登山、ハイキング

2018年7月17日 (火)

山行 南ア大混雑!山に入れず・・・ 櫛形山その1

 北ア表銀座縦走まであと半月。ロングトレイルに耐えうる体力作りのため、7月は強引に毎週山行です。最終調整として、標高3千m近くまで登って稜線歩きをしてみようと、南ア鳳凰三山縦走を思いつきました。早朝、南アルプス市芦安の夜叉神峠を発って、鳳凰三山の薬師岳に至る上りのルートは、ガイドのコースタイム上は7時間。そこから観音、地蔵と三山を縦走したら、早川尾根を少し歩いて広河原に下山するとコースタイムで12時間半。広河原から夜叉神峠にバスで戻ることになりますが、16時40分が最終バスになりますので、時間との戦いにもなります。いいじゃない。いいじゃない♪

 三連休の中日。2時に二宮を発って、御殿場~山中湖~精進湖~甲府南を通って南アルプス市にやって来ました。さすが真夏の三連休、夜中でも結構マイカーが走っています。途中、須走辺りからは富士山登山者の明かりが点々と見えていました。山中湖付近では国道を5、6匹のウリ坊がゾロゾロと歩いていてヒヤっとしました。道中、轢かれたアナグマの死体も見ましたが、夜間の運転では動物に注意したいものです。

 4時半、芦安までやってくると、何故か次々と車が下ってきます。夜叉神峠から先の林道はの南アルプス林道はマイカー規制されているので、登山拠点の広河原まで入るには芦安温泉からバスに乗り換えることになるのですが、連休なので既に芦安の7つもある駐車場がパンクたのでしょう。それは想定内。自分は夜叉神峠の駐車場へ行くので更に進むと、交通整理のオジさんに止められました。案の定、下の小学校が臨時駐車場になって、そこから臨時バスを出すので引き返すようと勧められました。夜叉神峠まで入りたい旨を伝えましたが、前日から山に入りっぱなしの人が多く、多分峠も止められない。林道はバス優先になるから引き返してくださいとのこと。「多分」というのが引っかかりましたが、郷に行っては郷に従うしかありません。

Dsc03053 天子山塊竜ヶ岳から西を望む(H30.1.1)

 かと言って、きっとバス待ちのハイカーは行列だし、1番のバスには乗れないでしょう。出遅れたら夕方のバスまで間に合わないタイトな計画だったので、残念ながら鳳凰三山は諦めざるを得ません。でも、せっかくここまで出張ってきて、深夜ドライブだけで帰るわけにはいきません。鳳凰三山を挟んで反対の韮崎市側にまわってドンドコ沢ルートで鳳凰三山とも思いましたが、思案した結果、同じ市内から登山口にアクセスできる櫛形山に登ることにしました。

Dsc02567 北岳山荘から東を望む(H27.7.13)

 櫛形山は、その名のとおり和櫛の様に南北に長く大きな稜線が特徴で、甲府盆地から南アルプスを見上げたとき、前衛に大きく立ちはだかるこの山はややお邪魔虫的存在なのですが、平坦な山上には有名なアヤメの群生地があり、「花の百名山」にもエントリーしています。8年前にババ、ババ友、長男、天然児の編成で登った思い出の山ですが、この時は丸山、池ノ茶屋林道を通って標高1850mまで車で入り、山頂まで歩いて「アヤメなんて何処にもないじゃん」と、登山口に戻ってしまったため、この山の本当の魅力である裸山の群生地を見過ごす大失敗を犯してしまいました。

Img_8404 桃がいっぱいだ♪

Img_8405 山麓から見上げる櫛形山

 櫛形山の北に位置する芦安から一旦南アルプス市街地に下って、東側の県民の森登山口に移動します。山麓には山梨県を代表する桃の果樹園が広がっています。とき当に収穫の最盛期です。農家の方々は早朝から収穫に精を出していました。この辺りは日中は猛暑になりますが、朝晩は涼しいでしょうからね。帰りに桃でもお土産に買っていきましょう♪

Dsc05360 県民の森

 櫛形山の東側中腹にある県民の森を5時半にスタートします。櫛形山の山頂部へのアプローチは四方からいくつかのルートがあるのですが、今回は県民の森から中尾根で山頂を目指し、山頂から稜線を北に歩いて裸山、アヤメ平の植生を見物し、北尾根で下山する周回ルートです。標高890mの県民の森から山頂(2052m)までは標高差1160mですから、それなりに体力作りにはなるでしょう。

Dsc05363 シロバナイナモリソウ

 ヒグラシの合唱に送られて登山道に踏み入れます。中尾根ルートの序盤はヒノキの植林体の中を歩きます。散策路の分岐点がいくつかあるのでやや迷いもありましたが、道は明瞭で歩きやすい道でした。薄暗い樹林帯のルートはほとんど花もなく無味でしたが、唯一シロバナイナモリソウがチラホラと咲いていました。

 中尾根登山道にしても北尾根登山道にしてもかなりの急登です。歩き出した途端に汗が噴き出してきました。登山口は涼しいくらいに感じたのですが、やはり真夏の登山らしい汗の量です。こまめな水分補給が必須ですね。

 標高1450m付近で櫛形山林道を横断します。実に整備された林道で、北尾根登山道との交差点には駐車場も設けられているので、体力に自信のない方はそこまで車で上がっても良いでしょう。(でも池ノ茶屋林道終点の駐車場が一番楽)この林道は中尾根登山道登山道のちょうど中間点にあたるので、ペースを把握する上で目安になります。

Dsc05379 ミヤマカラマツ

 林道から上はカラマツ林になります。林道周辺のカラマツはおそらくは植林でしょうけど、雲が掛かってきて深山の雰囲気があります。それに何より涼しいのがありがたいですね。カラマツの他にはイタヤカエデ、オオイタヤメイゲツなどのカエデの葉が目立ちました。いつの間にかヒグラシの鳴き声は消えて、エゾハルゼミが鳴いていました。

Dsc05376 カラマツの巨樹
 標高が上がるにつれて、ゴメツガやシラカバの原生林に樹相が変わってきましたが、所々にカラマツや大木を見ることができます。木々の根元には青々とした多種のコケが広がっています。「コケ女」というコケ好き女子がいるそうですが、ここへお連れしたら余りのコケの群生に卒倒するでしょうね。(まあとき既に遅しですが)こんな植生はいよいよ南アルプスの稜線にやってきた感が高まります。唯一不快なのは汗の臭いにつきまとう大きなアブです。ブンブカブンブカと周囲を飛び回って実に煩ったい。確か2年前に登った七面山もアブが多かった記憶があります。標高も場所も近いからなぁ。

Dsc05382 ほこら小屋の幕営地

 標高1800メートルを超えると突然青々とした草原に到達しました。ほこら小屋の幕営地です。すぐ近くに南アルプス市の設置した避難小屋ほこら小屋がある十字路です。ここが中尾根ルートと南尾根ルートが出合う終点になります。

Dsc05384 ほこら小屋

Dsc05386 アブも寄らず快適だ♪

Dsc05387 癒されますね。

 ほこら小屋によって腹ごしらえをしましょう。小屋の中にはザックがひとつ置かれていましたが、人の姿はありませんが、日記帳を拝帳すると、前日に宿泊された方の記録がありました。夕方窓から夕焼けに染まる富士山が見えていたとか。いやぁ、それは最高だ。どれどれ、外を見れば・・・一面白い世界です。前日ここに宿泊した方は、ザックをデポして裸山方面に朝の散策を楽しんでいるのかもしれません。反対側の窓から見る原生林をおかずにおにぎりを食べましたが、これはこれで良い景色です。

Dsc05385 小屋裏の水場

 小屋裏には沢の源頭部があってこんこんと水が湧出していました。今度はここに泊まってみたいと思いましたが、果たしてそのチャンスはやってくるのでしょうか?腹が満たされたら山頂に向かいましょう。(つづく)

2018年7月12日 (木)

山行 雨上がりに山百合咲く 鍋割山

 東でカルト教祖の教祖が処刑されたと聞けば、西で大雨による大水害と土砂災害。東西の大事件が世間を騒がせた週末でしたが、山笑といえば体力回復のためにせっせと山行を励んできました。

 7月8日(日)、せっかく得たチャンスを生かせず寝坊してしまう大失敗。自ずとお手軽ルートの鍋割山に向かうことになりました。往路は県民の森から西山林道、南稜経由の正攻法で歩いていきます。

Dsc05320 県花ヤマユリが見頃でした。

Dsc05321 ホタルブクロ。夏やねぇ~

 全般的に花は少なめでしたが、三廻部林道や西山林道の道沿いにはヤマユリが見頃でした。神奈川県の県花でもあるヤマユリは、大輪がゆえ大いに華やぎました。その他、夏らしいホタルブクロの花が咲いていました。

Dsc05327 水量多めのミズヒ沢

 前日までややまとまった降水があったので、四十八瀬川源流部の勘七沢、本沢、ミズヒ沢のどの沢も水量は多めでした。

Dsc05349 爽やかな鍋割山稜

Dsc05350 秦野盆地(左)と足柄平野(右奥)。真鶴半島も

 鍋割山稜に上がるとブナの森は瑞々しく、心地よい風が吹いていて、実に爽やかでした。雲が多く展望はイマイチでしたが、この時期の風物詩、ヤマボウシの花とエゾハルゼミの合唱が迎えてくれました。

Dsc05340 ブナに宿る菌類

Dsc05344 どら焼きみたい

 瑞々しい森は多くの生物を育みます。とかく菌類と軟体生物は元気でした。

Dsc05339 大きなヤマナメクジ
Dsc05347 黒いカタツムリ

 天気はイマイチでしたが、その分快適な山行が楽しめました。そうそう、コイツの存在を忘れてはいけません。

Dsc05324 ヤマビル

 導入部の県民の森から二俣にかけてヤマビルが少しいるようです。今回もシューズに取り付かれていましたが、幸い吸血前に発見して捕殺しました。ヤマビルの元気な季節です。皆様くれぐれもご用心の上、山行を楽しみましょう。

★コースタイム:4時間

表丹沢県民の森7:20→8:20後沢乗越→9:15鍋割山9:25→10:00小丸尾根分岐→11:00二俣→11:20県民の森

2018年7月 7日 (土)

丹沢の夏の使者

 丹沢の稜線を紅白のヤマツツジが飾る頃、周辺のブナ林からミョーキン、ミョーキン、ケケケケケ・・・不思議な鳴き声が聞こえてきます。この鳴き声の正体は、エゾハルゼミというセミです。エゾハルゼミの鳴き声は、丹沢に夏が到来したことを知る初夏の風物詩です。

 エゾハルゼミは体長3cmほどの小さなセミで、北海道から九州までほぼ全国的に分布していますが、やや涼しい環境を好むため、北海道以外では山地や高原に生息しています。そのため、一般的には馴染みの薄いセミです。羽化の時期が早いハルゼミの一種なので、丹沢周辺では5月中下旬から7月にかけて、標高1千m以上のブナ林などで鳴き声を聞くことができます。

Dsc05279 エゾハルゼミ

P1090379 丹沢主稜線にて

 最盛期には森全体がエゾハルゼミの鳴き声て溢れて、ときに耳を塞ぎたくなるほどの賑やかさです。姿かたちや活動時間帯もヒグラシに似て、日の出と共に一斉に鳴き始めます。また、平地のセミは人間など敵を警戒してか、鳴くときはじっとしていることが多いですが、このセミは枝先や幹を歩き回る姿をよく見かけます。早朝から山に入るとき、足元からこのセミが驚いて飛び立つことが多いのですが、夜は地上で過ごすのか、それともたまたま風が強い日で地上に降下していたのか

Dsc05303 エゾハルゼミの羽化

 先日、塔ノ岳の山頂近くでエゾハルゼミの羽化する場面に出会いました。羽化後の寿命は僅かに1週間。ちっぽけな虫の命ですが、真っ白の穢れのない姿には、どこか神々しさを感じました。

2018年7月 5日 (木)

山行 晴れ間のひょっこりはん 丹沢山・塔ノ岳・大倉尾根その2

 静かな朝の塔ノ岳(1491m)の山頂。青空は見えているもののやや強い西風が吹いていて、雲が稜線をかすめていきます。当然、山開きの富士山を望むことはかないません。小休止の後、丹沢山に向けて出発します。

Dsc05232 静かな山頂

 丹沢山に向かう主脈縦走路は、塔ノ岳から一気に下って、その先は日高、竜ヶ馬場などの小ピークがあって緩やかにアップダウンを繰り返していきます。ブナやシナノキの大木と一面にササが生い茂る稜線の道は展望も開けているので、実に気持ちの良い区間です。塔ノ岳までの大倉尾根が登り一辺倒の試練ならば、丹沢山までの稜線はご褒美のようなものですから、時間に余裕をもってぜひ歩いてもらいたいところです。

Dsc05267_2 気持ちの良い縦走路

Dsc05257 丹沢山山頂はガスの中

 残念ながらこの日は雲がかかっていたので展望はありませんでしたが、稜線にかかる雲が木々草花を湿らせ瑞々しく、ブナの大木には多種の植物が寄生していて、それを見るのも山行の楽しみになります。

Dsc05293_2 ブナの居候君たち Dsc05277
 豊かな緑に混じって、ウツギ、ヒコサンヒメシャラ、ノイバラ、ヤマボウシの花が枝先に咲いて、足元にもバイケイソウ、コアジサイ、シモツケ、ミヤマオダマキ、などが咲いていました。

Dsc05263 ヒコサンヒメシャラ

Dsc05235 コアジサイ Dsc05249 バイケイソウ
Img_8358 ミヤマオダマキ Img_8347 モミジイチゴ

Img_8359 イチゴのようなバラのような・・・

 雨なのか木々についた湿気が風で煽られて落ちてくるのかよくわかりませんが、風が吹いて稜線にガスが掛かるたびに水滴が落ちてきます。低山とはいえ夏の暑さなんでここにはありません。

Img_8354_2 時折青空が・・・

 強い西風が吹いて西から東へと雲が稜線を越えていきます。そんな状況下、たまに雲が晴れて真っ青な空が見えたときは思わず嬉しくなるものです。晴れ間が覗いたタイミングでひょっこり姿を見せたのが・・・

Dsc05268 ハイ!ひょっこりはん

 雲間から真っ黒な夏の富士山がひょっこりはんです。今日は山開き。多くのハイカーが山頂を目指していることでしょう。風は大丈夫かな?

Dsc05288 ハイ!ひょっこりはん

 日差しに釣られて木道の上に姿を現したのがニホントカゲです。間近でカメラを向ける山笑に物怖じもせず、木道の上で暫しの日光浴です。

 ツツジの季節も終わって華やかさはありませんが、緑と生命に満ち溢れた丹沢主稜線は実に快適でした。

Img_8371 あ~生き返る♪

 復路、大倉尾根を下るにつれて暑さが増していくのが何とも不快でしたが、暑さに負けず多くの人が山頂を目指して上がっていきました。そしてラスト直前、観音茶屋でお楽しみのかき氷が待っていました♪

★コースタイム:7時間20分

大倉4:10→5:35堀山→7:00塔ノ岳7:10→8:10丹沢山8:20→9:25塔ノ岳9:35→11:00観音茶屋11:15

→11:30大倉

2018年7月 4日 (水)

山行 体力を取り戻せ! 丹沢山・塔ノ岳・大倉尾根その1

 6月は日も長く、山の緑はいよいよ濃く生命感に溢れる季節。こんな時にこそ、休暇でもとって1日かけてロングトレイルを楽しみたいものですが、今年は公私ともに何かとタイミングが悪く機会を逃してしまいました。雨が降ったり晴れても暑かったりでウォーキングもサボり勝ちでした。その一方で、毎週のように酒飲みがあって、家にいても無性に口が寂しくなって、いつの間にかパクモグしていました。

 起爆剤は先日もらった健康診断の結果でした。(毎年言ってるような・・・)何と、去年よりも5kgほど脾肉を抱えていました。あーいかん!7月下旬には年に1度の北ア・槍ヶ岳への山行が控えています。こんなことではアルプス1万尺の頂きに立つことはかないません。Time shock!もとい。You are shock!もとい。I’m shock!山に行かねば!

 ということで、7月1日(日)、大倉尾根を歩いて塔ノ岳、丹沢山まで往復してきました。1200mの標高差を登り詰める大倉尾根は、今回考えている表銀座縦走路の導入部である合戦尾根の練習にはもってこいです。ついでに蛭ヶ岳まで歩ければ、アップダウンのある縦走路の練習になるのですが、例のごとく丸1日の山行が認められなかったので、手前の丹沢山まで歩くことにしました。いつもこれだよ。

Dsc05190 夜明け前の大倉

 4時に大倉に到着。まだこの時間では余裕で駐車場に入れますが、支度をしていると次々と車が上がってきます。真夏の大倉尾根なんて、考えただけでも汗が滲んできそうで、私自身はここ2、3年は倦厭していたのですが、一般的には四季を通じて人気のルートであることを再認識しました。

Dsc05312 オカトラノオ(虎の尾)

 明るくなると同時に大倉を出発します。導入部は薄暗くジメジメしているのでヤマビルの登場を予感させますが、最近はヤマビルへの注意喚起が徹底しているし、大倉尾根はヤマビルより歩く人の方が多いでしょうから余り心配していません。登山口付近ではオカトラノオ、ホタルブクロなどの花が咲いていました。

Dsc05195 駒止茶屋

 尾根上に上がると風が結構吹いていたので、暑さはそれほど気になりませんでした。ポ~ア~オ、ア~オ・・・と鳴いているのはアオバトです。7月1日は、大磯の海水浴場も海開きの日でしたから、これから照ヶ崎海岸の磯に潮を飲みに行くのかもしれません。そういえば富士山も山開きの日ですから、7月1日は山笑海笑にとって大詔奉戴日みたいな日です。

 今更語るまでもありませんが、大倉尾根は急登(急階段)と緩斜面が連続する登り一辺倒の尾根で、「バカ尾根」の愛称は丹沢登山の代名詞ともいえるでしょう。朝も早くから多くの人が塔ノ岳に向かっていました。夏の低山登山は涼しいうちに歩くのが正解ですね。それにしても脾肉が増えたせいか、間が空いたせいか、一歩一歩がかなり応えました。こりゃあもう北アルプスはダメかもわからんね。

Dsc05221 ヤマボウシが見頃

Dsc05210 花は真ん中の小さいのです。

Dsc05204_2 シモツケ

Dsc05270 ノイバラ

Dsc05272 ウツギ

Dsc05271 ウツギってこういうことです。(空木)

 大倉尾根の8合目ともいえる花立辺りまで来ると、ノイバラ、ウツギ、シモツケ、ヤマボウシ、ヒコサンヒメシャラなどの花が咲いていました。中でもヤマボウシは高木なので、鍋割山稜の緑の中に白い斑点が目立っていました。ちなみにヤマボウシの特徴的な白い4枚の花弁のようなものは、苞片(ほうへん)と呼ばれる花弁を包む葉で、花は苞片の中心にある丸い小さな花の集合体です。

Dsc05225 エゾハルゼミ

 塔ノ岳の山頂が近づくと、突然雲がかかり始めました。確かに大倉から見上げても表尾根には雲がかかっていましたからね。ガスの中、ミョ~キン、ミョ~キン・・・の鳴き声でおなじみエゾハルゼミの蝉時雨が迎えてくれました。(つづく)

2018年6月 9日 (土)

山行 カヤトの原に風たちぬ 三国峠周辺その3

 三国山から三国峠に戻った山笑。今度は峠を挟んで北にある鉄砲木ノ頭(明神山)に登ります。7年前の大晦日にババ、天然児の三世代編成で登った思い出の山です。あの時、山頂からは富士山の素晴らしい展望が得られました。

P1020145 山頂の展望(平成23年12月)

 日当たりの良い南向きの斜面を登っていくと汗が流れてきます。富士山の火山灰が堆積する登山道沿いには各種のウツギの木が多いですが、既に花の見頃は終わっていました。

Img_8168 ヤブウツギはもう終わり

Img_8171 ウツギとスイカズラ
 足元には、ジシバリ、キンポウゲ、ツルキンバイ、キジムシロ、コナスビ、フタリシズカ、サンリンソウ、ヘビイチゴなど多種の白や黄色の花が咲いていました。

Img_8145 コナスビ
Img_8149 フタリシズカ
 山の西側は一面のカヤト(萱所)の原になっています。かつて、山中湖畔、平野集落で茅葺き家屋の葺替えに使用されていたのでしょう。振り返って見る三国山の鬱蒼としたブナ林とは対照的に青々とした草原と空が広がっています。陽気は暑いのですが、時折雲が日光を遮ると爽やかな風が渡っていました。

 誰が風を見たのでしょう 僕も貴方も見やしない けれど木の葉を震わせて 風は通り抜けてゆく・・・

Img_8144 空に憧れて~♪
Img_8164 振り返ると三国山稜
 峠からものの20分で鉄砲木ノ頭(明神山 1291m)です。山中諏訪神社奥宮が鎮座する山頂からは、晴れていれば真正面に富士山が大きく、見下ろす山中湖の先には南アルプスの山並み。振り返ると御正体山を中心とした都留の山々を望むことができます。あいにくこの日、富士山は雲に覆われていましたが、見下ろす霞んだ山中湖は何とものどかでした。

Img_8157 山頂から富士山と山中湖

 テッペンカケタカ・・・誰一人いない静かな山頂には、ただホトトギスの鳴き声だけが聞こえていました。

Img_8165 プチ砂走り

 下山は真っすぐな火山灰の道を下ります。遮るものもなく、まるで富士山の砂走りを思わせる道を駆け下りていきました。三国峠までの所要時間はなんと10分(笑)

 三山三様。梅雨入り前の爽やかな初夏の山をつまみ食いできました。

2018年6月 7日 (木)

山行 ブナの広がる魅惑の森 三国峠周辺その2

 明神峠から車を進めて、今度は三国峠に向かいます。三国峠のちょっと手前、三国山の山腹を巻く道路から望む丹沢の山並みがまた素晴らしいんですよ。東丹沢の一角を除くほぼ全山を望むことができます。路肩に車を停車してゆっくり望みたいところですが、この区間の路肩という路肩には駐停車防止の障害物が置かれています。不法投棄の対策ですが、実に残念なことです。

Img_8106 三国峠

 車だと明神峠からものの5分で三国峠です。三国峠といっても正しくは甲斐と相模の国境。山梨県と神奈川県の県境で、駿河(静岡県)を加えた三国の国境は、峠から少し南に位置する三国山の山頂に位置しています。その三国山に行ってみることにしました。

Img_8112 ツルシロカネソウ

 西の富士山麓、東の丹沢に挟まれた三国山稜は、東西約5km程の小さな山並みですが、アップダウンのない穏やかな山並みと豊かなブナ林を擁する人気のハイキングコースです。西端の篭坂峠は御殿場~河口湖間のバスが通じているので、ここを起点として東に山稜を歩いて山中湖半の平野に下山するのが一般的ですが、健脚な人は明神峠~不老山を経由して御殿場線沿線に下山することも可能です。

Img_8116 三国山付近のブナ林

Img_8137 三国山山頂は展望なし

 三国峠から20分歩いて三国山(1320m)の山頂です。峠の標高が1168mもありますから余裕のヨッちゃんですね。周囲はブナの樹林に覆われているので展望は全くありません。一服していると、爽やかな風に乗ってミョーキン、ミョーキン・・・初夏の風物詩エゾハルゼミの鳴き声が聞こえてきました。今季初だなぁ~♪

Img_8120 魅惑の森

 このまま峠に引き返すのも物足りないので、三国山稜を少し歩いてみることにしました。広い稜線上はブナを中心にカエデ、ヒメシャラの森が続いていて、それらの木々の根元にはバイケイソウの葉が広がっていました。起伏のない平坦な森を通じる道は、自然と足が進んしまいます。引き込まれるような魅惑の森です。

Img_8132 オオカメノキ

Img_8127 カマツカ Img_8139 ミヤマザクラ
 ブナばかりの森と思いきや、よくよく観察してみるとオオカメノキ、ミヤマザクラ、カマツカ、ヤマツツジなどの花が控えめに咲いていました。花や木々の間をガガンボやハムシ、小さなカミキリムシなどが飛び交っていて、何とも雰囲気が良いではありませんか。

Img_8114 サカネラン Img_8135 ホウキタケ

 更に地面に目を凝らせば、腐生植物のサカネランやホウキタケを見つけました。華やかさはありませんが、森の名脇役たちです。

Img_8126 楢木山(1353m)

 楢木山という鞍部の手前で折り返して三国峠に戻りました。往復で要した時間は1時間20分。まだまだ余裕があります。もういっちょいく?ウッス!

2018年6月 4日 (月)

山行 サンショウバラは今年も・・・ 三国峠周辺その1

 5月下旬、丹沢の稜線をヤマツツジが飾る頃、丹沢の西端、甲相駿三国の境に位置する三国峠周辺では、サンショウバラの花が満開を迎えます。サンショウバラは、富士山から箱根にかけて分布する固有種の木生バラで、葉が山椒の葉に似ていることからその名がつきました。毎年、満開のヤマツツジを見た満足感に酔っているうちに見頃が終わっているという、私にとって相性の悪い花なのです。

Img_8105 明神峠からの展望(眼下に富士スピードウェイ)

 結論を先に言えば、今年もやっちまいました。ヤマレコなどネットで情報をつかんだときには、「樹下の二人」こと、サンショウバラの丘は見頃を終わっていて、既に明神峠まで花が上っていました。「こりゃあもうダメかもわからんね」と思いつつも、6月2日(土)に明神峠にやってきました。

Dsc05121 名物看板

 明神峠付近には駐車スペースがありませんので、いつも路肩のスペースは先行車両でいっぱいのハズなのですが、この日はスロースタートにもかかわらずガラ空きでした。と、いうことは・・・もう花を見に来る人がいないってことか(汗)百聞は一見に如かず。道路沿いの空き地に停めて出発です。

Dsc05124 サンショウバラの木

 明神峠からものの5分でサンショウバラの大木があります。この木は大木なので、花が枝先につくサンショウバラの花を見るには適しません。

Dsc05127 しおれ気味

 花は咲いてはいましたが、色があせてしおれ気味でした。やはり遅かったですね。(昨年の状況:http://yama-umi.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-1a62.html

Dsc05135 湯船山山頂

 とりあえずこの稜線の最高峰湯船山まで往復することにしました。ブナを中心とした自然林が気持ちよく、アオバトやホトトギスの鳴き声を聞きながら歩きます。でも、野鳥よりもバイクの爆音が煩いのが残念です。三国峠はライダー人気の道路ですからね。

Img_8100 湯船山付近のヤマツツジ

 花といえば、ヤマツツジがポツポツ程度。その他、ツル生のヤマアジサイくらいでした。

Dsc05122 これはナメコのような・・・

Img_8104 アミガサダケ

 この山稜は駿河湾や相模湾からの湿った風が吹き付けるので、湿気が多いらしく、きのこの類がよく見られました。

 明神峠~湯船山(1041m)間の往復は1時間でした。これでは終われないなぁ。次行ってみよー!(つづく)

2018年5月27日 (日)

山行 紅白ツツジ咲きそろい 檜洞丸・石棚山稜その3

 ユーシン分岐点で一息いれたら檜洞丸山頂を目指しましょう。山頂への道は木道が整備された歩きやすい道です。

Dsc05051 ツツジ新道出合い付近
 すぐに登山道はツツジ新道に出合いますが、この合流点、標高約1500m付近のシロヤシオが一番見頃でした。トウゴクミツバツツジも程よく咲いていましたが、こちらはまだつぼみも結構ありましたので、あと1週間は見頃が続くでしょう。

Dsc05062 紅白ツツジ合戦ですな♪

 朝一は雲が多かったものの、この時間になると雲は消えてスッキリ晴れ渡っていました。やっぱりシロヤシオを見るには青空を背景にしたいものですよ。

Dsc05050 青空に映えるね♫

 これでもかっ!としつこいくらいご提供いたします。年に一度のツツジ祭りで~い!

Dsc05061 今年は花つきが良いね♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦

 遂には・・・

Dsc05060 シロヤシオの壁が・・・

 ははははは・・・見ろ、シロヤシオが壁のようだ!最高のショーだと思わんかね?ですね大佐殿。

Dsc05047 同角ノ頭

 木々の切れ間から間近く見える三角頭。この山は同角ノ頭というピークです。二宮から丹沢を遠望したとき、雨山峠の向こうに檜洞丸とこの山が寄り添うように並んでいます。多分、「あそこに見えるのが檜洞丸だよ」と言ったとき、ほとんどの人は個性ある三角ピークの同角ノ頭が檜洞丸だと思うでしょうね。その三角の向こうには相模湾、大磯、二宮付近の海岸線が見えていました。俺はここにいるぞ~!

Dsc05072 山頂から犬越路方面

 9時に檜洞丸(1601m)にとうちゃこです。いつもより時間をかけて山を楽しんできました。先へ先へと時間に追われながら距離を稼ぐ山行よりも、今後は山の魅力を楽しみながら時間をかけた山行をしていきたいと思う山笑でした。

Dsc05079 山頂のトウゴクミツバツツジ

 山頂部では、シロヤシオの花は見れませんでしたが、トウゴクミツバツツジが満開でした。思い思いの場所に腰を下ろしてお花見を楽しむ人。犬越路方面に下っていく人。多くの人が山を訪れていました。

Dsc05058 塔ノ岳(左)と鍋割山稜

 檜洞丸の山頂は木々に覆われて展望はありません。でも、立ち位置を変えてみると、合い間から四方の展望を楽しむことができます。

Dsc05065 丹沢の最高峰蛭ヶ岳

 丹沢の最高峰、蛭ヶ岳が望めました。またいつか主稜線を縦走したいところです。ちなみに現在は蛭ヶ岳付近で登山道の崩落があるらしく、通行止になっているそうです。

Dsc05088 富士山も見えてきました。

 西の空には富士山が雲の上から姿を見せていました。やっぱり西丹沢からの富士山は大きいなぁ。

Dsc05074 山頂直下はツツジ園の様相

 さて、下山は犬越路と思いましたが、山頂付近でお話した方にツツジ新道の花は見頃だったと聞いたので、ツツジ新道にすることにしました。が・・・これが誤算でした。ツツジ新道の花は、私的には既にもう終わったという感でした。まあ人それぞれ感覚の相違があろうかと思います。

Dsc05064 さあけーるべー

 それはそれとして、誤算だったのは登ってくるハイカーの多さです。来るは来るは!数名から十数名の単位でハイカーが次々と上がってきます。西丹沢へ始発バスが入ると多くのハイカーが上がってくると警戒はしていましたが、それにしても異様な多さです。結局何百人もの人とすれ違い、その度に道を譲ったいたので結構な時間になってしまいました。それもそのはず・・・

Img_8058 忘れてた!

 そっかー、5月20日は、西丹沢の山開きの日だったんだ。どうりで人の多いわけですよ。

★コースタイム:6時間30分

西丹沢ビジターセンター4:55→5:05箒沢公園橋→7:15石棚山→8:15ユーシン分岐8:30

→9:00檜洞丸9:15→11:25西丹沢ビジターセンター

2018年5月26日 (土)

山行 今年も会えたね白い恋人 檜洞丸・石棚山稜その2

 ブナの森が続く石棚山稜。石棚山稜は丹沢湖右俣、玄倉林道の入口あたりから見上げる姿は実に荒々しく見えていますが、実際に踏む石棚山(1351m)の山頂は、道標の表示がないと気付かないほど地味なものです。この日は、晴れてはいるものの雲が多く、おまけに稜線に出ると北風が強く吹き付けて、寒いくらいの陽気でした。もう1枚持って来れば良かったなぁ。

Dsc04987 さあ行くんだその顔をあげて・・・

 そのうち稜線上に濃いピンク色のトウゴクミツバツツジの花が見られるようになってきました。木全体がピンク色に染まる満開の株もあります。これよ、これよ、これに会いたかったのよ。

Dsc04989 朝日に浮かぶトウゴクミツバツツジ

Dsc05005 満開株も

 トウゴクミツバツツジの群生地を通過しますが、実は同じ場所にシロヤシオも群生しているんです。こちらはというと・・・

Dsc05006 あちゃー。ほとんど落花していました。

 残念ながらシロヤシオはトウゴクミツバツツジより1週間ほど早く満開となるため、ほとんどの花が地に落ちていました。それでも白い花が登山道を飾るフラワーロードを歩いているようで、これはこれで風流なものです。

Dsc04995 あなたはこの森の主ですか?

 やがて稜線がなだらかなになって、公園のように歩道が整備された場所を歩いていきます。数年前、この辺りでおとぼけなアナグマとばったり出会ったことがありました。優しい森は動物たちの安住の地になっているのでしょう。1401mピークを巻いて、再び登り返す地点には、カツラの古木があります。何本もの幹を高く伸ばした見事な姿は、当に石棚山稜の主的存在です。

Dsc05020 シロヤシオ

Dsc05022 トウゴクミツバツツジ

 テシロノ頭(1491m)のピーク周辺からようやくシロヤシオが見頃になってきました。5月ゴールデンウィークに標高1千m付近から始まった開花は、半月たった今、500mほど山を上ってきたことになります。

Dsc05025 山頂はもうすぐ

Dsc05035 今年も会えたね♪

 通常の樹木は、花が開花した後に葉を出すのですが、シロヤシオは先に葉を茂らせてから花が開花します。よって白一色とはいかないのですが、この日のように曇の多い日は、白い花が映えないので、かえって葉があったほうが引き立ちます。

Dsc05027 フキに囲まれたベンチ

 テシロノ頭から緩やかに下ったところがユーシン方面への分岐点です。ここはマルバダケブキやバイケイソウが群生していますが、これら植物に囲まれたベンチが山笑お気に入りのお食事処です。今は静寂に包まれて野鳥のさえずりしか聞こえてきませんが、もう少し経てば耳を覆うばかりのエゾハルゼミの大合唱がこの辺り一帯を支配することでしょう。(つづく)

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