に移動します。山麓には山梨県を代表する桃の果樹園が広がっています。とき当に収穫の最盛期です。農家の方々は早朝から収穫に精を出していました。この辺りは日中は猛暑になりますが、朝晩は涼しいでしょうからね。帰りに桃でもお土産に買っていきましょう♪

Dsc05360 県民の森

 櫛形山の東側中腹にある県民の森を5時半にスタートします。櫛形山の山頂部へのアプローチは四方からいくつかのルートがあるのですが、今回は県民の森から中尾根で山頂を目指し、山頂から稜線を北に歩いて裸山、アヤメ平の植生を見物し、北尾根で下山する周回ルートです。標高890mの県民の森から山頂(2052m)までは標高差1160mですから、それなりに体力作りにはなるでしょう。

Dsc05363 シロバナイナモリソウ

 ヒグラシの合唱に送られて登山道に踏み入れます。中尾根ルートの序盤はヒノキの植林体の中を歩きます。散策路の分岐点がいくつかあるのでやや迷いもありましたが、道は明瞭で歩きやすい道でした。薄暗い樹林帯のルートはほとんど花もなく無味でしたが、唯一シロバナイナモリソウがチラホラと咲いていました。

 中尾根登山道にしても北尾根登山道にしてもかなりの急登です。歩き出した途端に汗が噴き出してきました。登山口は涼しいくらいに感じたのですが、やはり真夏の登山らしい汗の量です。こまめな水分補給が必須ですね。

 標高1450m付近で櫛形山林道を横断します。実に整備された林道で、北尾根登山道との交差点には駐車場も設けられているので、体力に自信のない方はそこまで車で上がっても良いでしょう。(でも池ノ茶屋林道終点の駐車場が一番楽)この林道は中尾根登山道登山道のちょうど中間点にあたるので、ペースを把握する上で目安になります。

Dsc05379 ミヤマカラマツ

 林道から上はカラマツ林になります。林道周辺のカラマツはおそらくは植林でしょうけど、雲が掛かってきて深山の雰囲気があります。それに何より涼しいのがありがたいですね。カラマツの他にはイタヤカエデ、オオイタヤメイゲツなどのカエデの葉が目立ちました。いつの間にかヒグラシの鳴き声は消えて、エゾハルゼミが鳴いていました。

Dsc05376 カラマツの巨樹

Dsc05407 鮮やかなコケの絨毯
 標高が上がるにつれて、ゴメツガやシラカバの原生林に樹相が変わってきましたが、所々にカラマツや大木を見ることができます。木々の根元には青々とした多種のコケが広がっています。「コケ女」というコケ好き女子がいるそうですが、ここへお連れしたら余りのコケの群生に卒倒するでしょうね。(まあとき既に遅しですが)こんな植生はいよいよ南アルプスの稜線にやってきた感が高まります。唯一不快なのは汗の臭いにつきまとう大きなアブです。ブンブカブンブカと周囲を飛び回って実に煩ったい。確か2年前に登った七面山もアブが多かった記憶があります。標高も場所も近いからなぁ。

Dsc05382 ほこら小屋の幕営地

 標高1800メートルを超えると突然青々とした草原に到達しました。ほこら小屋の幕営地です。すぐ近くに南アルプス市の設置した避難小屋ほこら小屋がある十字路です。ここが中尾根ルートと南尾根ルートが出合う終点になります。

Dsc05384 ほこら小屋

Dsc05386 アブも寄らず快適だ♪

Dsc05387 癒されますね。

 ほこら小屋によって腹ごしらえをしましょう。小屋の中にはザックがひとつ置かれていましたが、人の姿はありませんが、日記帳を拝帳すると、前日に宿泊された方の記録がありました。夕方窓から夕焼けに染まる富士山が見えていたとか。いやぁ、それは最高だ。どれどれ、外を見れば・・・一面白い世界です。前日ここに宿泊した方は、ザックをデポして裸山方面に朝の散策を楽しんでいるのかもしれません。反対側の窓から見る原生林をおかずにおにぎりを食べましたが、これはこれで良い景色です。

Dsc05385 小屋裏の水場

 小屋裏には沢の源頭部があってこんこんと水が湧出していました。今度はここに泊まってみたいと思いましたが、果たしてそのチャンスはやってくるのでしょうか?腹が満たされたら山頂に向かいましょう。(つづく)

2018年7月12日 (木)

山行 雨上がりに山百合咲く 鍋割山

 東でカルト教祖の教祖が処刑されたと聞けば、西で大雨による大水害と土砂災害。東西の大事件が世間を騒がせた週末でしたが、山笑といえば体力回復のためにせっせと山行を励んできました。

 7月8日(日)、せっかく得たチャンスを生かせず寝坊してしまう大失敗。自ずとお手軽ルートの鍋割山に向かうことになりました。往路は県民の森から西山林道、南稜経由の正攻法で歩いていきます。

Dsc05320 県花ヤマユリが見頃でした。

Dsc05321 ホタルブクロ。夏やねぇ~

 全般的に花は少なめでしたが、三廻部林道や西山林道の道沿いにはヤマユリが見頃でした。神奈川県の県花でもあるヤマユリは、大輪がゆえ大いに華やぎました。その他、夏らしいホタルブクロの花が咲いていました。

Dsc05327 水量多めのミズヒ沢

 前日までややまとまった降水があったので、四十八瀬川源流部の勘七沢、本沢、ミズヒ沢のどの沢も水量は多めでした。

Dsc05349 爽やかな鍋割山稜

Dsc05350 秦野盆地(左)と足柄平野(右奥)。真鶴半島も

 鍋割山稜に上がるとブナの森は瑞々しく、心地よい風が吹いていて、実に爽やかでした。雲が多く展望はイマイチでしたが、この時期の風物詩、ヤマボウシの花とエゾハルゼミの合唱が迎えてくれました。

Dsc05340 ブナに宿る菌類

Dsc05344 どら焼きみたい

 瑞々しい森は多くの生物を育みます。とかく菌類と軟体生物は元気でした。

Dsc05339 大きなヤマナメクジ
Dsc05347 黒いカタツムリ

 天気はイマイチでしたが、その分快適な山行が楽しめました。そうそう、コイツの存在を忘れてはいけません。

Dsc05324 ヤマビル

 導入部の県民の森から二俣にかけてヤマビルが少しいるようです。今回もシューズに取り付かれていましたが、幸い吸血前に発見して捕殺しました。ヤマビルの元気な季節です。皆様くれぐれもご用心の上、山行を楽しみましょう。

★コースタイム:4時間

表丹沢県民の森7:20→8:20後沢乗越→9:15鍋割山9:25→10:00小丸尾根分岐→11:00二俣→11:20県民の森

2018年7月 7日 (土)

丹沢の夏の使者

 丹沢の稜線を紅白のヤマツツジが飾る頃、周辺のブナ林からミョーキン、ミョーキン、ケケケケケ・・・不思議な鳴き声が聞こえてきます。この鳴き声の正体は、エゾハルゼミというセミです。エゾハルゼミの鳴き声は、丹沢に夏が到来したことを知る初夏の風物詩です。

 エゾハルゼミは体長3cmほどの小さなセミで、北海道から九州までほぼ全国的に分布していますが、やや涼しい環境を好むため、北海道以外では山地や高原に生息しています。そのため、一般的には馴染みの薄いセミです。羽化の時期が早いハルゼミの一種なので、丹沢周辺では5月中下旬から7月にかけて、標高1千m以上のブナ林などで鳴き声を聞くことができます。

Dsc05279 エゾハルゼミ

P1090379 丹沢主稜線にて

 最盛期には森全体がエゾハルゼミの鳴き声て溢れて、ときに耳を塞ぎたくなるほどの賑やかさです。姿かたちや活動時間帯もヒグラシに似て、日の出と共に一斉に鳴き始めます。また、平地のセミは人間など敵を警戒してか、鳴くときはじっとしていることが多いですが、このセミは枝先や幹を歩き回る姿をよく見かけます。早朝から山に入るとき、足元からこのセミが驚いて飛び立つことが多いのですが、夜は地上で過ごすのか、それともたまたま風が強い日で地上に降下していたのか

Dsc05303 エゾハルゼミの羽化

 先日、塔ノ岳の山頂近くでエゾハルゼミの羽化する場面に出会いました。羽化後の寿命は僅かに1週間。ちっぽけな虫の命ですが、真っ白の穢れのない姿には、どこか神々しさを感じました。

2018年7月 5日 (木)

山行 晴れ間のひょっこりはん 丹沢山・塔ノ岳・大倉尾根その2

 静かな朝の塔ノ岳(1491m)の山頂。青空は見えているもののやや強い西風が吹いていて、雲が稜線をかすめていきます。当然、山開きの富士山を望むことはかないません。小休止の後、丹沢山に向けて出発します。

Dsc05232 静かな山頂

 丹沢山に向かう主脈縦走路は、塔ノ岳から一気に下って、その先は日高、竜ヶ馬場などの小ピークがあって緩やかにアップダウンを繰り返していきます。ブナやシナノキの大木と一面にササが生い茂る稜線の道は展望も開けているので、実に気持ちの良い区間です。塔ノ岳までの大倉尾根が登り一辺倒の試練ならば、丹沢山までの稜線はご褒美のようなものですから、時間に余裕をもってぜひ歩いてもらいたいところです。

Dsc05267_2 気持ちの良い縦走路

Dsc05257 丹沢山山頂はガスの中

 残念ながらこの日は雲がかかっていたので展望はありませんでしたが、稜線にかかる雲が木々草花を湿らせ瑞々しく、ブナの大木には多種の植物が寄生していて、それを見るのも山行の楽しみになります。

Dsc05293_2 ブナの居候君たち Dsc05277
 豊かな緑に混じって、ウツギ、ヒコサンヒメシャラ、ノイバラ、ヤマボウシの花が枝先に咲いて、足元にもバイケイソウ、コアジサイ、シモツケ、ミヤマオダマキ、などが咲いていました。

Dsc05263 ヒコサンヒメシャラ

Dsc05235 コアジサイ Dsc05249 バイケイソウ
Img_8358 ミヤマオダマキ Img_8347 モミジイチゴ

Img_8359 イチゴのようなバラのような・・・

 雨なのか木々についた湿気が風で煽られて落ちてくるのかよくわかりませんが、風が吹いて稜線にガスが掛かるたびに水滴が落ちてきます。低山とはいえ夏の暑さなんでここにはありません。

Img_8354_2 時折青空が・・・

 強い西風が吹いて西から東へと雲が稜線を越えていきます。そんな状況下、たまに雲が晴れて真っ青な空が見えたときは思わず嬉しくなるものです。晴れ間が覗いたタイミングでひょっこり姿を見せたのが・・・

Dsc05268 ハイ!ひょっこりはん

 雲間から真っ黒な夏の富士山がひょっこりはんです。今日は山開き。多くのハイカーが山頂を目指していることでしょう。風は大丈夫かな?

Dsc05288 ハイ!ひょっこりはん

 日差しに釣られて木道の上に姿を現したのがニホントカゲです。間近でカメラを向ける山笑に物怖じもせず、木道の上で暫しの日光浴です。

 ツツジの季節も終わって華やかさはありませんが、緑と生命に満ち溢れた丹沢主稜線は実に快適でした。

Img_8371 あ~生き返る♪

 復路、大倉尾根を下るにつれて暑さが増していくのが何とも不快でしたが、暑さに負けず多くの人が山頂を目指して上がっていきました。そしてラスト直前、観音茶屋でお楽しみのかき氷が待っていました♪

★コースタイム:7時間20分

大倉4:10→5:35堀山→7:00塔ノ岳7:10→8:10丹沢山8:20→9:25塔ノ岳9:35→11:00観音茶屋11:15

→11:30大倉

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